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Another World  作者: 黒神 レイ
17/21

17、隠された祭壇

それから何度か戦闘を繰り返して、僕達はボスのいる部屋の付近まで来た。

しかし、僕は地図と通路を何度も確認してシルに根を張って貰い感覚を共有する。


「どうしたの?」

「通路が2つしか無いのに、地図には3つ目があるんです」


僕はマルイチさん達に地図を見せる。

地図には3つの通路が描かれていて、左は行き止まりで真ん中がボスの部屋へと続いている。そして3つ目の右の通路がある場所はただの岩壁があるだけだ。


「隠し通路?」

「攻撃しても出現しないので、特殊な条件かアイテムが必要なのかもね」


そう言って、跳兎さんが魔法を放ちノンさんが壁を殴るが何も起こらない。


「条件が分からないからどうしようも無いね」

「とりあえず、このまま、ボスを倒しに行きませんか?」

「もしかしたら、ボスが必要なアイテムを落とすかもしれないですし」


とりあえず、ボス部屋に向かう。

ボスはLv30のアイアンゴーレムで、マルイチさんに事前にステータスや能力を教えて貰った。

守護者と比べれば全然余裕そうだなと思いボス部屋に行くと粉々に破壊されたゴーレムがいて、目の前に黒いローブを被った女性が立っていた。


「これは?」

「分からない。こんなこと聞いていないぞ」


女性がゆっくり振り返り僕を見た瞬間、その顔が怒りに染まる。

名前はモザイクがかかって見えないが、3本が既に消えた5本のHPバーが現れる。


「憎い、憎いわ!あんたもその精霊も憎い。憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い!!」


女性がドス黒いオーラを放ち飛びかかってくる。

咄嗟に銃を抜いて、その頭を撃ち抜く。女性は後ろに倒れそうになるが、すぐに体勢を直して猛烈な勢いで走ってくる。

クロ達も呼んで全力で相手をするが、防御力が高いようでなかなかHPが減らない。


「消えろ!消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ!」


女性は狂った様に叫び、氷塊を放つ。


「神も精霊もその力を使う人間も死ね!私の前から消えて無くなれ!ぐはぁっ!」


突然、女性が大量の血を吐く。体力が大幅に減り、マイナス効果のデパフが付く。

動かない女性をシルが伸ばした根で絡め取り、クロ達が爪や牙で傷を付ける。


「ああああああああぁぁぁ!死ね!死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねぇぇえええええ!」

「キュアアアア!」


根を引きちぎり氷の矢を放ちながら女性はこちらに向かってかけ出す。シルとホノがまた拘束しようとするが、巨大な氷の壁で防ぐ。集中を発動し直撃する矢だけをナイフで壊し、僕も女性に近付きその両目をナイフで切り裂く。両目を切ったことで30秒の間、目が見えなくなった。

女性は手をあちこちに振るい、僕を見つけようとする。僕の背中から透明になって隠れていたハルシオンが出て来て白い炎のブレスを吐く。威力は十分に有るが距離も規模も短く速度も遅い、普通なら当たらないが目が見えない女性は避けることも出来ず炎に包まれ燃え上がる。

残り少ない体力が無くなり、女性は悲鳴をあげ倒れる。


「次は負けない!次こそは貴様らを殺し、その首をあのお方の元に捧げてやる!」


そう言って、女性は消えて行く。

レベルアップのファンファーレが3回鳴り響くと、次のステージへ続く入り口が開く。


「凄い………」


振り返り離れて防御をしていたマルイチさん達に近付く。3人はしばらく固まっていると、ノンさんがぽつりと呟いて再び動き出す。


「今、回復しますね!」

「ソラ、その肩に乗ってるのはドラゴンだね!その子は優勝した時に貰った卵から産まれたのかい!」

「ねぇ、今の壊すのどうやったの!私も何度か挑戦した事があったけど出来なかったの!」


マルイチさんとノンさんに質問攻めにされる中、跳兎さんが魔法で回復してくれる。


「それでこのまま行きますか?それとも1度戻って、壁の先を確認しますか?」


僕はドロップした小さな鍵を見せ、マルイチさん達は頷いた。僕達は1度戻り壁に鍵を近付けると、壁は静かに消えて通路が現れる。

長い通路の先には小さな池が有り、その中心に祭壇が祀られていた。祭壇へ続く道をゆっくり進んでいると、池から幾つもの小さな光の玉が現れる。

更に池の中をウンディーネ達が泳ぎ周り、上空にはシルフ達が舞っている。


「綺麗…………」

「これは凄い」


僕達はその光景に魅入られていると、白いローブを身にまとった少女が現れ近付いて来る。

少女は何も喋らないが、微笑むと一礼して僕達に小さな箱を渡す。

そのまま少女は祭壇に向かって歩き出して消えていった。

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