2部〜3部_5
かつて『ヒメ』という名前だけで
なかった頃を思い出す。
別にそれほど身分に
こだわってはいなかったし、
『一国の姫』だったから幸せ
ではないという自負もある。
ただかつて持っていた物を
取り戻したい気持ちがヒメを揺さぶった。
「俺の強さは充分理解したはずだ。
もちろん、最重要なことは俺が
楽しめることだ。
だが、それにかこつけて望みを叶える。
それはお前の自由で、恥ずべき事でもない。
試しに何か望みを言ってみろ。
たいていのことは叶えてやる。
なんなら、この世界の王にしようか?」
「……」
ヒメはすぐには言えなかった。
(昔ばなしでよくある話だ。
お金が欲しいって願ったら家族が死んだ、
その詫びで手に入るみたいな、そういう)
おそらく『王になりたい』などと願えぱ
ヒメ以外の人類を抹殺して
たった一人しかいない国を作るとか
そういう成り行きになるのだろう。
ヒメが言葉を慎重に選ぶ間に
ラントはアイサにも話しかけた。
「その権利はお前にもやる。
どうだ。何を望む」
アイサは少し考えて抑揚のない口調で答えると、
ラントは興味深そうに笑った。
読んでいただきありがとうございます。
ようやく2部が完結しました。
今までは連合国と王国の2つの勢力しか
登場していませんでしたが
3部からはそれを取っ払って
主に4つの陣営で進んでいきます。
今後も基本的に毎日掲載する予定ですので
よろしくお願いします。
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お待ちしております。




