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後方兵科が異世界転移!?  作者: お芋さん
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 石田はルブアが眺められる小高い丘に来ている。トラックは見つからない位置に停めている。石田の近くには京藤と古井がいた。3人ともそれぞれ双眼鏡を持ちルブアを眺めている。


「・・・あ、やっぱりあれマスケット銃っぽいな・・・」

「みたいだね」

「そうですね」


 3人の視界の先には城壁上で警戒している歩兵がいた。その歩兵は確かにマスケット銃らしい物を持っていた。

 ルブアの街はその周辺を城壁で囲われている。城壁の高さは場所により異なるが・・・今見ているところはおよそ3mほど。素材は・・・見た感じコンクリートに近いけど・・・そこら辺にある砂と同じ色をしている。砦と同様に魔法使いがその力で砂を固めて作ったのかもしれない。城壁上にはいくつか詰め所があり・・・万里の長城から中国テイストを抜き、中東風に作り替えたらこんな感じなのかなって感じだ。城壁上は兵士が動きやすくするためか結構な幅がある。

 城壁を万里の長城と表現したのは理由がある。というのが結構な大きさのある水源と、その周りを囲むように出来上がった街全体を囲むような形で作られている。このため、大きさがかなりのものになっている。しかも城壁内にはまだ拡張する計画があるのか、手つかずの更地が全面積の1/3ほどある。


「なんていうか・・・城壁が無駄に広い範囲を囲んでるな」

「・・・そうだね」

「そうですね」


 双眼鏡をしまう。


「とりあえずトラックは目立つしここからは徒歩で移動かな?」

「そうだね。砦で出会った部隊から連絡は行っているかもしれないけど、刺激したくないしね」

「はい。賛成です」


~~~~~~~~~~~~


 ルブアの入口へとたどり着いた。

 遠くから歩いてくる姿が見えたからだろう、入口から外に少し出た所に軍人が並んでいた。そしてその中にはアレーシャとヒシャムもいた。入口に並ぶ軍人は全員、盗賊の砦で出会った時のような戦闘服ではなく、ピリッと引き締まった少し見栄えのいい服を着ていた。おそらくこの地の軍隊における制服なのかもしれない。


「イシダ様ようこそいらっしゃいました」


 アレーシャが前に出て出迎えてくれた。表情がとても硬く緊張しているようだった。


「アレーシャさん。お久しぶりです。これは・・・どうされたのですか?」

「イシダ様達を出迎えようと準備していたのです」

「それはありがとうございます」

「はい。それで盗賊討伐を協力いただいたことについて領主が直々にお礼を申し上げたいと申しております。よろしければ、このままお城まで案内させていただきます」

「え・・・領主様が・・・ですか?」

「はい」


(ということは領主と話せるってことだよな?これで食料とかを安定して輸入できたりするといろいろ助かるなぁ・・・。あとは、フォックス族や被害者女性のことも相談させてもらわないとだな)


「分かりました。城までお願いします」

「はい。ではご案内します」


 アレーシャが街に向かって歩き出した。街の入口では応対してくれている以外の兵士もいた。こちらの兵士は砦で出会った部隊と同じような装備をしている。彼らは街に入ろうとする人達を止めては聞き取りや荷物確認をしていた。


(あーやっぱりファンタジーだな・・・。ってことは街に入るのに税金とか取られるのかな?・・・これは聞いておいた方がいいな)


「アレーシャさん、街に入るときに税を治める必要ってありますよね?」


 前を向いて歩いていたアレーシャさんが立ち止まり振り返る。


「えぇ。通常ですと街に入るときに集めさせてもらっています。ただ、今回は感謝も込めて無料とさせていただきます」

「ありがとうございます」


(うわー・・・ってことは訓練施設を作って儲けるなら城壁の内側に作らなきゃならんな・・・。ユンボやらブルドーザーなんかを動かしても大丈夫だろうか?)


「はい。こちらへどうぞ」


 再び歩き出した。

 当然ではあるが、この町は防衛を考えて建てられているようだ。入口から続く大通りは直線的に城へは向かわず、直角に2回ほど曲がるように設計されていた。

 フォックス族やユニットの全員、ファティは初めて見る街の様子に興味津々という感じであった。特にファティはせわしなく周囲を見渡していた。


 城は水源の側に建てられていた。やはりその周りをぐるっと城壁が囲んでいる。城壁の一部が水源と接触しており城の中には直接水が引き込まれているようだった。大きめな城門は今は開けられていた。城門をくぐり中に入ると石造りの建物が建っている。西洋風の高い塔がそびえる形ではなかった。四角い建物で屋根・・・というかおそらくは屋上にもある程度兵を展開できるようになっているのだろう。本当に武骨な防衛拠点という形だった。

 正面の入口脇には兵士が立っている。その手には槍が握られ腰には曲刀(シミスターとかいうのだろうか?)が下げられていた。私たちが近づくと、彼らは姿勢を正しアレーシャさんに敬礼していた。

 城に入るとまずはメインホールがあり正面に大きな階段があった。アレーシャさんに続き階段を上る。階段を上った先にある大きな扉を開いて中に入った。その部屋は広かった。入り口を入って正面には一段高くなった床がありその上には装飾の施された椅子が用意されていた。部屋の左奥には入ってきた正面の入口とは別に小さな入口が用意されていた。


「ここでしばらくお待ちください」


 アレーシャさんが部屋を出て行った。一緒に歩いてきたヒシャムさんが話す。


「皆さん。今から領主が来ます。整列をお願いします」


 ということなので列を作り待つ。並びは自然と、最前列にユニットのみんな、2列目にファティ&盗賊の被害者、3~4列目をフォックス族という形になった。


―ガチャ


 部屋の左奥にある小さな入口からアレーシャさんが入ってきた。


「領主が来ました」


 石田とユニットの全員が姿勢を正す。それを見て他の全員もそれぞれに姿勢を正した。

 アレーシャさんが扉の脇によけた。すると扉から男と女が入ってきた。見た感じ2人はともに40代の半ばだった。

 男のほうは身長はほどほどだけど、筋肉がすごい。見事な逆三角形の体形だ。ただ、少しお腹が出ているのかな?あと顔がとても厳つい。顔に入ったしわや肌の質感から40代と特定できたが、その表情からは力強さが感じられその年齢を感じさせない何かがある。またその眼には獲物を狙う野獣のような鋭さがある。

 女のほうはアレーシャさんと関係があるのか顔つきがどことなく似ている。髪を三つ編みにしてまとめている。背中に届く程度の長さだ。体は細く、運動は得意そうではなかったが、自堕落な生活をしていないことがうかがえた。

 その男女は装飾された椅子に行くのかと思いきやそのままの足で石田たちの正面までやってきた。


(あれ?こういう時は権威を示すために一段高い席に着くのではないのかな?なんでだ?まぁ、何はともあれ名乗ることはこちらからして相手を持ち上げておこう)


 石田は驚きながら頭を下げて名乗った。


「この度はお招きいただきありがとうございます。私は旅の商人でカズヒデ・イシダと申します」

「丁寧に痛み入る。私はこのルブアの統治を任されているアサド・クルスームだ。このたびは盗賊の討伐にご協力いただき感謝している」


 男が答えた。やはりというか領主だったようだ。その声は低く野太かった。


「いえ。私たちはただ当然のことをしたまでです」

「そうか。しかしなかなかできることではない。何か褒美を取らせたいが・・・何を望む?」

「そうですね・・・後ろにいる獣人のフォックス族の皆さんをこの街に受け入れてもらうことはできますか?」

「ふむ。それは難しい。この街は最前線だ。間諜(かんちょう:スパイ)を受け入れるわけにいかず、新たな住人の受け入れには条件があり、この法律を曲げることは難しいのだ」

「そう・・・ですか。その条件というのは?」

「簡単に言うと他の領からの推薦状か、あるいは直接このルブアに貢献することだ。前者については説明するまでもないが、後者については軍役をこなすこと、商人として一定以上の税を治めること、冒険者として依頼をこなし一定以上の評価を得ることなどだ」

「なるほど・・・。ちなみにルブアで店を開く許可をいただくこともやはり難しいですか?」

「申し訳ない。ルブアの中や近くに店舗を設けるには住人としての登録が条件となる。そのためその要望に応えるのは難しい。・・・ただし露店を開かれるというのであれば申請書を数枚書いてもらい、税金を納めてもらえれば可能だ」

「そうですか・・・ちなみに露店なんですが、どこまでが露店なのでしょう?」

「どこまで・・・とは?」

「今考えているのはルブアのどこかに天幕を張りその周辺で訓練所を開かせてもらえればと思うのですが・・・」


 アサドの顔つきが鋭くなった。


「それは、報告にあったドラゴンとの戦闘訓練だろうか?」

「えぇ。そうです。そういったことのできる訓練施設を作りたいと考えているのですが・・・」


 アサドは残念そうな顔をし、息を吐いたのち話した。


「軍の司令官としては大変魅力的な話だ。だが、街の領主としては賛成できない話だ。街の近くにドラゴンがいるという環境は住民に要らぬ不安を与えることになるからな」

「あっ」


(そういえば訓練の時に、人はドラゴンに一方的に蹂躙されるだけだった・・・。仮にここの軍が総力を挙げてもファティには叶わないんじゃないのか?・・・とすると確かにドラゴンに恐怖する気持ちは自然なものだな)


「なるほど。返す言葉もありません。おっしゃる通りです」


 とここでアサドはいたずら小僧のような笑顔を浮かべた。


「ただ、私個人としてはとても魅力的に思っている。だからまずは害がないことを示してほしいと思っている」

「・・・なるほど」

「軍人として仕官してくれるのが最も簡単に市民権が得られるぞ」

「・・・」


(・・・軍のスカウトかYOッ!)


「ごめんなさい。それは遠慮します」

「そうか。・・・話は戻るが、褒美は何が欲しい」


(う~ん・・・そうだな。現地通貨が手に入ると助かるか)


「お金でお願いします」


 アサドはキョトンとした顔をしてしばし固まった。その後意外なものを見たような顔をしながら話す。


「本当にそれでいいのか?」

「えぇ。あとは自分たちで何とかします」

「そうか。いくらほど必要だ?」


(あー・・・いくらだろう?通貨価値がわかってないからな・・・)


「盗賊討伐の相場っていくらですか?」

「う~ん。そうだな。うちの領では時期によるが盗賊1人当たり金貨1~3枚といったところだ」

「じゃあ平均して2枚として・・・金貨100枚でどうですか?」

「うん?報告では51人と聞いているが・・・102枚で無くてよいのか?」

「えぇ、きりよく払ってもらった方が楽かなと思いまして」

「そうか・・・わかった。用意しよう。ヒシャム、ひとっ走り頼めるか?」

「承知しました」


 ヒシャムが部屋を出ていった。ヒシャムさんを目で追いかけたため周りを見る余裕ができた。

 まず、ユニットのみんなはどこか頭痛を我慢しているような表情をしている。


(・・・まずい、何かやらかしたか!?)


 次にタミーナ・ターニャが・・・信じられないものを見る目つきでこちらを見ている。


(うん。どうやら商売的にもまずい内容だったようだ)


 ラエレン、ナーダ、ザリファ、フォックス族の皆は・・・特に表情は動いていない。・・・いや、フェーネさんだけ信じられないものを見る目でこちらを見ている。


(・・・う~ん。説教確定ですかねぇ・・・)


「まけてもらったお礼と言っちゃなんではあるが、冒険者として登録するといい。冒険者証は一種の身分証として使える。この街へ入る時の税金も優遇されている。さらに冒険者として活動して、ランクを上げてもらえば税の優遇率もよくなるぞ」

「なるほど。商人として貢献するより・・・よりも冒険者のほうがいいのですか?」

「はっはっはっはっは。報酬額の交渉もできない兄ちゃんは商人には向かないよ」


 笑われてしまった。


―コンコン


「ヒシャムです。お持ちしました」


 ヒシャムが戻ってきた。その手には大きな袋が握られている。中からは金属がこすれる音がしている。ヒシャムはそれをアサドに手渡した。アサドはそれを受け取り石田に手渡した。


「今回の協力感謝する」

「はい。ありがとうございます」

「では、息災でな」


 アサドと女性は入ってきた扉から出て行った。アレーシャが慌てた動作でそのあとを追いかけた。ヒシャムが進み出て話した。


「出口までご案内します」

前回登場したアーチャー自走榴弾砲なんですけど調べてみた方おられますかね。

HPによるとこの榴弾砲が発射できる弾は三種類。

「通常榴弾」「ベースブリード弾」「GPS誘導弾」だそうです。

で、注目するのがGPS誘導弾なんです。(ベースブリード弾もすごいけど)

翼展開式で・・・とかすごいところ満載なんですけどその名前がすごいんですよ。

「M982 エクスカリバー」だそうです。

アーチャーからエクスカリバーが発射される・・・

なんだか大量に食料を消費しそうですね・・・。

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