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3.安全確認

私がこの世界に転生して7年の月日が経った。

経営危機の時期は定かではないが、相変わらず食事処は繁盛している。

それはさておき、男爵夫婦云々の前に私は重大なことを思い出していた。


ルドルフルートに入ると、『過去でルドルフ殿下と私が出会ってました』エピソードが出現する。

その()()()()()()()が多分今日!!

確かルドルフが7歳の時に、王都で行われる収穫祭にお忍びで訪れて迷子になるはずだ。

そこで出会うのがヒロインのアリス。

知らない場所で心細い思いをするルドルフと一緒に護衛(保護者)を探すというご都合主義満載なエピソード。

もちろん途中で悪い人達に絡まれるスパイスも盛り込んでいて、お坊ちゃまなヒーローが自分を必死に守ろうとするヒロインに好意を寄せてしまうのはちょろ…、いや、仕方がないことだ。


当然私はルドルフ殿下と関わる気はないが、もしも殿下が悪い人達に絡まれたのならば見過ごすことは出来ない。

私は食堂が混み始める夕方前には帰ると両親に約束して、収穫祭に行く許可を貰った。

両親は「いつもお手伝いありがとう、楽しんでおいで」と子供には少し多めなお小遣いをくれた。

両親の気遣いが嬉しい。さっさとルドルフ殿下の無事を見届けて、大好きな両親に何かお土産を買って帰ろう。


私は自分に不可視化の魔法をかけてから風魔法の応用で空中に浮き、空から殿下を探すことにした。

収穫祭は王都でも指折りのお祭りだ。

人手が多くルドルフ殿下を見つけるのに時間が掛かるかと思いきや、子供が歩けばその周りを大人達が歩調を合わせるように動く様子が空からは一目瞭然で、すぐ見つけることが出来た。

そして驚くべきことに殿下の横には意外な人物がいた。


(あの金髪縦ロールって…もしかしてシャロン・カリバ?)


このゲームの悪役令嬢が殿下の横にいるとは!

シャロンを観察すると殿下から目を離すことなく、更には周囲を警戒しているように見える。


(これ、絶対前世でゲームをプレイしている転生者だわ…)


ルドルフルートのエピソードを知っているからこそ、一緒に来ているのだろう。

良く見れば殿下の周囲にはかなりの数の護衛がいる。迷子と悪い人対策は万全なようだから、もしかして私と殿下が会う事を心配しているのだろうか?


「私、殿下にこれっぽっちも興味がないから心配いらないよ〜。攻略頑張れ!シャロン…さん?」


シャロンには聞こえないとわかっているが空中からエールを送った。

この分だと私の出番はなさそうなので、残りの時間は祭を楽しもうと思う。

ルドルフとシャロンに鉢合わせしないように、私は彼らがいる場所からかなり離れた場所に降り立った。




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