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花の名
姫がベッドの上から俺を呼ぶ。
俺は飛び乗り、姫の隣で寝そべった。
床でなく、ベッドで寝られるのがうれしい。
それに姫も一緒だ。
「いっぱいお話ししましょう」
姫も寝転がり俺を撫でる。
「私たちは身を隠しているから、出来るだけ名前を呼び合わないでいるの。特に私の名前は」
そうだったのか。
犬も名前を呼び合わないから全く気付いていなかった。
「うっかり言っちゃう事も在るけどね」
グラッドって言ったものな。
それで俺はあの男の名を知ったんだ。
「あなたに私の名前を教えるね」
姫は俺の耳に顔を近づけた。
「レビス・ヴェストニア・メドック」
えっ。今、何と言ったんだ。
俺は鼻を鳴らす。
「西域を治めるメドック家のレビスと言う意味よ。レビスが私の名前」
姫の名はレビスと言うのか。
犬と違ってエルフは皆名前を持っているのだな。
「レビスはお母様の故郷に咲く花の名前なの。美しのレビス。可憐なるミニリス。情熱のグラビス」
姫から悲しみの感情が湧き上がる。




