潜入開始
鬼畜想像第5
指に1本ずつ釘を刺される。
「なぁフェル…グレイって良い奴なのか…?最近私は混乱しているんだ、ふと現れ軍を壊滅させた奴が今は私を助けてくれて…。
私だって最初は、あいつをどうやって殺そうかずっと考えていた…でもあいつは悪いやつのような気がしないんだ。」
無詠唱魔法の練習の合間に、ふと気になってしまい使い魔のフェルにルーシーは聞いた。
『我が主は、話を聞かない、鬼畜、いつも敬語、傲慢、ジジイ、ポーカーフェイス野郎…そんな主だが主は絶対に悪ではないと言い切れる。』
その顔は主を慕っている顔だった。
「あっ、あわわ…。」
『ど、どうしたのだ?』
異変を感じ、フェルは後ろに振り向くと、そこには…。
「やぁこんにちわ、フェル君…。」
「グレイ、あの、これは違うんだ!えーと、そうそう、褒めてたんだ!」
「そうですか…では私が罵られたらもっと酷いことを言われるんですね。」
『おい、小娘!フォローになってないぞ!やめ、主すまなか!ぎゃあああ!!』
そしてその後、フェルは泣きながら消えた。
「はぁ、私は確かに正義ではないですね…もちろん悪だけを潰している筈です。」
「でも、私達は…。」
「じゃあ一回帝国の裏を見に行きましょうか。」
不敵に笑う、グレイは悪魔のような顔だった。
そしてルーシの腕を掴んだ瞬間景色は変わり、もう既に帝国の路地に着いていた。
「懐かしい、やっぱりグレイの転移魔法はすごいな…。」
「まぁそれよりも、本来の目的を果たしに行きましょうか。」
グレイは城を指さし言った。
「ほ、本当に魔力を抑えて光魔法の屈折をするだけでバレないのか?」
「もちろん、今までは姿を消すのは無意味だと思われてましたよね?
ですが、魔力さえ抑えていれば、バレません。」
「なるほど、す、少し興奮してきたぞ。」
「悪用しちゃダメですよ。」
一応釘を指しておく。
「す、するものか!き、騎士の名に賭けて!」
何故か敬礼するルーシー。
「そうですか、では、潜入開始です。」
「えっ、ちょ、置いてかないでくれ!」




