57話 ヘキサゴナルでの商売
ルメリーさんから報酬額の紙が渡された。
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帝都カルトラ冒険者ギルド本部所属
Cランク
冒険者名 ケイトス
【魔獣名/ランク/討伐数/換金額】
○パフュームバタフライ/C/462匹/公用金貨9枚/大金貨2枚/銀貨2枚
○バースデイトーチ/C/2568個/ポーションのみの為公用金貨2568枚とする。
○ヘブンズマンティス/B/20759匹/公用金貨415枚/大金貨1枚/銀貨8枚
○ブラッディウルフ/B/18506頭/持ち帰り
○冥府蝶/S/30匹/公用金貨60億枚
【合計*公用金貨60億450枚/銀貨8枚】
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隣に座っていたサイナムが覗いていたが、今更隠しようがない。
「俺らほっといて採取してた蝶々が60億かよ…」
「わかりました!討伐部隊には、1人1億枚払いますから、そんな恨めしそうな声出さないで下さい」
「採取部隊は?」
「相場の2倍程度渡してる」
「俺らは一緒の報酬じゃないとイヤだ!」
そうか、家族だものな!
「じゃ皆1億枚で」
「よっしゃあ!」
「バースデイトーチ代取り返して持っておいて。報酬は口座に振り込んでおくから、ルメリーさんに誰が一緒に行ったか伝えておいて」
ルメリーさんは全員の名前を書かせるとサイナムを部屋から追い出した。
「「「お人好し!」」」
「舞踏会で5億枚使うのにアイツらに16億枚もやってたら何してるか解らない収支になるだろうが!マヌケめ」
「それに露店から頑張るそうね、なるべく珍しい物仕入れてから行きなさいよ?」
「はい、ドレスやワンピースを売ります!着る物そんなに色も形もないんで」
「「そうなのか?」」
「ワンピースに柄がついてません」
「その割にはうれないんだが?何故だ」
「実物を見る機会が無いのと、貧民層が買える値段じゃないからです。私もひどい生活をしてましたからゴワゴワの麻袋の生地のシャツとズボンで過ごしてましたよ。縫製技術はあっても布が悪いんで田舎の何にもしてない貴族なんか村人その1です」
バラムさんはぼやく。
「運送費と越境税がなあ!チクショウ!」
「まあ、その分 私なら運送費がありませんし越境税は冒険者稼業で稼げば良いだけですし」
すると室内にいた3人が一斉に私に物申した。
「損するだけだろうが!やめておけ」
とバラムさん。
「それでは商売にならない!」
とルメリーさん。
「そんなのボランティアと変わらないじゃない!」
と秘書のお姉さん。
「ええ、貧民層にはそうしますが、貴族の上流階級には手加減しないです!
帝国の皆さんより貧富の差が激しいんです」
うちは母が兄と湯水のように公用金貨を使ってたけど私が資金源を断ち切ったので今はおじいさんに援助してもらってるようですから、やっと普通の生活が送れるようになりましたが、ね。
だから、私は、貧しい人の味方でありたい!
ちょっとしたおしゃれ着に、下流貴族の普段着に。
少しだけ利はつけるけど100ステラぐらいで。
本当にお安く提供する!
そう言うとルメリーさんが、忠告してくれた。
「場所代もかかるんだから、もう少し考えなさーい!」
「それでね、ここからがルメリーさんに相談なんだけど」
ルメリーさんが身構えた。
「何よ!」
「潰れそうな服飾工房知りませんか?」
「なるほど!それなら赤字にならない!私より、ザトー子爵に聞いたらいい」
「ありがとうございます!では、失礼します」
1階の解体受付窓口でブラッディウルフの肉と、茹でたバースデイトーチを受け取り、アイテムボックスの中に入れると屋敷の厨房へ転移する。ヨランを探しているとコック達に捕まりバースデイトーチと、ブラッディウルフに肉を強請られ、全部出したら叫ぶようにヨランの名前を呼んでいた。
やはりブラッディウルフは多いようだ。
手をハンカチで拭きつつ厨房に戻って来たヨランは肉の山にニヤリと笑ってコック達に作業を割り振り私には一礼して自分も調理に戻って行った。
私は大会議室にいるはずのザトー子爵の元に転移した。
濃い水色の光沢がある生地に精緻な銀糸の刺繍が入った首元が空いたドレスは、見事、の一言に尽きる出来だった。
隣のマネキンに着せてある夜空色の式典服など飾りである。
ローザ工房の皆さんは片付けに忙しいようだ。
ザトー子爵も樽の中に布切れを片っ端から入れている。
「ザトー子爵」
声を掛けると振り返って微笑んだ。
「いかがですかな?お父上とお母上の礼装は?」
「凄いです!ザトー子爵」
「そう言っていただけて幸いだよ!」
「いくらでしょうか?」
「グレンシード様が支払って下さいました。ケイトスには必要ないかと何度か聞かれたのでアスターくんが礼装を取って来て見せていたのが、微笑ましかったよ」
「ちょっとお話いいですか?」
「出来れば食事を取りながら、お願いできるかね?」
「この部屋までお持ちします!」
厨房へ行くとブラッディウルフのステーキが出来上がっていた。
「ローザ工房さん達と私の分どれ?」
まだ見習いコックは、素直に教えてくれた。
私は人数分のカトラリーと料理をアイテムボックスにしまって大会議室へ転移した。
片付けられたテーブルの上に料理を並べてカトラリーを添えると、いざ実食!
皆が好きな席に座ってブラッディウルフのステーキとフライドポテトとドレッシングで和えたサラダを口にして、最高の笑顔を見せる。
食事の間は弾力があるブラッディウルフの肉を噛むのに夢中になって話どころではなかった。
食事が終わる頃にダンがお茶を入れに来た。
焼き菓子が添えられていて、お針子さん達はパリパリサクサク食べている。
ザトー子爵は甘いものがお好きなようなので、私の分を空になった皿と変えてあげた。
「ありがとう。ケイトス。話を聞こうか」
「ザトー子爵のお知り合いで潰れそうな服飾工房知りませんか?援助してヘキサゴナルで売る平民か下流貴族向けの服を作って欲しいんですけど」
ザトー子爵は困った顔でダンをちらっと見て私を見た。
「お話の続きはローザ工房でしましょうか?」
「今から良いかね?」
「では、参りましょう!」
私はザトー子爵とお針子さんと荷物をローザ工房に転移した。
皆が明かりの魔道具を点け試着スペースのソファを進められて座ったら、ザトー子爵も向かい側に椅子を持って来て座った。
「まず質問に答えよう。沈みそうな工房はそこら中にある。知ってるだけで11の工房が年の瀬までに無くなるだろうが、腕のいいお針子は引き抜きされていて残っているのは裁断師だけだ」
「腕がそこそこで良いから、布から織ってる工房知りませんか?」
「知ってるし、助けてやりたいとも思っているんだが、公用金貨数億枚の借金があって家族経営だからお針子も裁断師もデザイナーもいる。実は連帯保証人なんだよ」
ザトー子爵もホトホト困っているらしくその顔は憔悴して見える。
「何でそんな借金を?」
ザトー子爵はいきなり怒り始めた。
「騙されて高い魔道具の自動布織機を買ったんだよ!大量の受注があるからと!魔道具の購入の契約書を交わした途端に大量の受注の話も立ち消えになって、今は甥御さんが利子を毎月払うために冒険者稼業に身をやつして、月に公用金貨500枚の利子と元金をいくらか支払って来たんだが、糸を卸す工房さんが大幅な値上げをして材料を仕入れられなくなったんだ!だから、サレタ村の工房さんに行ってたのさ。護衛もいない一人旅なんてするもんじゃないな」
「へえ、凄いですね、その甥御さん。Aランカーですか?」
「ああ、いい子なんだよ。治癒魔法が聞かない体質でね、体中傷だらけで特に顔の傷がひどくてそれを知らない若い冒険者達には避けられてて、かわいそうなんだよ」
知ってるもの。その人。
よし、その工房さん助けます!
「融資の話をしたいんですけど?公用金貨10億枚でいかがでしょう?」
「そうか!ケイトスは10億枚ぐらい鼻くそだってルメリーさんが言ってたな!」
「鼻くそじゃないけど、利害が一致したから投資します!」
ルメリーさんめ!皆に言ってんじゃないか!
「今夜、私から話しておくから、グレンシード様とルメリーさんを連れて明日の朝1番に契約書を持ってエメリヒ工房に行こうか!」
「お金は?」
「ルメリーさんに知らせておくから、もう、今日は休みなさい」
「ザトー子爵ありがとうございます!」
「こちらこそ助かったよ!ありがとう」
私は一応ルメリーさんに話を通してから、屋敷の私の部屋に転移したらすっかり様子が変わっていた。
部屋は3つにパーティションで区切られていて扉を開けてすぐが応接室。
次が書斎。本棚が壁際にあり、中央には6人で使える大きめのテーブルと椅子。
1番奥はベッドとタンスと並んでいる部屋で私はベッドにダイブして寝た。
ぐっすり眠っていると、ルメリーさんの声がした。
「起きなさ~い!行くわよ!契約に!」
布団を剥がれて丸くなっていると、今度は父上の声がする。
「顔色が悪いな。魔力枯渇のようだから、魔力譲渡するから、少し気持ち悪いよ、アレク」
一発で目が覚めた!
「父上、らいりょうふ!アアアアアア!!!」
父上の魔力譲渡は刺激的だった。
魔力を体に慣らすのに1時間程かかったが、その間にダンが私を着替えさせ髪を編み込み、大食堂まで連れて行き赤ちゃんの離乳食を食べさせる如くせっせとお世話されて、今現在、ギルド本部の馬車に乗って工房地区へ向かっている最中。
何故かダンも付いて来た。
「離れているとお金の判断が出来ない時があるから、自分の家令にある程度任せなさい」
「ルメリーさんは?」
「ごめんなさい。家業が忙しいから8月いっぱいで冒険者ギルドを辞めるの。今、引き継ぎし始めたんだけど、5人で仕事を分ける事になってね、大、迷惑、なの!」
「使えない人材は殺したくなるな。アジャスト男爵」
「ええ、全くですわ!クロスディア辺境伯様」
父上とルメリーさんがコワイ。
その話を聞きながらニコニコしてるダンも得体が知れない物に見える!
「ルメリーさんとお出かけするのルティーナ様に言った?父上」
「今日は少し遅く起こすよう言ってあるから、連れて来られないよ?アジャスト男爵に私は不埒な真似をしないから大丈夫だ」
「だってハンナは雌の牛にブラシかけてても怒ってたよ!」
「ほう、ハンナはどんな女の子ですか?アレク」
「ハンナはお料理が上手で、毛玉から糸を紡いで布を織って服を作れちゃう職人さんだよ。サテル兄さんが言ってたけど、肝っ玉母ちゃんなの!」
「ハンナの事は、好きなのですか?アレク」
「わかんないけど、オバケ嫌いだからお嫁さんには出来ないよ?父上」
「つまり、お嫁さんにしたいですか?」
「…でも、カーメルさんがそれは許さないよ。ハンナのお婿さんはカーメルさんを倒せる人じゃないとハンナはあげない、って!」
何で私は涙ぐんでるんだろう?
「好きなら好きって言ってごらん。二人の気持ちが大事です。言わないと始まらない」
父上は私にお嫁さんにいかにしてきてもらうかを熱く語った!
半分以上わかんないから、ルメリーさんとダンを見てたら2人ともメモを取っていた。
ルメリーさんが呟く。
「身分違いの恋って大変」
ルメリーさんの呟きにやっと、そういう話かと納得が行った。
馬車が止まった。
ダンが先に降りて私を降ろす。父上が続けて降りてルメリーさんをエスコートしていた。
そして目の前にある工房は、控え目に言ってもローザ工房の2倍以上の大きさの工房だった。
「酷い事をする奴らがいた物ですね」
父上は卑怯な事をするのが大嫌いになった。
私の「魔与の儀式」以来、清冽に生きている。
そういう人がいるとお金で何とかなるなら助けてあげてるようで、パレットが時々そういう人達の様子を見に行くのだとランタナが話していた。
王都近くの他領にある5つの孤児院は父上が実質上オーナーらしく代理人を立てて経営しているようだ。
今度行って見よう!
さて、エメリヒ工房の中に入ろうとするとエメリヒ工房から昨日も見た凶悪ヅラが玄関の扉を開けて出て来て父上を見て叫ぶ。
「お前がアレクシード何とかか?!貴族なんか真っ平御免だ!!!帰りな!」
凶悪犯罪者まっしぐらの足を叩くと、視線が私を捉えた。
「アレクシード=クロスディアと申します。」
立礼したらゲンコツされた。
「施しは、いらねぇ!!!」
「メリエレさんが、私の事いらないって言った!うわあああああん」
「メリエレ?!あんた何小さい子泣かせてんだい!!」
メリエレさんのお母さんだろうか?メリエレさんを平手打ちして耳を引っ張って連れて行った。
私はルメリーさんとその後ろに付いて行く。
「ケイトス!お前泣いてないだろうが!」
「メリエレさんが舐めたこと言うからです!仕事絡みじゃなかったら、エメリヒ工房さんは融資の対象ではなかったでしょう」
「本当に仕事に来たのか!」
「必要なら、メリエレさんを殺してでもやるけど?本気の私に勝てるかな?」
しばし、睨み合っているとメリエレさんが泣き出した!
「俺は逃げるんじゃねえ!戦略的撤退だぁ!」
メリエレさんは泣きながら走って工房の奥に逃げて行った。
「さ、邪魔者は消えたから、サクサク進めましょう!」
事務所に行くと頑固そうなオヤジさんが、ねじり鉢巻きスタイルで待っていた。
その後ろには親族がズラリと並びひしめき合っていた。何故親族関係かわかったかというと皆メリエレさんそっくりだからだ。高い鼻筋、大きめの唇。きれいな緑の目。メリエレさんは傷が無いと綺麗な顔をしている事が証明された。
オヤジさんが名乗る。
「メリクという。貴族さんへの行儀はわからんからこのしゃべり方で許してくれ。まあ、座ってくれ」
古い革張りのソファは良く手入れされていて実家の応接室を思い出した。
机が高いので父上が膝の上に乗せてくれた。
…なんか照れる!温かくなる頬を叩いて気合いを入れるとルメリーさんが契約書の内容を流れるように説明して行く。
メリクさんの顔にますますシワが寄る。
「悪いが、この話はなかった事にしてくれ!話が美味すぎる!胡散臭いにも程がある!」
「ちゃんとデメリットもあります。最初は布地ばかり売れると思います!女性物の安い服しか作れないでしょう!お願いします!ヘキサゴナルで柄物の安いワンピースや帝国で平民が着てるワンピースが、帝国での販売価格で売りたいのです!卸値は帝国での卸値で結構です!貧民層のおしゃれ着に、何とか手の届く価格で売りたいのです!それは、私達親子が田舎貴族で最近まで麻袋に使う布地のシャツやズボンを着てた経験からです!
どうか、貧民層の子供達が着たら笑顔になるような服を私に売らせて下さいませんか?」
「そこまで言われちゃあな!でも、そんなデタラメな商売、金を払う親は認めるのかよ?」
父上は私の頭の上に手を乗せて笑って言う。
「お金を冒険者稼業で稼いで色々商売してるのはこの子です。自分で稼いだお金をどう使おうと構いません。メリエレさんもお知り合いみたいですから、身元はちゃんとわかって貰えると思います」
「「「「「「「「「「メリエレ!!出てきな」」」」」」」」」
出て来たメリエレさんは親族の女性達にボコボコにされて床にダウンした。ヨワ!
「何で知り合いだって言わなかった!話がこじれる所だっただろうが!!!」
「施しはいらねーよ!!」
まだ、言ってる。バカ?
メリクさんが怒鳴り付ける。
「馬鹿野郎!!そりゃオメェが頑張っているから応援してやろうって気持ちも少しはあっただろうさ!それの何が悪い!仲間なんだろうが!」
「仲間なら尚更借りが重いんだよ!借りたら仲間じゃ無くなるだろうが!」
「大丈夫。メリエレさん。その分こき使うから!仲間とか仲間じゃないとかわからなくなるまで、こき使ってあげる!」
メリエレさんはジットリと私を睨んだ。
「何?その顔は!私がメリエレさんの為にこの工房を選んだってメリエレさんが思ってるからそんなにそう思うなら期待通りにしてあげようとしてるだけなんだけど?」
「本当にそうじゃないのか?」
「じゃ、メリエレさんは薬草樹海が荒れてなかったら、私がいるからってソロで幻惑森林に入って来られる?」
「…わかった。俺が悪かった。話を進めてくれ」
「いちいち偉そう何だよ!オメェは!」
メリクさんにメリエレさんはゲンコツされて、泣いていた。ゴツ、って言ったものね。
メリクさんが不精ヒゲを触りながら、質問を重ねる。
男物はいらないのか?
子供ものはどうする?
布織機で織るのはやすければ単純な柄物になるがいいのか?
これらの事には父上が意外にも、答えてくれた。
「メリクさん、柄物は決まった柄物しか無くて貴族向けの高い服にしか使われてないんで、下級貴族までは柄なしの服にしか買えないんです。帝国でのシャツやワンピースを見て妻が羨ましがっていました。“平民もおしゃれが出来るんだ”と。妻は貧民出身なのです」
聖騎士になるまでに重ねた苦労を思ってもらい泣きしそうになった。
「どんな店にするんだい?」
ルメリーさんと私は引きつった笑顔で虹証の説明をした。
「なるほどな!そりゃ売り子の技量がもの言うな!」
逆境に強いのか、露店からの出発でも、一切文句は言わなかったメリクさんに心から感謝した。
しかし、次の言葉に耳を疑った。
「メリエレ、再生魔法受けてテメェが売り子しろ!薬草樹海には来年の春からしかいけねぇ、って腐ってただろうが?チェルキオ語の出来る奴がお前しか居ねえんだよ!」
メリエレさんの傷、再生魔法なら治るのか!
「再生魔法かけられる人を紹介させて下さい!」
父上がぼやいた。
「私を頼ってくれないのですか?掛けられますよ」
私は父上を見上げた。
父上は私を膝からソファに降ろすとメリエレさんの側に行き逃げようとするメリエレさんをヒョイと捕まえていきなり施術した。
太陽が墜ちてきたかと思うくらい眩しく光って数分後には、こんな男前だったのかと思うくらいの美中年がいた。
ルメリーさんはニヤリと笑う。
「こりゃ、奥様のハートをガッチリね!」
「でも、メリエレさん無愛想だよね?接客出来るの?」
メリクさんがそれは保証してくれた。
「しばらくうちの営業担当者だったから、商品の説明と販売は一通り出来る!心配するな!」
私は父上の具合が心配になったので、契約書にサインして後の始末はルメリーさんに任せて、屋敷に転移して父上を部屋に運んで寝かせたらすぐに寝落ちした。
これでヘキサゴナルでの商売の足がかりを得ることが出来てホッとした私は父上の隣りに潜り込むと眠った。