35.サバイバルボーナス特典②
「これはこれは、ハーレック王太子様お久しぶりです。
お元気そうでなによりです」
「貴様もなルイード。
どうやらデュークも見つかったようではないか、なぜ戻って来ない」
「それが私も説得したんですけどね。
無実の義妹さんに害を与えそうな人たちと共に行動出来ないと。
私もお話を聞いて共感する所がありましたので、こちらにご一緒させて頂く事にしました」
「義妹?ルシエルの事か」
そう言ってハーレック王太子は、
ルイード様の後ろで丁度見えない位置に立っていた私をみてギョッとした顔をした。
「お前本当にルシエルか、何故遭難する前より美人になっているんだ?」
「お褒めいただいたのか非常に分かりづらいのですがルシエルです。
王太子様もお元気そうでなによりです」
「何よ、まだ生きてたの?」
私と王太子の会話に聖女?が割って入って来た。
「聖女リリーナ様もお元気そうで何よりです。
しばらくお会いしないうちに斬新なお姿になられたみたいで、はじめは気づけませんでした」
「ふん、大きなお世話よ。
私みたいな美人がこんな無人島にいると身の危険を感じるの。
デューク様はこっちに来て貰うわよ」
「断る、身の危険ならば王太子かダンにでも守って貰え」
聖女の誘いにお義兄様は一瞬の躊躇もなく断った。
「デューク様、その二人が危険なのです。
いつも離れて舐めるような目で私をみるんです」
「そうなんですか王太子?」
「分かっていてわざわざ聞くな」
聖女の話しの真意を尋ねるお義兄様に王太子が答えた。
こんな趣味の人に綺麗って褒められた私は・・・
「どちらにせよ、我々がルシエルから離れる事はない。
あ、もしかしたらルイードはそちらに戻りたいと思っているかも知れないが」
「デュークさん、何どさくさに紛れて邪魔者を排除しようとしてるんですか、
この場での裏切りは敵対行為とみなして先日交わした協定を無視しますよ」
「冗談だルイード、本気にするな」
「何が冗談ですか、あわよくばと思っていたでしょ。
デュークさんはルシエルさん絡みでは一切信用出来ませんね。
だからこその協定でしょう」
先ほどから聞こえてくる協定に一切覚えがないのですが・・・
しかも話しの流れ的に私に関する協定の様に思うんですが・・・
「それであればルシエルもこちらに来れば良い」
「私と聖女様が近寄れないのはご存知ですよね?」
「そうであったな」
王太子の言葉を私は即座に否定した。
危ないところだった、本来であれば私だけが聖女に近づけない魔術契約をする予定だったのだ。
だが私が待ち伏せしていた場合に防ぎようがないと言うことで両者共に近寄れない契約になった。
この状況で私だけが近寄れない無いという契約だったら一方的な陣取りゲームになってしまっていた。
「これ以上話しをしても埒が明きません。
わずかながら我々の方が早く発見したのですが、
ここは穏便に話し合いで決めましょう」
「嫌よ、全部私達が貰うわよ、罪人に渡すものなんてないわ」
ルイード様の提案に聖女が真っ向から否定してきた。
「流石にそれは許容出来ませんね。
私達の前でルシエルさんのことを罪人呼ばわりするのは止めて下さい。
正式な司法のもとで裁かれた訳でもなく、王太子権限とやらで決まった事ですので。
それと私はデュークさん達とご一緒させて頂いてますが、
デュークさんが本気で殺意抱いたら私は止められませんので、
そんな状況になったら期待しないで下さいね」
ルイード様の話しを聞いて否定するでもなく、
お義兄様は薄っすらとした笑みを浮かべた。
前々から思っていたのですが、お義兄様って怖いんですよね。
元々爵位こそそれ程は高く無かったらしいですが
貴族の産まれなのに何処か陰りがある雰囲気なんですよね。
体付きにしてもダンさんに比べたら細いんですが、
大型のネコ科の様なしなやかな動きで魔術師ですよね本当に?
結局これ以上聖女に余計な事を喋らせるのは不味いと判断したのか、
三個のコンテナのうち一つずつをまずお互いが選んで、
残り1個のコンテナの中身を個別に分配する事で落ち着いた。




