40/301
終戦_2
相手は降伏も交渉も効かない化け物。
しかし、武器を取るには勇気が足りなかった。
そこに一人の少女が立ち上がった。
「あなたを殺すわ!」
「姫様!」
彼女を囲む使用人たちが少女を引き止める。
それでも姫と呼ばれた彼女は進み続けた。
「姫? 王の娘か。強いのか?」
「強いわ」
姫は隠し持っていた短剣を抜いた。
しかし、剣は少しも刺さらず弾かれる。
痺れた手をかばい、魔術を使おうとすると
白目を剥く王の顔が突き出される。
「気をつけろ? 俺は誰に対しても
容赦しない。父親と同じ末路を辿るか?」
見慣れた人間が痛みで崩れた顔を見て
姫は息を飲んだ。
「情けない男だ。一発やり返したらこうなった。
位は高くても、中身は赤子同然だ。
なるほど。王がこれなら国も弱いはずだ」




