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第65戒 強者と謎の男

 ━━一方その頃、テム達は・・・


「きゃあっ!やめて!やめてよ!」


 木に絡め取られて身動きがとれなくなっていた。


「こんな・・・とこで・・・やられる訳には・・・」


「無駄無駄ァ!小生の力はこんなものじゃないですよ!」


 さらに体を締め付ける。なぜか陽炎にやられると痛いけど気持ちいいのに、ロキにやられると痛いだけだ。3人は抵抗をするが締め付けが強すぎて体に力が入らなくなってくる。


「う・・・あぅ・・・」


 その時、3人を拘束する木は切断され3人は開放された。陽炎が来たのかと思ったが、切り口が少し汚い。陽炎ではないとすぐにわかった。顔を見てみると、驚きの人だった。


「ソルト!?なんでここに!?」


 そう、その人とはソルトだった。と、言うことは、当然あの二人もいる。そう思っていると、後ろから人が来た。


「ハル、メロン、来てくれての!?」


「ふふ、当たり前じゃない。それに、αさんがあなた達の作戦を成功させるにはあなた達が生きている必要があるって言っていたから」


「そうなんだ・・・」


 その時、テムはふと疑問に思った。なんでαは作戦を知っているのだろうか・・・と。あの時いなかったのに。だが、そんなことを考えているといつの間にか目の前にロキが来ていた。


「戦闘中に考え事なんていけませんね」


『っ!?』


 ロキはそう言うとまた木を絡めてきた。


「2回目は通用しないよ!”ファイアーアロー”」


 足元から生えてきた木に向かって炎の槍を放った。しかし、木は炎に当たっても焼かれることはなくそのまま絡めとってきた。


「なんで!?・・・うぐぅ!」


 木はとてつもない力でテム達を締め付けてくる。


「それ以上やればあなたの肩の骨は外れます。それ以上やればですけどね」


「くうぅぅぅ・・・」


 5人はなんとか脱出しようともがくがやはり脱出出来ない。絡め取られた皆の右肩の方の木の力が強くなり始めた。


「うぐぅぅぅぅぅ!」


 皆が呻き始めた時、不意に力が緩んだ。


「何!?」


 そう、ハルだ。6人の中でハルだけ避けることが出来ていたのだ。全員を絡めとる木を切り裂くとそのままロキとの距離を一気に詰めた。


「ハァッ!」


 白刃が煌めいた。白刃は吸い込まれるかのようにロキへと向かっていった。しかし、その白刃はロキの体に当たったが切り裂くことは出来なかった。


「なんで!?」


「あはは、無理だよ。君の剣じゃ小生の体を斬ることは出来ない。それどころか、小生の木を斬ることも出来ない。もう諦めなよ」


 ロキはそう言って剣を奪った。ハルは抵抗したが、手から力が抜けすぐに奪われた。奪うなりロキは、ハルの体を蹴り飛ばし少し後退した。


「剣ですか・・・得意ではないんですが、良いでしょう」


 そんなことを言って剣を見回す。そして、前を向くとロキは一気に距離を詰め斬りかかってきた。白刃は目に見えないスピードで迫ってきていたがなんとか交わすことが出来た。しかし、1度躱したくらいで安心は出来ない。すぐさま2回目の攻撃が来る。


「”ファーストウォール”」


 小さな壁を作り、それを蹴って2回目も躱した。


「流石ですね。まぁ、これくらい躱せなかったらあなた達はとっくに死んでましたけどね」


 そう言って笑う。まるで嘲るかのように笑う。その時、テム達の前にδ、η、νが現れた。


「テム様、私達は準備が整いました。あとはリリス様方の準備が整い次第実行に移ります」


「あと、どれくらいで出来るの?」


「恐らくはあと数分もすれば出来ると思うのですが」


「そう・・・分かったわ」


「私達も戦います」


「そういう前からあの二人は戦ってるわよ」


 テムは呆れたように言った。前を見ると、既にδとηは戦っていた。と言うより、ロキがしかけていた。


「あのねぇ、小生は男は嫌いなんですよ!早く死んでもらいたい!”樹木殺(じゅもくさつ)”」


「”神獣結界(しんじゅうけっかい)麒麟(きりん)”」


「”爆炎樹(ばくえんじゅ)”」


「”神獣結界(しんじゅうけっかい)玄武(げんぶ)”」


 砂煙が舞う。ロキが技を出せば、δが守る。攻撃が来ては守り、結界は壊れる。そして、新しいものを作る。それの繰り返し。


「大丈夫なのですか?守ってばかりじゃ倒せませんよ」


 ロキはそう言う。確かにその通りだ。守ってばかりじゃ勝てない。さらに言うなら、結界を作るのにも限界はある。


「ま、何とかなるんじゃない。ミーのキングもいつか来るはずだしね」


「某はときが来るまで耐え忍ぶのみ」


「ハハッ!面白いね!でも、そんなことより見た?あの技、キングの技に似てるよね」


「似てると言うより同じだな」


「フフ、じゃあミーの力は必要だね”ロケーション・フィールド””コレクトセンス”」


 そう言って魔法を唱える。すると、ηの目に青白い火が灯った。すると、δの目にも同じく灯った。ロキはそれを見ると、少し微笑み剣を投げ捨てた。


「気をつけて!あいつはどこからでも杖を出すことが出来る 」


「なるほど」


「ミーには関係ないね」


 テムは呆れたように目を細めた。後ろの方でルーシャが皆の傷を治している。


「某達は攻撃では無いが攻撃ができない訳では無い」


「まぁ、見てなよ」


 2人はそう言って構えた。


「小生は男を痛ぶる趣味はないのですよ。死んでください」


 そうして、戦いの火蓋は切られた。


 ━━一方その頃陽炎達は・・・


「服も着替えたし、これでよし」


「魔王様、本当に記憶は戻ったのですか?」


「この姿を見たらわかるだろ。胸は無いし、下もあるだろ」


 そう言って舐めまわすように陽炎を見る。確かに男に戻っている。もう戻らないと思ったのに。


「俺は魔王だぞ」


 陽炎はまるで心の中を覗いたように言った。そのせいでギルシアは顔が赤くなる。顔から火が出そうなほど熱くなってつい手で顔を隠してしまう。


「ゴホンッ、魔王様少し休憩した方がいいのではないですか」


「大丈夫だろ」


 何も考えずに言う。折角心配してあげているのに。そんなことを考えていると、陽炎が近寄ってきた。まさか、また読まれた!?やばい、怒っちゃったかも・・・


「なぁ、先に行っててくれないかな」


 え?


「ちょっとやりたいことが出来たんだ。すぐに追いつくから行っといて欲しいんだ」


「・・・」


 なぜか心配になる。別に危ないことをすると決まったわけじゃないのに危ないことをするような気がする。


「嫌だ。一緒に行く」


 ギルシアは小さく呟いた。


「え?なんて?」


「・・・魔王様、私も一緒に行きます」


「いやいやいや、一緒にって、別にいいよ。そんな死ぬようなことするわけじゃないんだしさ」


「ダメです。なんと言われようが私はついて行きます」


 ギルシアは力強く言った。陽炎は少し考えた。言葉の駆け引きをする気は無い。ギルシアの言葉から強い意志を感じる。


「それは、今日1日俺について行くということか?」


 そう聞いた。今の会話からそう言う回答になるのはおかしいと思ったが、覚悟があるのかどうか知りたかったから聞いた。


「はい」


 ギルシアは言った。


「ほぅ、じゃあ俺が風呂に入る時も、トイレに行く時も、寝る時も一緒ということで良いんだな」


「はい」


 ギルシアはそう言った。そして、気づいた。自分がとんでもないことを言ったと。顔を赤らめて慌てだすギルシアを見て陽炎は不敵な笑みを浮かべた。そして、指を鳴らすと言った。


「なら来い」


 ギルシアはそう言われて嬉しくなった。その後陽炎は窓から外に出ようとしたから引っ張って止めた。陽炎は少し落ち込んでいたけど、ギルシアはそんなことは無視して扉から出た。


 ━━少し走ると街の大通りに出た。陽炎は、街をの中を通るとと騒ぎになるから屋根の上を走ろうと言っていたから屋根伝いに来た。街の大通りに来ると、真ん中に人がいた。その人は、道の真ん中で腕を組んで仁王立ちをしている。


「おいお前、何者だ?」


 陽炎は屋根から降りるとすぐに質問を投げかけた。


「僕が何者かはもうわかってるんだろ!」


 男は凄くでかい声でそう言う。


「うるさい、もうちょっと声量を落とせ。あと、普通に知らん」


「あ、あぁ、すまん。そんなことより、嘘を着く必要は無いぞ。それとも認めたくないのか?僕がお前より強いということを」


 陽炎は呆れて何も言えなくなった。


「はぁ、まためんどくさいやつが来ちゃったな」


 そう小さく呟いて、もう一度ため息をはいた。

読んでいただきありがとうございます。良ければ、ブックマーク、☆、いいねなどお願いします。

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