6 次元がちがう愛
ミモぉぉお――栄二はのたうちまわるようにして、ベッドからころがり落ちた。地面に横回転をしてレーザー銃を避けるエージェントのごとく。
そして、上体を起こしてあぐらをかくと、見慣れた部屋で、しばらく呆然とする。
夢のなかで住んでいた部屋ではふとんで寝ていたが、そういえば栄二はベッドが好きだった。
実家がふとんだったので、一人暮らしのアパートではせまくてもベッドにすると決めていたのだ。
栄二はまばたきをする。
部屋にはカーテンのわずかなすきまから朝陽が射しこみ、窓のそとではちよちよとスズメの声がする。空気がどこかスンとしていた。
栄二は夢のなかで傘をにぎりしめていた右手をみつめる。そこでようやく自分が全裸であることを思いだした。
すると、ベッドで人影がむくりと起きあがる。
「なに、悪い夢でもみたの……うぅ、寒ぅ。いま何時?」
けだるい声は、昨夜の来客で、推しが強いことが売りだと自負している女友だちの一人だった。
そういえば昨夜、夕飯のためにコンロにかけたチャーハン入りのフライパンをふりまわしていたら、ティントーンと突然来訪し、「ちょっと逢いたくなっちゃって」と髪をゆびでいじりながら「イヴだからさ?」と、はにかんだのだった。
そして、その女友だちも全裸であり、毛布をたくしあげているものの、ほぼまるだしだった。押しの強さをうみだす根拠はなにかといえば、そのわがままバストである。
栄二はぼんやりとした目線を、女友だちに送る。
「どうしたの?」
女友だちは噴きだし、身をのりだしてくる。
「わたしのことを忘れちゃったみたいな顔して、へんなの――」
そして、前ががみになって「メリークリスマァス?」と栄二の目の前で手をふった。あわせて、その豊かな双丘が振動するようにゆれる。
ほんのりさくら色をした、ふよふよとした物体……。
「守るよ……」
栄二はにぎりこぶしをつくり、どこかの次元に向けて誓う。
「命を懸けて」




