第十六話【アテナの助力】
最近出番が全く無い剣間アリアです。
同じく、築谷翼。
前書きの前に謝辞を一つ。
なんだ?
2月14日の投稿を忘却した件。
投稿したつもりでいたが、出来ていなかったという、アレか。
そうアレよ。確認もしないんだから、作者ってアホよね。
今更だ。あの低能に何を言っても無駄だ。
そうね。
それより前書きといこう。
さてと……なんで私たちがこんな目に遭うのよ。
今、顔を作ったな、アリア。だが、ボクも同感だ。
ホント、最近本編に出なさ過ぎよね。
お前はボクより出ているからいいだろう。
それを自分で言うんだ……少し自虐的よ。
ボクなんて……どうせ胸もないし、性格も悪いし、秀に冷たく当たってばかりだし……
うわっ……こんな翼初めてだわ。
アリアもこうならないように気をつけろ……そうボクみたいな孤独少女に。
アンタには筆無がいるでしょ! そう卑屈になってる場合じゃないでしょ。
秀は最近全然ボクに構ってくれないし……。
そんなことないわよ! 筆無はアンタを最優先に考えてるわ!
本当にそうだろうか……?
疑心暗鬼になってないで、いくわよ。
ボロ秀
第十六話【アテナの助力】
あの小娘……いつか目にものみせてやる。ボクを怒らせたらどうなるか……思い知らせてやる。
翼、ほどほどにしときなさいよ。まあ、私も手伝わないわけじゃないけど。
「いつまでついてくる気だ? 神乃」
「……貴様、本当に何者なのだ。完全に気配は絶っていたのに……」
大誠と別れて俺は本屋によるついで、神乃の尾行をからかっていた。学校からずっとつけてきたコイツ。
確かに気配は感じなかった、だが、不思議とコイツの居場所が読み取れる。謎だ。
「知るか。そんなことより、なにか用か?」
「む、うーむ、まぁ、なんだ、その……」
「歯切れ悪すぎだろ……。変人のことは気にしなくていいぞ。お前は何も悪くない」
「そうでもなかろう。私が余計なことを口走ったばかりに……鬼瓦と変人は仲違いしてしまった。済まない」
俯き、申し訳なさそうに喋るこの小娘風の神。だが、しかし騙されてはいけない。
「今の発言に反省の態度を感じないんだが」
なんだよ、鬼瓦って。俺は夜叉だ。黒鬼瓦だと変だろ。
それにしても、偶然にしては出来すぎなような気がするが。
「だが、お前に会ったのはちょうどよかった」
「なんだと?」
疑る顔で俺の前に回りこむ神乃。
「神乃、お前の力が必要だ」
目線を下にして、改まった口調でそんなことを言う俺に神乃は訊く。
「黒鉛筆なら、神の武装庫の中にあるが……渡す前に答えを聞かせてもらおう。何をするつもりだ?」
何をするかだと?
眉間に皺が寄って、目を細める。
「俺達の『今』を荒らす奴らを……ぶっ潰す」
「(凄まじい気迫だ……)」
「……なんだ? 黙り込みやがって」
「……いや、よかろう。神の武装庫は持っているな?」
「なんだよ? そのアテナイって? 筆箱か?」
「そうだ。私の力の源。それさえあれば、貴様を百戦錬磨の悪鬼にすることも容易だ」
「そりゃいい」
俺は真っ白い筆箱を鞄から取り出し、神乃に抛った。
「もっと丁寧に扱え、バカ者」
「さっさとしやがれ。人目につく」
「ならば、初めから人目につかない場所を選べ」
「うるせぇ。俺は本屋に寄るとこだったんだ」
「終わったぞ」
「早いなおい!」
「それでどうするのだ?今から特訓でもするきか?」
「んなことするか。言ったろ、本屋寄る。そいつがいつでも出し入れ出来るか確かめたかっだけだ」
「つまらんな」
そんなに落胆するな。斜め下に溜め息を吐くな。黒刀を早くしまえ。
気持ちが通じたのか、神乃は黙って黒刀を光に変えた。
「つまらん言うな」
「ほれ、着いたぞ」
「お前は何なんだ? ナビゲーターかなんかか?」
「? 神だが?」
「真面目に返すなよ……」
当たり前といった顔で何がおかしい? と訊いた気な素振り。純粋さと上目遣いで幼さが強調される。
「ったく……。で、俺は本屋に寄ると何度も言ったがお前はどうするつもりだ? まさか、野宿するって言うんじゃないだろうな?」
「私も同行しよう。それに野宿などせん。私は貴様の近くで寝泊まりしている」
「は? 俺ん家の近所に宿なんてねぇぞ」
「次期にわかる」
「さいですか」
ストーカーですもんね。と言いたかったが飲み下した。何を言われるか分かったモンじゃない。
店内に入ると整然としていて乱れたものが何一つない。この感じは個人的に好きだ。
「ほう。なかなか、よい場所ではないか」
「だろ」
分かるのか……やるな神様。得意げな顔で俺は文学コーナーに向かう。後ろの神はキョロキョロと八方を見渡している。おい、目をキラキラさせるな。「おぉー!」とか言うな。恥ずかしいから止めろ。
「なにがそんなに珍しいんだ?」
怪訝顔で振り向き、尋ねてみた。すると、興奮顔から落ち着きを取り戻して腕を組み、懐かしむように語りだす。
「私が以前降りてきた時にこのような数の蔵書はなかったのだ。それがこの短い年数で……人間はやはり優れた種族でもあるのだな」
「どれくらい前のことだよ?」
「ふむ、貴様等人間で言うところの……すまない、分からん」
「おいおい、ボケてんのか?」
「いや、木材を渡したことは覚えているのだが、人間でいう年数は我々の時の流れと違うのだ。それがどれくらい前かと訊かれれば、正直、答えられん」
「面倒なんだな、神って」
「貴様等人間が愚かしいのだ」
「あ゛? ドジ神が言うじゃねぇか」
「私を馬鹿にすると痛い目に遭うぞ?」
「やってみろよ? チビ。頭殴ってもっと縮めてやる」
「ふっ、身の程知らずだな。分を弁えろ」
「人間に化けてる分際で言えた口か?」
「この場で言う事ではなかろう?」
「ハッ……嫌だったか?」
「勘繰るでない」
挑発と嫌味を織り交ぜた交戦をしていると不意に俺と神乃の間に割って入ってくる人物が。
「……」
その人物は無言で俺を押し退け、神乃の前に立ちはだかった。
「貴様は誰だ?」
後ろ姿だけでは判別が付かない神乃に俺は黙ってろと視線で伝える。
「こんなところで奇遇だな、委員長。本でも買うのか?」
氷と呼ばれているだけあって目線は冷たい。だが、それ以上に端整な顔が弱火のようにほんのり赤くなっていることに目が行く。
「ええ、お気に入りの著者の本を。あなた達はここで何をしているのですか?」
「俺も本を買いにきたんだ。後ろの神乃は俺をストーキングしてきただけだ」
委員長の眉が一瞬動いた。
「そうですか。てっきり貴方が彼女に乱暴するのだはないかと」
「そのようなことをこの男はせん」
「神乃、黙れ」
口を出すなと睨む。神乃は不服そうだったが、口を閉じた。
また一瞬眉が動く。
「委員長、用がなければもういいか? 俺はまだ本買ってないんだ」
「私もです。どうせなら、お薦めを見積もりますが?」
「いや、いいよ。自分で選んだ方が身に入る」
「そうですか……では、これで」
「待て」
紅潮した顔はなりを潜め、立ち去ろうとする委員長を神乃は呼び止めた。
「貴様のことを思い出した。天咲といったか、貴様、筆無に何か他に用があったのではないか?」
「そのようなことはありません」
「貴様、よく机で寝ている女と口論になっていたあの時から筆無を意識していただろう?」
「だとすれば?」
「何もないというこはない筈だ。筆無の周りには他人がよくいる。そのため、込み入った話をする機会がない。貴様は筆無に無用というこはあるまい」
神乃の推理を委員長は目を閉じて黙って聞いていた。やがて、薄青色の綺麗な瞳が俺を一瞥して神乃を瞥見した。
「……筆無君と違って、察しがよろしいようで」
「一言余計だぞ委員長。だが、込み入った話ってまさかとは思うが……」
「部員勧誘です」
断言した委員長は俺の言葉を奪って告げる。これだから苦手なんだよな、この人は。
「詳しく聞かせ貰おうか?」
「いいでしょう。貴女にも協力頂ければ心強いです」
委員長の顔は全然そんなこと思っていない。
神乃を見る目が怨恨に満ちているように俺には見えた。
凪さんに話していたあの一件のことだろうが、嫌な予感しかしない。
……神乃と天咲、秀と仲良く談話とは。
妬ける?
いや、少し殺意が湧く。
それ、嫉妬よ。はぁ、アンタ頭いいんだから、何か考えたら?
打開策なら、計画している。
してるんだ……。
このことは後に話すとして、作者が投稿を延期するらしい。
みたいね。二週間後って訊いたわ。暇人のくせに何が忙しいのよ。
忙しくない人間ほど忙しいというのだろう。一概にはいえないが、作者の場合はそうだろう。
確定でね。
今度、全員で懲らしめるとするか。
さんせーい。




