街への帰還と初めての報酬
お読みいただきありがとうございます。
投稿を始めてまだ二日ですが、第10話まで一気に投稿しました。
駆け足でしたが、その分、この物語の雰囲気や世界観が少しでも伝わったのではないかと思っています。
異世界とバイク、ちょっと変わった組み合わせですが、楽しんでいただければ幸いです。
これからも遼とクロワンの旅を見守っていただけたら嬉しいです。
陽が傾き始める頃、二体目の牙ウサギを仕留めた。
収納に収めた素材を確認し、クロワンのシートに腰を下ろす。
「よし、帰ろうか」
エンジンをかけると、クロワンが軽快な音で応じた。
心地よい振動に背中を預け、街道を街へ戻る。
【燃料残量:89%】
「……そろそろ補給も考えなきゃな」
◆
ギルドに戻り、カウンターに牙を置く。
「確かに……二体分、確認しました。依頼達成ですね!」
エリナが銅貨十五枚を差し出した。
「これが報酬です。お疲れさまでした!」
硬貨を手にすると、不思議な実感が湧いた。
――自分の力で稼いだ、異世界での初めての冒険者としての報酬。
「……ありがとう。これで魔石と飯は賄えるな」
ギルドを出ると、街の石畳は夕暮れに染まっていた。
香辛料や焼き串の匂いが漂い、子どもたちが駆け回る。
「……本当に、来ちまったんだな」
クロワンのタンクを撫でる。
返事のようにエンジンが静かに震えた。
異世界での生活は、まだ始まったばかりだ。




