勉強します!
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何とか、パパママ呼びを回避することには成功して、ほっと胸を撫でおろす。それでも、未だに何処か期待したような目で、両親はこちらを見てくる……。
そんな目で見ても絶対に呼びませんからね!!
何とかこの視線から逃れたくて、話題を変えるとともに、一つお願い事をしてみることにした。
「父様!少しお願いがあります!」
「ん?何か、欲しい物があるのかい?」
僕の言葉に、父様は真っ先に何が欲しいかを聞いてきた。
普段からお願い事として、あれこれと欲しいものを両親から買って貰う事が多かった。それでも、お願い事といえば、物を欲しがる事しかしない子供だと、両親から思われているのかと思うと、何とも恥ずかしいような気持ちになってくる…。
「い、いえ…。僕がお願いしたいのは授業についてです……」
「授業について?」
「はい!週に2回しかなかった授業を週5回にまで増やしたいんです!!」
そう。今までの僕の授業は、今まで週に2回しかなかったのだ。しかも、今までの僕は、それすらもさぼって遊んでばかりいた。
兄様は、昔から毎日のように、書庫で勉強しているらしいが、いきなり毎日勉強するのは、体力的にもさすがに僕には無理そうだ。だから、ひとまずは週に5回の授業で様子をみて、それから少しづつ勉強時間を増やしていけばいい。
「!!。リュカ!さっきからどうしたんだい!?」
「そうよ!どうしたの!?」
父上、母上呼びの件も合わさって、両親は今まで見た事がないほどに驚き慌てていた。
これまで、勉学をしたくないと言った事はあっても、自分から勉強をしたいなんて、一度だって言った事がなかったから、驚かれるのは仕方がない、と思うんだけど……ここまで両親揃って驚かれると…僕としては何だか…少し傷つく……。
しかし、ここで引くわけにもいかない!僕がこれから生きていくうえでも、何とかして勉強時間を増やしてもらわなければ!!
「僕も兄様を見習って、ちゃんと勉強したいんです!そして、兄様みたいになります!!」
「オルフェ…みたいに…?リュカ…それは…やめないかい?」
「そうよ、リュカは、リュカのままでいいのよ?」
僕が、兄様みたいな才能がないのは分かってるけど、二人して否定しなくてもいいじゃないか!
「兄様みたいに、僕に才能がないのは分かっています。でも、ちゃんと恥ずかしくならないようになります」
「いや…ね…才能とかは…関係なくてね……。リュカがオルフェになって欲しいというより…オルフェがリュカみたいになって欲しい…というかね……」
何時もと違って、何処か要領がない父様の話に首を傾げる。
僕が、兄様みたいになって欲しいと言うなら分かる。あまり関わらないようにしてきたとしても、食事の時などに両親が兄様と話しているのを聞いた事があったし、使用人達が話していた事もあった。まあ、その時は何が凄いのか分かってなかったけど……。
それに比べて僕は、あきたらやらないし、嫌いな事はしない。我儘を言っては泣いて、怒られてもすぐに忘れてしまう。子供だったからと言えばそうだけど…、でも兄様は、子供時代からあんな感じでしっかりしていたような気がする……。父様の子供時代はどうだったのかな?
「とにかく兄様みたいになりたいんです!!」
その後も、なかなか許可を出してくれない両親の説得を続け、ようやく最後には父様の方が折れてくれた。
「はぁ…分かった…。でも、具合が悪くなったりしたら、その時は無理にでも休ませるからね?」
「はい!!」
条件付きではあるけれど、何とか週に4回まで勉強時間を増やす事が出来た。それでも、体調を崩したりしたら終わりなので、体調には気を付けて、無理だけはしないようにしよう!。
しかし、ただ勉強時間を増やすだけなのに、この短時間で何だか凄く疲れた……。だけど、今は、勉強時間を増やせた事を素直に喜ぼう……。
お読み下さりありがとうございます
 




