第四会場 王と将
ざっくり感想
スラム育ちの幼馴染みが何で王様と将軍になってんだ?という感じではありますが、設定としては割と好きかも。殺し合いしてるのに何か楽しそうだな。不思議。
自分達の愚かさで恩人を失って、復讐を誓って新天地を目指す少年達。20年後の彼らは王と将軍で何故か殺し合っているという、謎が謎を呼ぶ感じですね。
雰囲気とか設定とかはとても好きです。ただ、ちょっと駆け足で詰めこみすぎた感じがするのが勿体ない。世界観に入り込む前に、怒濤の展開に一生懸命情報読み込まないと駄目な感じがする。あと、さらっと流すの勿体ないかなって思ってしまった。
とりあえず、つーづーきー!とごろんごろんする程度には好きな気配を感じ取りました。はい。
あと、最後何で逆方向に歩きだした。そのせいで瞬間的にコメディの気配来たんですけど!これシリアスよりじゃないの?!
好きポイント
設定がまず好き。スラム出身者が王様と将軍になってるとかツボですねー。わくわくどきどき。
あと、竜族がいるということで、ぐぐっとファンタジーの気配を感じました。人外好きです。
早期退場ですがじいちゃん格好良いですね。子供を守ってくれる優しい大人は好きです。遺言から察するに身分のある人だったんだろうか?
良かった点
動きを感じさせる文章。会話のテンポも良くて読みやすい。
冒頭視点切り替わりの部分の、まるで英雄譚か何かの語りのような一説は雰囲気があって良い。
改善案
冒頭の部分で、キースとニコラスのどっちが王でどっちが将なのかが解らないのが勿体ない。身に纏っている服装の描写などを加えることで、どっちがどっちか把握させるぐらいはあっても良いかと。
また、冒頭部分、場面転換前の部分のような語りっぽい雰囲気は格好良いのだが、いきなりそこだけ入ってきて浮いている気がするので、いっそ冒頭全体を統一してみるのも良いかも知れない。そうするとぐっと雰囲気が出る気がする。
スラム時代の描写が駆け足で一気にイベントが進んでいく感じで、若干振り落とされそうになる。勿体ない。むしろじっちゃんとの別れのシーンはもっと尺を採っても良い気がします。あんまり詰めこんで駆け足にするとそれはそれで勿体ないかと。
※じっちゃんの仇討ちが彼らが這い上がる主目的ならば、もう少しじっちゃんとのシーンがある方が良いのではと思った。
アルマが出てきてからあんまり彼女についての説明がないので、どういうポジションの娘なのかがいまいち解らないのが勿体ない。どこかに描写を追加しても良いかも?
また、メインキャラに共通しているのが、外見描写が極端に少ない。お陰で脳内でキャラをイメージできないので、ちょっと損をしている気がする。三人称なのでどこかに入れても良いと思う。
作品分析
おそらくは、王道成り上がり系からの親友同士で決着を付ける感じの何かになると思われる。
冒頭で彼らの末路であろう未来を見せてからの、そこへ至る上で最重要と思える始まりの日からリスタート。
スラム育ちだった彼らが恩人を失い、復讐の為の力を求めて成長していくであろうことを予測させる幕引き。
ただ、駆け足で詰めこんだ感じが否めず、ちょっと勿体ない。文章が読みやすいので情報は入るが、その分駆け足で浅く感じるのが残念か?
あと、シリアスに見せかけて最後に逆の方向に向かってるのはどうしたいのかわからない。コメディになるの?どうなの?という感じで。




