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変革_5
「お前は本当に役に立つ奴だよ」
23才の男と腕いっぱいの食べ物を
抱えてやって来た少年の二人で
少し遅い昼飯を取る。
と言っても食べ物は全て少年が
貰ってきたもので年上の男の方が
そのおこぼれをもらっていた。
「気にしないでください。
独り身の女ぁ丸め込むなんて
チョロいもんですよ」
少年はいわゆるホストに近いことを
生業にしていた。
子どもを持たない成年女性を標的に
幼い顔と可愛らしい相づちで接待し、
対価として余った食糧などを受け取っている。
「ただ。あそこはもう、顔出せないっすね。
女の旦那に見つかって
散々追い回されましたもん」
「そうか。ケガは?」
「大丈夫っす。それよりすいません」
「謝ることじゃねえ。
元々お前が食べる分の物を
甲斐性なしの俺に分けてくれてたんだ。
文句を言う筋もねえよ」
男は自分の食べかけの果物を見て、
返すか迷い、結局食べ続けた。
それを最後の一つと決めて
じっくり咀嚼しながら
あの日からの事を振り返っていた。
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