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プロローグ

とりあえず。過去話です。

7月二十六日編集しました

「おぎゃあー。おぎゃあー」

「よく頑張りましたね、元気な男の子ですよ。」


やっと生まれた。なんて可愛いのかしら。ああ、私は今ここで死んでもいいとそう思った。…そう思ってしまった。実際には、難産で体力が低下して、出血も多量だったためにそれは起こった。


「出血が止まりません。」

「っつ。すぐに治癒魔法と輸血をっ。」

「やっています。

 ですが、一向に出血が止まりません。」

「なんとかしなさいっ。」


それは、無理難題だったが、彼女にもそれは分かっていたし、他の者も彼女が分かっていて言っていることを十分に理解していた。なぜなら彼女は誰からみてももう手遅れの状態だったからだ。心肺は停止し、体をぴくりとも動かさず、目を見開いたまま死んでしまっている。


「おかわいそうに。これだけ長時間出産の痛みに耐えてようやく生まれた男の子なのに。それを一度も抱いたこともなく、赤ん坊の顔さえ見ずに逝ってしまわれるなんて。どれだけお心残りだったことか。」

「琉花様せめて安らかにお眠りください」


そしてそれっきり、部屋の中は静かになりあたりには赤ん坊の泣き声だけが鳴り響いた。




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