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霙の降る道を行く
霙が打ちつける田舎道を歩く
悪天候だから他に人はいない
だが時折車が追い越して行った
濁ったペンキをぼたぼたと
垂らし続けるような粗雑な音が
民家とわたしを隔絶した
車はわたしを追い越した
傘が守るのは上辺だけ
肩は湿り足には泥が纏い
じわりじわりと 冷たく汚れて
じわりじわりと 目的地は遠ざかる
いっそこれが吹雪の冬山なら
これは真の孤独であっただろう
そして凍てつく大気が
飢える獣が
たとえば生き残った狼が
美しくわたしを殺めただろう
圧倒的だ
白い、白い無垢の世界で
かつて来たる場所を目指していた
そこに着いたのだったろうか
それとも諦めてしまったのだろうか
たしか
どこかへも寄ってみたこともあった
それらは過ぎ去り
今ある場所は
はるか桃源郷でも雪山でもなく
どうしようもなく重たい
重たい霙
霙の降る道
前に進むには
頭の天辺から足のつま先にまで
困難が絡みついていた
かといって立ち止まっても休まらず
引き返すのもどうにも苦しい
だけどまだ止まっていない
凍えた体を左右に揺らし
固まった足を前へ伸ばし
まだ進める
霙の降る道を行く




