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後方兵科が異世界転移!?  作者: お芋さん
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うわぁぁ・・・ハズイ・・・。前回の投稿ではナンバリングを間違えてましたね・・・

ごめんなさい。2018/3/05 00:57に訂正しておきました。

 少女らは泣き止むとそのまま眠ってしまった。少女らをベッドに戻し、あとのことをナイチンゲールさんらにお願いして領の方へ急ぐいだ。その日の午前中、霧の現状や各種資源の備蓄状況などについて京藤さんからレクチャーを受けた。


「・・・あぁー・・・疲れた・・・」


 椅子の背もたれにもたれかかり天井を仰ぐ。


「うん。まぁ、ひとまずはこんなところでいいかな」

「はぁ~・・・・まだあるんだ・・・」

「ふふふ。それはそうだよ」


 用意してくれた資料を片付けながら京藤さんが微笑んだ。


 さて目下の課題として食糧問題があった。領内の食料はすべて合わせて1000食分ほど備蓄されていた。これを見て皆さんは多いと感じたかもしれない。しかし考えてほしい。人は一日3回食べる。つまり1000食とは1000 ÷ 3 ≒ 333日分の食事となる。まぁ、まだたくさんあると考えたかもしれない。これを今領内で活動できる4人に等分してみる。333 ÷ 4 ≒ 83日分の食事ということになる。およそ2か月半ほどの食料だ。そして現状フォックス族(赤子を除いて14人)の人たちも抱え込んでしまっている。つまり1000 ÷ 3 ÷ (14+4) ≒ 18日分しか備蓄がないのだ。

 さて皆さんはすでに人数という要素がいかに大きく影響してくるかお気づきだろう。某有名な中将キャラが「戦いは数だよ!」と名言を残している。しかしご理解いただけると思うが人数が増えるということはその分の食料も必要になる。(あのアニメ中ではその通りだと思うけどね!)

 兵員の移動は同時に食料を含む物資の移動も伴わなくてはならない。かつて「食料は現地で手に入れろ」と指示し大量の兵員を餓死させた軍隊があった。その軍隊は兵站(物資の配給や整備、兵員の輸送や衛生など、前線を支える活動)を軽視していた。いや、それどころか軍内では輜重兵科(兵站を主に担当する兵科)に所属する者を軽蔑する文化さえあったとか。兵員の移動手段を失い、物資を絶たれ・・・その軍は負けた。


 話を戻そう。現在その兵站をイシダが管理しなくてはならない。というのもゲームシステム上、京藤・古井・ナイチンゲールの3名は戦闘ユニットだからだ。加えてゲーム内に兵站を管理する役職はなかった。弾薬は自動的に補給されるし、食料なんかは維持できる領民数を決めるパラメーターでしかなかった。だが、現実的に考えてそんなことありえない。そして現実になった今管理しなくてはならない。


(はぁ・・・頭が痛い・・・)


 京藤さんが用意してくれた資料をめくる。資料内のあるページで止まる。そのページにはとある格言が乗っていた。


『戦争のプロは兵站を語り、戦争の素人は戦略を語る』


(やべぇ・・・一介のFPSプレイヤーでしかなかったからな戦略すら語れないんだけど・・・)


 一人頭を抱えていると端末に連絡が入った。


『司令!こちら古井です!応答願います!』

「?・・・はい。こちらイシダ。どうぞ」


 京藤さんも作業の手を止めこちらに注目している。


『砦に接近中の武装集団を確認しました。その数はおよそ200人です。現在、先触れでしょうか?棒の先端に白い布をつけた騎兵が単騎、急速に接近中です』

「了解。そちらに急ぎ戻ります。相手からの攻撃が確認されるまで攻撃しないようにしてください」

『了解です。・・・どうしましょう。私はパントムの出撃準備を整えましょうか?』

「いいえ。そちらに行くまでは監視をお願いします」

『了解しました。オ―バー』


 タブレットから視線を外し京藤さんの方を見る。京藤さんもこちらを見ていた。


「急いでゲートを通って砦へ向かう。京藤さんは片づけをお願いします。片づけが終わったら召喚します。連絡を。偵察兵で偵察装備と89式を選択して召喚に応じてくれ」

「了解!」

「では」


 急ぎ砦へと向かった。


~~~~~~~~~~


 私の名はアレーシャ・クルスーム。アンワル王国の南西の端、オアシス都市「ルブア」を治めているクルスーム家に生まれた女。今年で16歳になる。兄が2人に姉が1人いて、私は末っ子よ。

 オアシス都市「ルブア」は古くから交易の要衝として重要な位置を占めてきたわ。故にこの地を治めると多額の税収が手に入るとあって争いの絶えない土地でもあった。今から約50年ほど前にアンワル王国が手入れてからも数回、他国からの侵略があった。ただここ数年は軍事的緊張が高まるようなことは起こっていない。農業技術の革新があったとかで、各国食べるものに困らなくなったんだって。

 侵略を受けやすい「ルブア」を治める私達クルスーム家は武家の家系なの。一族は母を除いて男女問わず皆、軍隊に所属し戦えるように訓練される。というのも、交通の要衝であるルブアは行商を狙う盗賊も集めてしまう。行商の人たちが訪れてくれるおかげで税収が潤うこの都市にとって、盗賊は無視できない相手。他国からの侵略を警戒することに加え、交易路の安全確保もルブア防衛軍の仕事となっている。広大な交易路の警戒には大量の人員を必要とする。このため軍は常に人員不足の問題を抱えている。

 だから私もルブア防衛軍の第6兵団を連れて交易路の警戒を行っている。この第6兵団は父と兄二人、姉の部隊から「年齢が高く体力的な問題を抱える」という理由で転属してきたもので構成されている...ということになっている。だけど実際のところは、実戦経験が豊富な優秀な者たちで体力的な問題も特にない。はぁ・・・人員不足なのに何やってんだか・・・。

 さて、毎年この時期、今警戒している街道を通って大規模な隊商がやってくる。たくさんの荷物と多くの人がルブアの街にお金を落としてくれる。だから彼らが通る前に一度街道の安全を確保しておくの。ただ、実際のところ隊商は自分たちで冒険者の護衛を雇っている。放っておいても大丈夫なのだけど、領と街道を守る仕事をしている身である以上そういう訳にはいかない。

 そんな街道警備の仕事なのだけど今年はこの街道で盗賊の目撃情報が相次いでいた。大事な時期が目前に迫っていることもあり、冒険者の人たちに協力してもらい(仕事を依頼し)盗賊の砦の位置とその人数を突き止めた。

 そして現在184人の部下を連れて盗賊の砦にやってきた。今は先触れを出して盗賊に降伏を呼び掛けたところよ。軍の規定によって攻撃を仕掛けるにあたり先触れを出すのが定められているため毎回出しているけれど、正直これで降伏してくれたためしがない。今回も「ダメだろうな~」と眺めていると意外な結果が待っていた。


「報告します!砦と接触したところ、現在砦を占拠している一団は盗賊とは別の集団とのことです 。すでに盗賊は捕らえられており、受け渡しの用意があるとのことです」

「・・・え?」

「・・・罠・・・ですかね?」


 先触れが帰ってきて報告してきた内容は初めて聞く回答だった。報告を一緒に聞いていた男が疑問を口にする。彼はヒシャム。43歳で軍歴が長い。自衛戦争にも2回ほど参加し、街道警備の仕事を長く勤めている。現在は参謀として私の指揮を補佐してもらっている。そんな彼でも今回のような事態は初めてのことだったようね。


「・・・わからない。・・・彼らに交戦の意思はあるの?」

「いえ。交戦の意思はないと明言していました」

「・・・確か盗賊団は50人近くいたのよね?それを制圧したということはその一団も50人近くいるのかしら?」

「いえ、砦内の人数を聞いたところ戦闘員4人、避難民15人、盗賊の被害者5人、捕らえた盗賊が51人と回答が返ってきました」

「・・・わざわざそんな詳細まで教えてくるのだから罠ではないのかしら?」

「いえ、人数の情報は信じていいのかわかりませんよ。あの砦にいたのは51人の盗賊。その情報は一致していますが、逆に51人の盗賊を4人で拘束したなどと信じることができるでしょうか?」

「それも・・・そう?・・・でも例えば・・・避難民15人、盗賊の被害者5人を含めても・・・24人しかいないわね」

「はい。拠点を防衛する場合、倍の戦力を相手に戦えます。故に先の自衛戦争でもルブアを防衛することができたのです」

「そうね。だから今回は盗賊の3倍以上の160人の兵士と24人の輸送隊を組織したのだったわね」

「はい。その通りです」

「とすると・・・

 1.指揮官が無能だった。大人数の隊だったが今の人数になるまで損害を出しながら制圧した。

 2.私たちを狙った罠。規模は不明だけど伏兵が多数どこかに潜んでいる。

 3.本当に4人で制圧してしまった

といったところかしら?」

「どうでしょう。

 1.多数の犠牲を出しながら盗賊を生かす理由がわからないです。

 2.最も可能性が高いですが...意図が読めません。

 3.可能性は低いですが最も納得がいきます。

個人的には避難民という情報に注目しています。現在王国内で争いが起こっているという情報はありません。避難が必要な人々はいないはずです。となると国外からの避難民かと。また場所的に南から砂砂漠を渡ってきたのではないでしょうか?」

「砂砂漠を?あのサンドワームが潜む場所を?」

「はい。むしろそういった脅威を退けられる程の実力を持つものが避難民を護衛しながら砂漠を渡り、渡った先で偶然盗賊と遭遇したと考えるなら納得できます。可能性は限りなく低いですが」

「なるほど確かに納得はいくわね。しかしそれほどのことができる集団となると・・・」

「Sランクの冒険者集団・・・くらいのものでしょうね」

「・・・もし本当にSランクの冒険者集団だったら是非とも友好的な関係を築きたいものね」


 冒険者は実力によってランク分けされている。その中で最高なのがSランクだ。Sランクに分類される冒険者は全体の1%にも満たない程度の人数しかいない。軍も魔物退治を行うが、領によっては完全に冒険者へと委託しているところもある。しかしルブアでは軍も魔物退治の仕事をこなす。というのは冒険者も不足しているからだ。そして高ランクの冒険者の元には、低ランクの冒険者が集まりやすい。教えを乞うために集まるのだ。


「えぇ。しかし現状判断が付きません。ひとまず盗賊を確認するという名目で先遣隊を送り、おかしな様子がないかを確認するのがいいでしょう」

「そうね。人数は30人程度でいいかしら?」

「そうですね。その程度がよろしいでしょう」


 その後先遣隊は捕らえられた盗賊と砦内の状況を確認し報告した。特に危険な様子は見られなかったため本隊も砦へ入ることとなった。

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