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ルイーザ 第十四部 第二章

「でも、そろそろ私だけがこの身体をいつまでも持っているわけにはいかないしね」


 麗王がそうため息をついた。


「いやいや、別に同じ魂と別人格だろ? 」


 カルディアス帝がそう断言したる


「覚醒が遅れると、そうなるんですよ。でも、それは溶け込んでいく事で一つの人格になっていきますよ。実際、今回の私がそうですから」


「俺も五歳まではそんな感じだったからな。今は一つだけど」


 ロイド法王とコンラート皇帝が少し懐かしそうに話す。


 こちらの世界の人間として育って来て、突然前世が思い出されるような話だ。


 特に彼らの場合は人格としてしっかりと覚醒するから、余計にそんなものになる。


 生まれ変わりの話だが、突然、女の子がおっさんの知識を喋り出して、魚市場で働いてて交通事故になって亡くなったって事を言い出したって話がある。

 

 ターレーに乗ってたとか四歳くらいの女の子に言われて、これはいくら何でもおかしいってんで、言われた通りに会いに行ったら、本当に少女の言うとおりに亡くなった同姓同名の人がいたと言うオチ。


 この手は大人になったら過去の記憶は消えて普通になる。


 彼らも同じような感じなのだろう。


 ちなみに、可愛がっていた四歳の娘の中身が四十前のおっさんとか父親や母親にはホラーだろうけど。


「でも、その前にケリをつけるべきだと思うんだけどな」


「そういうのはいらないんじゃないですかね。自然に任せるべきだと思いますよ。下手にすると変なトラウマになるかもしれないし」


 ロイド法王が何が何でも白黒つけたがる麗王の性格に少し苦言を呈した。


「まあ、確かに、ルイーザ本人はいろいろと躊躇してるからね。こうやって、自分が人格が違うとはいえ、皆と話してるのも信じられない出来事だそうだし」


「別に公爵家の娘で王子の婚約者だったんだから、変わらんだろ。他国の王とも礼儀はわきまえないといけないが普通に話を出来るラインじゃ無いか」


 カルディアス帝が少し苦笑した。


「いや、五王は別格なんだって。そして、その婚約者ってアルフォソ王子にも、まだ心に引っかかる部分があるから言わないであげて」


「え? あのしょぼいのが? 」


「中身は爺ですよね」


「俺らと同じ転生者の女の子もいるけど」


 カルディアス帝とロイド法王とコンラート皇帝が同じように突っ込んだ。


「いやいや、だから、そういうぶっちゃけた所を何とかしなさいよ」


「いやいや、そりゃ、自分の事だと思うぞ」


「まあ、貴方が身体の主導権を握ってから、ずっとパニックだと思いますけどね」


「そう? 」


「自覚してないのかよ」


 コンラート皇帝が苦笑した。


「まあ、人格の統一化とか出来るまでは時間がかかるから、それが終われば何の違和感も無くなりますよ」


「……それは私もそうなんでしょうか」


 ロイド法王の言葉に麗王の中のルイーザが初めてロイド法王やカルディアス帝やコンラート皇帝に言葉を出した。


 それで、ロイド法王やカルディアス帝やコンラート皇帝が少し微笑んだ。


「思春期にあるような違和感だよ」


「全部一つになりますよ。心配しなくて良いです。ルイーザさんも麗王も同じ魂なのですから」


 ロイド法王達が優しく麗王の中のルイーザに説明した。


「武王は馬鹿でどうしょうも無い奴だけど、良い奴なんだ。俺達はかっての過ちで戦い合ってしまったが、君はちゃんと心で決めてちゃんと返事をしてやって欲しい。自分の心に正直にね」


 そうコンラート皇帝が優しくルイーザに笑った。


「まわりに流されると、かっての俺達みたいにどうしょうも無い事になるからね」


「しっかりと自分で決めたら良いと思います」


 そうカルディア帝とロイド法王も微笑んだ。


「まあ、戦争が終わってからにして欲しいけど」


「ええ」


「まあ」


 せっかくの良い雰囲気が、コンラート皇帝の自然に出た本音でぶち壊しになり、ロイド法王とカルディアス帝もそれに本音で俯いたので、ルイーザも困った顔になったが。

 

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