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三周目の幼女  作者: 夜月周
第1章
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【幼女と副団長】

「ここが私の部屋よ」

高鳴る胸を抑えつつ開く扉を見つめる。

ゆっくりと開いた扉の先には、女の子らしい部屋…はなかった。

シンプルな机と寝具、クローゼットが置かれた簡単なものだった。

とはいっても、村の家と比べると遥かに上質なものなのだろうけれど…

「どうしたの?」

リーシャが部屋の中で首をかしげる、開いた扉の前に立ち部屋の中を見つめる俺を見て、

「あぁ」とつぶやくと苦笑いでこちらをみる。

「女の子らしくない部屋でしょ?」

「そんなことは」

「いいのよ、自分でもそう思ってるし、そういうのは合わないのよね」

そういってベットへ腰かけ、こちらに向かって手招きをする。

部屋に戻ってきたからかそれともこの数時間で打ち解けられたからなのか、さらに口調が砕けてきている。

部屋の中に入り、目線が同じになったリーシャの前に立つ。

「疲れてはいない?」

「う・・ん?」

指が唇の当てられる。

「明日から私は先生、だから返事は『はい』、いい?」

「はい」

この人は本当に子供が苦手なのだろうか?子供の扱いに慣れている感じが時々する。

「あなたくらいの歳の子には殺風景すぎるかもしれないけど、許してね」

殺風景もなにも平民の暮らしの中ではこれでも豪華すぎるくらいだ。

リーシャは身分の高いところの出身なのかもしれないな。

「だいじょうぶ…です」

「ありがとう」

口調を丁寧に直したことへのご褒美なのか俺の頭をなでる。

優しすぎるくらいに、ゆっくりと撫でるその手付きが気になった。

そのことについて聞こうか悩んでいると、撫でていた手がひかれリーシャの下へと戻っていく。

「さて、食事まではまだ時間があるから先にお風呂でも入りましょうか」

そういって、リーシャが立ち上がる。

おふろ!?その一言に今の状況を思い出し、心臓(魂)が跳ねる。

部屋に男(幼女)と女が二人きり、何も起きないわけもなく…

いや、起きないよ、今俺幼女だもん。こんなことなら男にしてもらえばよかったと思うが、

それではこんなおいしい場面に出会うこともなかったとも思う。

とにかくだ!生まれて死んで1000年と少し、親と死体以外で初めての女の人の裸が拝める!

この魂は20代男子の記憶が入っているんだ。興奮しないわけがない!

「どうしたの、百面相して」

へんな顔でもしていたのだろうか、リーシャが若干引いている。

彼女いない歴=年齢の意味が今ようやくわかった気がした。

俺は下心が顔に出るのか。今更わかったところで意味がないが。

「なんでもないです」

「そ、そう」

真顔でそういったつもりだがまたおかしな顔になっていたらしい、リーシャの顔が引きつる。

へんな沈黙が、お互いの間に流れたがリーシャがコホンと咳ばらいをして話し出す。

「とにかくお風呂の入り方も教えなきゃいけないから、今日は一緒に入りましょう」

「はい」

今度は普通に返せたらしくリーシャが次の言葉を発する。

「それじゃあ、ついてきて浴場は下の階にあるから」

着替えなどを素早く用意すると、俺の手を取りリーシャが歩き出した。


浴場へと着くとリーシャが扉に使用中の札を掛ける。

女性がいるのでこういうことはしっかりしているのだろう、リーシャがかけ忘れる馬鹿がいるから一応浴室に声をかけるようにと注意をする。

脱衣所についた俺はリーシャに衣類の扱いを教えてもらう。

どうやら衣服は、女性のメイドさんがまとめて洗ってくれるらしく、脱いだ服はまとめておいておけばいいらしい。

さすが王族、メイドまでいるらしい。

今着ている服もその替えもいつの間に用意されていたのかと思ったが、メイドさんが買いに行ってくれたのだとリーシャに教えてもらう。

道中見かけなかったのは今日はもう上がってしまったかららしい。

「さぁ、脱ぎましょうか」

そう言って、リーシャが俺の目の前にしゃがみ服を脱がそうとする。

「じっじぶんでできます」

女の子に脱がされるなんて恥ずかしすぎる。

慌てて、服を脱ぎ裸になる。

「そう」

少し残念そうにしたリーシャは立ち上がり俺と距離をとる。

リーシャは同性愛的な趣味でもあるのだろうか。

脱いだ服を片付けつつ一糸纏わぬ姿となった自分の体をまじまじと見る。

そういえば、この身体になって自分の身体を見るのは初めてだったな。

結局一度も使われることのなかった息子はきれいになくなっており。

胸は控えめながらもかすかに膨らんでいる、その肌は白くつやつやしている。

平民という環境で、これほどの肌が保っていられたのも両親のおかげなんだろう。

顔はわからないが身体だけ見るとかなりの美少女なのではないか?

だが、いかんせん自分の身体しかも幼女の身体には全然興奮しない。

まだ完全に記憶が同化していないとはいえ自分の身体だ、欲情するほうがおかしいか。

仮に欲情してしまったとしてもこの状況ではどうしようもないし、マイナスにしかならないが。

ではリーシャならと手渡されたタオルを体に巻きながらリーシャのほうへ目線を移す。

彼女はすでに下を脱いでおり、シャツ1枚という姿だった。

これは俗にいう彼シャツ!いや、本人のものだから違うのだろうが。

とにかく前世で、夢見た光景が今ここに!

自分は幼女、これはおかしなことではない、と罪悪感を抑えその姿をしっかりと見る。

幼女とはいえその姿をガン見するのはおかしなことではないのか?

否!幼女が自分の将来に夢を見、先人の姿をその目に焼き付けることの何がおかしき事か?!

そうだ、おかしなことではない!

よぎった疑問を強引な理論で説き伏せながら止まった視線を脚から上へと動かしていく。

鍛錬により引き締まった脚はすらっと長く、白い肌はとても美しい。

程よい大きさのお尻と素晴らしい曲線を描くくびれ、大きくはないがしっかりと主張する胸がシャツの上からでもわかる。

服を置くために背を向けたリーシャがシャツのボタンに手をかける。

欲情はやはりしないようだが、目の保養にはなるらしく、ボタンが一つ一つ外されていくのをドキドキしながら待つ。

最後のボタンが外されその背中をシャツが滑り落ちようとしている。

いよいよだ!

ゆっくりと背中を伝うシャツを見つめる。

はらりとシャツが落ちた後、俺の目を奪ったのはリーシャの裸ではなく。

その白くきれいな背中の真ん中に大きく刻まれた痛々しい傷跡だった。


人の描写って難しいですね。

先日、自分が書いた文章をもとにイメージ画を描いてみようと思ったのですが。

完成した絵を見てみると全員同じ顔になってしまい没になりました。

絵心のない人間が書くもんじゃないですね。

絵師や、漫画家の方々を尊敬しなおし、絵はごみ箱に捨てました。

いつか、再挑戦してやると心に決めました。

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