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Ep5:消えた先生のノート(後編)

星見小学校の桜の木の下で、用務員の田中さんと旧体育館で出会った黒いコートの男が密会しているところを目撃してしまった僕たち「星見キッズ」。山田先生の指導ノートを盗んだ田中さんは、男と「星見計画」や「桜の木の下の遺物」について話していた。追い詰められた僕たち




5人は、茂みから逃げ出したが、男たちに見つかってしまった。




「逃げろ! 校舎の方へ!」僕は叫びながら走った。




田中さんと黒いコートの男が追いかけてくる。懐中電灯の光が校庭を切り裂き、僕たちの背中に迫ってくる。




「シュウ、こっち!」ケンタが校庭の端にある小さな物置小屋を指差した。




僕たちは一気に物置小屋に飛び込み、ドアを閉めた。息を殺して中から様子をうかがう。男たちの足音が近づき、物置小屋の前で止まった。




「どこに行ったんだ、あのガキども…。見つけたらただじゃ済まさんぞ」男の低い声が聞こえた。




「田中、桜の木の地図は持ってるな? 遺物を掘り出す前に、ガキたちを始末しないとまずい」黒いコートの男が苛立った声で言った。




田中さんが答えた。「地図はここにある。だが、あの子供たち…何かを知ってるかもしれない。星見計画のことを嗅ぎ回られたら、計画が台無しだ」




男たちの足音が遠ざかっていくのを確認し、僕たちはホッと息をついた。でも、緊張は解けない。




「シュウ、星見計画って何? 遺物って何なの?」カナエが小声で尋ねた。




「まだ分からない。でも、地下室のノートに書いてあった『星見計画』と関係があるのは確かだ。田中さんが盗んだ先生のノートには、生徒の個人情報が書いてある…。それを使って何か企んでるのかもしれない」僕はノートにメモしながら考えを整理した。




「シュウ、録音できたよ。さっきの会話、全部入ってる」タクミが録音機を見せた。




「よくやった、タクミ! これ、証拠になる。リナ、さっきの地図の詳細、覚えてる?」




リナがスケッチブックを開いた。「うん、見た限り、地図には桜の木の根元に『X』印がついてた。そこに何か埋まってるんだと思う」




「X印…。遺物って、桜の木の下に埋まってるものだろ? 田中さんたちが掘り出そうとしてるなら、僕たちが先に動かないと」ケンタが拳を握った。




「でも、どうやって? あの人たち、まだ近くにいるよ。危なすぎる…」リナが不安そうに言った。




「そうだね。直接対決は危険だ。まずは助けを呼ぼう。山田先生に全部話して、警察にも連絡してもらう」僕は決断した。




物置小屋からそっと出て、校舎の裏口に向かった。幸い、田中さんたちの姿は見えない。校舎の中に入り、職員室に急いだ。山田先生はまだ残っていて、書類整理をしていた。




「先生! 大変なんです!」カナエが叫ぶと、山田先生が驚いて振り返った。




「どうしたの、みんな? こんな時間に…」




「先生、田中さんが先生のノートを盗んだんです! それに、怪しい男と一緒に桜の木の下で何か企んでます!」僕は一気に説明した。




「えっ、田中さんが…? それ、本当なの?」山田先生が目を丸くした。




「これ、録音です。聞いてください」タクミが録音機を再生した。




田中さんと男の会話が流れ、先生の顔がみるみる青ざめた。


「これは…大変なことね。すぐに校長先生と警察に連絡するわ。あなたたちはここにいて、安全を確保しないと」先生が電話をかけている間、僕たちは職員室の窓から校庭を見た。




桜の木の下で、田中さんと男がシャベルを持って土を掘っているのが見えた。


「シュウ、あいつら、本当に遺物を掘り出そうとしてる! 止める方法ないの?」ケンタが焦った。




「直接は無理だ。でも…何か気を引く方法なら…。タクミ、録音機で何かできる?」




タクミが目を輝かせた。 「そうだ! 録音機でさっきの怪音を流せば、気を引けるかも! 旧体育館のネズミの音、録ってたんだ」




「いいね! それで時間を稼ごう。警察が来るまで、あの人たちを桜の木から遠ざけるんだ」僕たちは校庭の反対側、旧体育館の近くに移動した。




タクミが録音機を最大音量で再生し、ネズミのガタガタという音を流した。すると、田中さんと男が驚いて顔を上げ、旧体育館の方を見た。「またあの音だ…。誰かいるのか?」男が懐中電灯を手に持つ。




「見に行こう。遺物は後だ」田中さんがシャベルを置いて、男と一緒に旧体育館に向かってきた。




「よし、うまくいった! 桜の木の近くに行こう」僕はみんなを連れて桜の木に急いだ。




桜の木の根元には、すでに穴が掘られていた。そこに、小さな金属の箱が見えた。箱を開けると、中には古いペンダントが入っていた。ペンダントには「星見」と刻まれ、裏には「1945」と書かれている。




「これが遺物…? でも、ただのペンダントだよね? なぜこんなものを…」カナエが首をかしげた。




「分からない。でも、星見計画と関係があるはずだ。持って帰って、詳しく調べよう」僕はペンダントをカバンに入れた。




その時、遠くからサイレンの音が聞こえてきた。警察だ! 山田先生が呼んでくれたんだ。




「シュウ、警察が来た! もう大丈夫だ!」リナがホッとした顔で言った。




校庭にパトカーが到着し、警察官が田中さんと男を取り押さえた。山田先生と校長先生も駆けつけ、事の次第を説明した。田中さんと男は連行され、僕たちは警察にペンダントと録音データを渡した。




後日、警察から連絡があった。田中さんと黒いコートの男は、戦時中に星見小学校が軍の秘密基地として使われていたことを知り、隠された「星見計画」の遺物を探していたらしい。


ペンダントは、計画の鍵となる暗号が刻まれたものだったが、詳しい内容はまだ解明されていない。田中さんは生徒の個人情報を利用して、計画の資金を集めるつもりだったという。




「シュウ、すごい事件だったね。星見キッズ、やっぱり最強だ!」カナエが笑った。




「うん。でも、まだ謎は残ってる。星見計画の全貌、そしてこのペンダントの暗号…。次の事件が待ってる気がする」僕はノートにそう書き込んだ。




桜の木の下で、僕たち星見キッズの冒険は、まだまだ続く。

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