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初仕事と街の空気

 冒険者として登録を済ませた俺は、カウンターの前に立っていた。

 受付嬢が書類を整えながら微笑む。


「改めまして、私はエリナと申します。今後、登録や依頼の案内は私が担当しますので、よろしくお願いしますね」

「エリナか。助かるよ」



「では、早速ですが……遼様におすすめの依頼があります」

 エリナが差し出したのは、掲示板から外した羊皮紙だった。


「〈街周辺の魔物駆除〉。ランクF向けの簡単な仕事です。対象は〈牙ウサギ〉。畑を荒らすので農家から依頼が来ています」


「牙ウサギ?」

 耳の長い小動物のイラスト。可愛らしい見た目だが、口元には鋭い牙。


「本来なら薬草採取からお願いするのですが、サイラス様の推薦状がありますし……牙ウサギは危険度も低い魔物です。試しにはちょうど良いかと」


「……なるほど。わかった、それをやってみる」


 羊皮紙を受け取った瞬間、視界にウィンドウが浮かぶ。


【依頼受諾】

・対象:牙ウサギの駆除(2体以上)

・報酬:銅貨15枚

・新機能:サイドバッグ収納(クイック枠+1)


「またサイドバッグかよ……どんどん旅仕様になっていくな」


 苦笑すると、周囲の冒険者がちらちらと視線を送ってきた。

「外の鉄馬……あれが噂の収納持ちか?」

「ギルドに厄介事を持ち込むなよ……」


 軽い敵意を含んだ声も混じる。

 居心地は悪いが、もう覚悟はできている。

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