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組織_1
「こいつぁひどいな」
翌朝、三人の無惨な遺体が発見され、
ちょっとした騒ぎになっていた。
取り囲む人混みの中には
23才の男と少年もいた。
「いつもながらとんでもない馬鹿力ですね」
遺体の一人は頭を壁に叩きつけられ、
潰されていた。
すぐそばで三人と戦っていただろうモノが
転がっていた。
「今回の魔獣は大猿か」
魔獣。それがラントの放った
ペットの呼び名だった。
野生の動物に自分の力を与え、
強化・凶暴化させた、動物の範疇を
逸脱した存在である。
「他にも三匹倒れてました。
相討ちで全滅してくれましたかね」
「いや、それよりも気になるのがある」
男は二人から少し離れた位置で
倒れる遺体に近づく。
(背中から胸を一突き。
死因はこれだな)
男は傷口周りを観察したあと、
開ききった遺体のまぶたを
そっと閉じてやった。




