【幼女と騎士団の本拠地】
「さて、最初にこれから寝泊りする部屋に案内するわね」
リーシャはそういって歩き始める。頑張ってついていこうとするが歩幅が違うため、
離れては小走りで追いつきまた離れてを繰り返していた。
何度か繰り返して再びはなれたところでリーシャがこちらを向いた。
「ごめん、ちょっと早すぎたね」
と焦りながら近づいてくる。口調が崩れていることに気付いたのか、こほんと咳払いをすると、
次は手をつなぎ、ゆっくりと歩き出す。
「今日は私もお休みらしいから、ゆっくりと行きましょうか」
先ほどの口調より大人びた口調で話すリーシャに、違和感を感じる。
恐らく先ほどの口調が本来の彼女の口調なのかもしれない。
リーシャに返事を返しまたしばらく歩く。
会話もないので気まずくなった俺は、何か話題を探す。
「おねえちゃんの防具はどうしてみんなのと違うの?」
「どうしてそれを…。あぁ、牢屋の時にみたのね?」
意識を失う時、視界に入った騎士は三人レインとリーシャともう一人の騎士、皆身に着けている防具が違っていた。
ここではそれぞれ自分の好きなものを選べるのかと思ったが、ここにいる騎士たちを見ると、階級などの差か、
わずかな違いはあれどほぼ三人目の騎士と同じものだった。
レインは王族で団長であるからわかるが、リーシャはなぜ違うのだろう。
「それはね私が一応副団長という立場だからよ。就任とともに団長からいただいたの、今日はきていないけどね」
「ふくだんちょー!お姉ちゃんすごいんだね!」
そういうと、リーシャは苦笑した。
「私は、まだまだだよ」
そうつぶやくと同時に一つの部屋の前についた。
「団長、少しいいですか?」
ノックをしながらリーシャが告げ、入れとレインが許可を出す。
「先ほどから、あまり時間がたっていないがどうした?何かあったか?」
書類に向けていた目をこちらに向けながらレインが問う。
「いえ、この子の部屋をどうしようかと思いまして。」
「宿舎のほうは…空き部屋は新人で埋まったんだったか、うむ」
レインは、少し考えた後俺と、リーシャを交互に見て再び口を開いた。
「そうだな、リーシャの部屋に泊めてやれ。女同士だし問題ないだろ?」
「え」
「そうですね、ほかの宿舎は男だけですし」
俺の困惑は伝わらなかったのか、話は進む。
「寝具をどうするかだな」
「あとで私が要請しておきます」
「頼む」
どうやら話がまとまったらしくリーシャがレインに断りを入れ部屋を後にしようとする。
待ってくれ彼女いない歴1000年と少しの俺がいきなり女の子と同室だと!?
ハードルが高すぎる!女の子と同じ部屋と考えるだけで、眠れる気がしない。
混乱している間に、部屋の外に出たらしく後ろで扉の閉まる音がする。
安眠のためにも急いでリーシャに声をかける。
「わたしっ!…男の人がいても平気だよ?」
そういうとリーシャがこちらを向く。
「だめよ、ここには襲うようなバカはいないけど、馬鹿騒ぎする奴らはいるんだから」
でも寝るときは1人ですよね?そっちのほうがいいんですが…
「それに、訓練をする時は私となんだから、一緒のほうが早いでしょ」
そういわれると反論する理由がなくなってしまい、口を閉じる。
「それじゃ、次はここの建物内を案内するわよ」
了承したと思ったのか、リーシャは次の場所へと足を向けた。
今いるのは本館で、建物構造はコの字型になっており開けた部分が門となっていた。庭を抜け建物の中央に入り口がある。
庭の中央にある噴水はまるで貴族の屋敷だ。いや、王族がいるんだがな。
まぁ、それは良い、建物内は三階に分かれ一回は会議室や事務室、団長室、客室などがあり、
二階には魔術書や魔導書と呼ばれるものもある図書館となっている。そして図書館から降りられる地下には防護結界の張られた実験室や、研究室がある。二階の端は三階からしか降りてこれないようになっており、三階の役職、もしくは二つ名持ちの宿舎に住んでる者たちの浴場となっている。
最も、現在彼らはほとんど、騎士団員の宿舎に寝泊りしているようでリーシャとレイン含め数人しか使用していないようだ。
騎士団員の宿舎は本館の隣にあり一回へと通路が伸びている。
騎士団員全員が住んでいるため結構な大きさだが、客を迎え入れることを想定していないので外見は地味だ。
だが中の設備はこの国の中ではいいほうらしくお風呂もあるという。
「スイは魔力は使える?」
お風呂の説明中に、リーシャに聞かれる。
魔術ではなく、魔力といったのはおそらく魔力を流し込み使用する魔道具が使われているためだろう。
魔術に比べ、魔力を使うことは術式などの知識を必要としないため少し練習すればある程度は誰でも使える。
魔道具は、生活に浸透しており。所有はしていなくとも使用する機会はあり平民でも使用できるものは少なくはない。
「少しだけ」
「使えないかもと思ったんだけど、その年ですごいわね」
もちろん幼女は例外である、農村でも魔道具を使った仕事は暴走という危険もあり、あまり子供には触らせない。
しまったと思いながら、言い訳を考える。
「まじゅつにきょうみがあっておかあさんに教えてもらったの」
「そう…」
母親の事を思い出させないようにという配慮かリーシャはそれ以上は聞かなかった。
「魔力が使えるなら、話が早いわ。今夜お風呂入るときに教えるわね」
そういうと次の説明を開始した。
裏には馬宿があり数十頭の馬が飼われていた。
その周りは草原となっており馬を走らせることもできるようだ。
騎士団員の宿舎の逆方向には大きな訓練場があり少人数での模擬戦からトーレニングまでほとんどのことができるようだ。
もちろん、魔道具を使うこともできる。
これらの施設がこの騎士団の内部だ、勇者補正なのか、王子補正なのか、でかすぎないか?
それともここでは普通なのだろうか?
案内も終わりリーシャに連れられて、本館へと戻る頃には日は落ちかけていた。
「細かなことは、少しずつ話していくからわからないことがあったらなんでもきくのよ?
そろそろいい時間だし、部屋に案内するわね」
そういって三階のへの階段を昇っていく、いよいよか…
リーシャとは、今は女同士ではあるのだが、
家族以外で初めての女の子の部屋というイベントを控えた俺の胸は高鳴ってしまっていた。
少し時間が空いたので投稿できました。
活動報告でも書いた通りGW中は更新は未定です。
申し訳ございません。




