↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
霙の降る道を行く  作者: 那波
PR
1/7

霙の降る道を行く

霙が打ちつける田舎道を歩く

悪天候だから他に人はいない

だが時折車が追い越して行った


濁ったペンキをぼたぼたと

垂らし続けるような粗雑な音が

民家とわたしを隔絶した

車はわたしを追い越した


傘が守るのは上辺だけ

肩は湿り足には泥が纏い

じわりじわりと 冷たく汚れて

じわりじわりと 目的地は遠ざかる


いっそこれが吹雪の冬山なら

これは真の孤独であっただろう

そして凍てつく大気が

飢える獣が

たとえば生き残った狼が

美しくわたしを殺めただろう


圧倒的だ

白い、白い無垢の世界で


かつて来たる場所を目指していた

そこに着いたのだったろうか

それとも諦めてしまったのだろうか


たしか

どこかへも寄ってみたこともあった


それらは過ぎ去り

今ある場所は

はるか桃源郷でも雪山でもなく

どうしようもなく重たい

重たい霙

霙の降る道


前に進むには

頭の天辺から足のつま先にまで

困難が絡みついていた

かといって立ち止まっても休まらず

引き返すのもどうにも苦しい


だけどまだ止まっていない


凍えた体を左右に揺らし

固まった足を前へ伸ばし


まだ進める

霙の降る道を行く


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。