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覚醒(パート1)

この章では、物語の主要人物である二人の中心的存在が描かれる。


まずはバリーという人物の性格――

裕福な家庭に生まれ、自信家で少し大げさな一面を持ちながらも、内面には確かな才能と純粋さを秘めている少年であることが明らかになる。


そしてスティーブ。

バリーにとって唯一対等に渡り合える存在であり、競い合いながらも、いざ協力すれば誰も及ばない成果を出す関係性を持つ。

二人はライバルであり、同時に最高の相棒になり得る特別な関係にある。


物語は彼らの個性と関係性を描きながら進み、やがてすべてを一変させる“あの事故”へと辿り着く。

雷に打たれるという突発的な出来事――それが、バリーの運命、そして物語全体を大きく転換させる決定的な瞬間となる。

バリーの世界を垣間見る


紺碧の空がどこまでも広がり、淡くたなびく雲が穏やかに描かれている。

視点はゆっくりと下降し、やがて広大で豪奢なバンガローを映し出す――それは圧倒的な富の象徴だった。


開け放たれた窓から室内へと滑り込み、豪華なシャンデリアを通り過ぎ、一人の少年の部屋へと入っていく。

ベッドの上に寝転び、完全にゲームに没頭している少年――バリー。


 


「よっ、こんにちは!」

気楽で自信に満ちた声が響く。

「俺はバリー。そしてここが、見ての通り超高級バンガロー。特にこの部屋は“遊び専用ルーム”!見てみろよ、ゲームや映画、ヒーローのポスターだらけだ。楽しむための空間ってやつさ。勉強部屋と寝室はちゃんと別にある。まあ、金持ちってやつは違うだろ?何もかも揃ってる。親父は大物実業家だから、俺はいわゆる“金持ちの息子”ってやつ。でもな、俺は絶対に自慢なんてしない。絶対に。」


場面は一転、騒がしい学校の廊下。


「お前ら、自分が何様だと思ってる?貧乏人にはこんなもの一生手に入らないだろ!ははは!」

鼻につく声が響く。


「また金持ちだからって見せびらかしてるよ。」

小声でつぶやく生徒。


「ほんと、あいつうちのクラスにいるべきじゃないよな。」

露骨な嫌悪がにじむ。


「ちょっと待て!」

バリーが突然“物語の創作者”を見つめる。

「なんでそんなことまで言うんだよ?……まあ、認めるよ。ちょっと大げさな時もある。でも俺は本当にいい奴なんだ!善人だ!」


ストーリークリエイター:

「本当に?新しいゲーミングスマホとタブレットをクラスに持ってきて見せびらかしたのは誰だ?修学旅行を“全部自分が払う”って言ったのは?」


バリーは視線を泳がせる。

「いや、あれはたまたまだろ?とにかく、これは俺の紹介なんだ。出ていけよ、ストーリークリエイター!俺が自分のことを話す。それに今の世界についても教えてやる。」


現代世界


「さて、俺たちの世界についてだ。」

少し威厳を装って語り始める。


「昔は能力者は神とか天使みたいに扱われてた。でも1900年以前は、ほとんどが普通の人間の前には姿を現さなかった。それが1900年以降、突然変異者や超能力者が次々に現れ始めた。今じゃ多くの国で普通のことだ。ヒーローもヴィランも珍しくない。だから専門の学校や大学、対策部隊、そしてもちろん刑務所もある。


そんな中で俺はどうかって?

ヒーローに憧れてたさ。自分もなりたかった。でも運命はどうした?金持ちの人生はくれたのに、能力はゼロ。最高だろ?……まあいい。俺はただの普通の金持ちの息子だ。普通の人生。」


ストーリークリエイター:

「普通?金持ちが普通?」


「うるさいな!“金持ちな普通の人間生活”でいいだろ?満足か?よし、もう出ていけ。……さて、俺は今19歳。最高のバケーション中で、ストレスゼロだ。


ある日、自転車で街を走ってたらクラスメイトを見かけた。いや、正確には“ライバル”だ。スティーブ。親父同士が同格の実業家だ。休暇中だってのに作業スペースを作って、ウェブ開発とかやってる。責任感アピールだろ、どうせ。


クラスで俺に張り合えるのはあいつだけだ。俺がトップを取っても、必ず横に立ってくる。


正直嫌いだ。でもな、全力で協力すれば教師が褒め疲れるほど結果を出す。それがまた気に食わない。……まあいい。何してるか確かめてやろうと思った。」


スティーブの作業場


バリーは鼻歌交じりに自転車を走らせる。


「……あれ、スティーブか。毎日ここに?今日こそ確かめる。」


自転車を止め、こっそり建物へ。

階段を忍び足で上がると、そこにはオフィスさながらの光景。


「なんだこれ……本格的すぎるだろ。」


室内ではスティーブが指示を出している。


「新しい大口案件が入った。3日以内に完成だ。今の作業を急いで終わらせよう。」


「もう限界だよ……」と疲れたクラスメイト。


「確かに人手が足りない。」スティーブは認める。「飲み込みが早い人材が必要だ。」


その時、バリーがノックする。


「違法なことしてないよな?」


「するわけないだろ。」


事情を説明するスティーブ。


「ふーん。」とバリー。


「で、なんで来た?」


「自転車で走ってたら毎日来てるの見かけてさ。」


「用がないなら帰れ。」


「命令するな。」


「邪魔するなよ。」


「問題起こさない。」


スティーブは去った。


五時間後――

スティーブが戻ると、全員が休憩していた。


「なぜ休んでる!?」


マネージャーが微笑む。

「バリーが三日分を四時間で終わらせました。」


「……何?」


最初は見学していたが、退屈して手伝いを申し出たという。試しに三日分の作業を任せたところ、完璧に仕上げた。


スティーブは呟く。

「……案外、悪くないな。」


突然の転機


翌日、父親が招待されたパーティーへ向かうバリー。

会場は著名人で溢れていた。


「余計なことはするなよ。」父の警告。


退屈な三時間。

外の空気を求め、バルコニーへ向かう途中、旧友リシカを見つける。


「久しぶり!」


軽い会話の中、彼女は打ち明ける。

「大きな家で一人は退屈なの。」


彼女の父は厳格で、外出も制限されているという。


リシカは“他人を操る能力”を持っている。

そのせいで恐れられ、普通の友達もいない。


「でも俺は能力者が好きだ。」

幼い頃、一緒に遊んだ記憶を思い出す。


やがて彼女は父に呼ばれ去っていった。


「やっと外の空気だ。」


だが空は不穏だった。黒雲が集まり、空気が震える。


次の瞬間――

閃光。


雷がバリーを直撃した。


服は焼け、彼は意識を失う。


混乱。両親が駆け寄り、病院へ搬送。


ICU。

外傷なし。しかし心停止。


医師たちは除細動器を準備する。


「電圧を上げろ!」


ショックを与えるたび、脈がわずかに戻る。


「さらに上げろ!」


最大出力――


心臓が再び鼓動した。


医療チームに安堵が広がる。

両親へ告げられる。


「命に別状はありません。」


だが誰も知らなかった。


この雷撃が、ただの事故ではなかったことを。

次に描かれるのは、スティーブの人生を決定的に変える出来事である。

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