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面白そう?


「それはそうと、2人は何の話しで、盛り上がってたの?」


疑問に思った事を聞けば、バルドは得意気な顔をしながら僕に言った。


「学院に、入学してやる事と言えば!?」


「え…?勉強?」


「違う!まずは探検だろ!」


「「はぁ?」」


バルドの言葉に、コンラットと2人、疑問の声を上げる。


「普通、こんな広い学院とかに入学したら、隠し扉や隠し部屋を探したり、学院の不思議を調査したり、秘密基地を作るだろ!!」


「しないですよ。それに、学院なら昨日案内して貰ったでしょう。これ以上は、必要ないです」


「コンラッドは硬い!リュカは!?男なら興味あるよな!?」


「う、うん…ちょっと…」


「リュカ!!」


だって、探検とか面白そうだし、秘密基地も作ってみたい…。


「騙されては駄目です!こういう場合、ろくな結末になりません!!」


「そんな事ないって」


「貴方に付き合わされて、ひどい目にあった記憶しかありません!!」


「コンラットが、体力がないだけだろう?もっと、体鍛えた方がいいぜ?」


「貴方と一緒にしないで下さい!!」


「まあ、落ち着けよ。そろそろ予鈴がなる。それに、来たくない奴を無理に誘う必要はない。だから、俺達3人で行けば良い」


ネアは、少し面倒くさそうな顔をしながら、コンラッドの話しをさえぎった。


「だけどさぁネア。こういうのって皆で行くから、楽しいんじゃねぇ?」


「空気を悪くする奴と一緒に行っても、水を差されるだけだ。来たい奴だけ来ればいい。来る気がある奴は、放課後この建物の入り口前に集合だ。いいな」


ネアは、そう言うと空いている席に座ってしまった。僕達もひとまず、予鈴がなる前に席へと座る事にした。


バルドは、コンラッドと一緒に、前の方の席に座るようだった。僕も、他に話せるような知り合いがいないので、ネアの隣に座りながら先生が来るのを待った。


本鈴が鳴ると同じくして、担任のリオ先生が教室に入ってきた。


「おはようございます。今日は、授業科目などの説明をした後、授業を開始していきたいと思います」


その後、僕達が今年受ける、授業内容の説明が始まった。1年生は、算数、国語、歴史、地理、剣術などの基本科目をやるらしい。


「先生!何で、召喚獣の授業は、無いんですか?それに、学校に連れて来るのも駄目な理由は何ですか?」


前の席に座っていた赤茶色の髪の子が、席から立ち上がり上がりながら、強気に質問していた。


「召喚獣を教室に連れてくると、授業に集中出来ない生徒が多かった事。それに、喧嘩の際に、召喚獣を使う生徒が出て来た事。それらは、学院でも問題になりました。なので、4学年になるまでは、学院に連れて来る事も、学院の規則で禁止されています。分かりましたか?」


「はい…」


質問した生徒は、まだ何処か納得していないようだったけれど、学院の規則に逆らう気はないのか、大人しく席へと座った。


僕としては、学院で禁止されていた方が有り難い。何せ、兄様を召喚獣として、連れて来るわけにもいかない。そもそも、召喚獣枠に入れていいのか?


「どうしたんだ?」


僕が、頭を抱えていると、隣に座っているネアが、不思議そうに僕に聞いてきた。


「な、何でもないよ」


授業中な事もあり、その場を何とか誤魔化しながらやり過ごす。


今日は、初日という事もあり、軽めの授業だったけれど、ここまで1日中勉強した事がなかったから、それだけで疲れた…。


「おぅ!リュカ待ってたぜ!一緒に行くよな!?」


疲れて帰ろうとしていたら、入り口らへんでバルドから声を掛けられた。声を掛けられて、此処が待ち合わせ場所だった事を思い出した。


「うん…」


今日は、もう疲れたから帰りたい気持ちの方が強いけれど、バルドの横に、あれほど嫌がっていたコンラットの姿も見えるから、断りづらい。


「コンラットも行くの…?」


「目を離して、後でとばっちりを食らうのも嫌ですから…。まだ、目に入る所にいた方がましかと…」


「コンラットは素直じゃないよな!行くたいなら行きたいって言えばいいのに!!」


「……」


コンラットの表情を見る限り、行きたいと思っているとは、とても思えないんだけど…。


「それで、全員揃ったが、何処に行くんだ?」


「え?特に決めてねぇけど?」


「決めてないんですか!?」


バルドの無計画さに、コンラットが苛立ったように叫ぶ。


「そもそも、何処に何があるかも分かんねぇから、学院を探検するんだろう?」


「この広い学院を、あてもなく探していたら、何時までも終わりませんよ…」


「じゃあ、誰か学院の不思議とか、怪談とか知らねぇ?」


「俺は、知らないな」


「私も、知りませんね」


「僕も知らない」


ここにいる全員、そういった情報を持っていなかった。学院に通っていた父様達なら、知っているかも知れないけど、一度もそういった話しを聞いた事がない。


「誰も、知らないのかよ!?」


「貴方だって、知らないでしょう…。なら、今日はこれでお開きですね。帰りましょうか」


「まだ帰るには速い!!何かないか!?」


「物語だと、本棚の後ろとかに、隠し通路や部屋がある事が多いな」


ネアの一言で、それは名案とばかりに、バルドの表情が明るくなる。


「なら、怪談は、各自調べて来るとして、今日は、本棚が大量にある図書館に行ってみよう!!道案内は、コンラットに頼んだ!」


「道、覚えてないんですね…」


僕も、昨日、一度案内されたばかりで不安だったから、コンラットが案内してくれるのなら有り難い。僕達は、コンラッドの後に付いて、図書館へと向かうのだった。


お読み下さりありがとうございます

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