これが、私の答えです!
【大隈】に騙されたものの、【みどり】は【西園寺】と色々と話していた。
すると、今まで気づかなかった【西園寺】への気持に気付く。
そして、【みどり】が出した答えとは……。
「それは、こっちの台詞だ!」
西園寺から返ってきた意外過ぎる言葉だった。
意外過ぎて私は瞬きするのを忘れるぐらい驚いてしまった。
そんな私を見た西園寺はさらに怒ってしまった。
「なっ、何だその態度は‼ ひ、人が折角言ってやったのにぃ‼」
「ご、ごめんなさい⁉
西園寺君からそんな事を言ってもらえるなんて思ってもみなかったから……」
私がそう言うと西園寺はまたグシャグシャッと頭を掻きむしった。
どうやら、これは怒っているのではなく照れ隠しのようだ。
西園寺は私から視線を逸らすし、顔が真っ赤だもの。
大きい体つきに加え、恐持ての癖に何故か照れている。
それが分かると何だか西園寺が可愛く見えてきて、ついつい色んな事を言ってしまった。
「ねえ、西園寺君。体育祭の時、バトンパスが下手で迷惑かけてごめんね。
それと、私の為に怒ってくれて……」
「あっ? んな事ねえし!」
「じゃあ、自然の家キャンプの時、野菜を切るのが遅くてごめんね」
「んな事でいちいち謝んな!」
「そっか……。じゃあ、修学旅行の時、ありがとう!」
「はっ⁉ 何がだよ‼」
「えっとね、プロ野球の試合の事だよ。
凄くドキドキしたけど、楽しかった!
それに、石川先生に怒られた時かな?
「あっ? 何で石川の説教があんだよ?」
「だって、石川先生に怒られてた時って、西園寺君、全然反省してなかったでしょ?」
「あぁっ‼ それを言うなら木田だって全然聞いてなかっただろうが‼」
「そうそう! 木田君もだけど、美雪ちゃんもそんな感じでさ。
それを見てたら、私、何か楽しくって、泣かなくてすんだんだ」
「ふ、ふーん……。変な奴」
「かもね。あと、あの時は本当に助かった」
「いつの事だよ?」
「そ、その。変な男の子達に絡まれた、時……」
「あぁっ? あれは違えって言っただろうが‼」
「ふふっ。そうだったね! でも、ありがとう
守ってくれて……」
ここまで言うつもりはなかった。
けど、言ってしまった。
それはきっと、心の何処かでそう思っていたからだろう。
だから、素直にそう言ってしまった。
別に後悔はしていない。
まあ、後悔したところで、どうする事も出来ないのだが……。
なのに、西園寺は耳まで真っ赤になってしまった。
その西園寺を見たら、私も何だか顔が火照ってきた気がする。
何か色々と恥ずかしくなってきてしまった。
今まで言った事だけじゃなくって、西園寺を可愛いと思った事。
そんな風に考えてしまった私は後悔し、何故か西園寺の顔を真面に見れなくなってしまったのだ。
そうなると二人共、何も喋らなくなってしまった。
どうしよう……。
とても気まずくなってしまった。
今ここを去る訳にもいかないし、どうしたものか。
そう思ってたら、また西園寺が意外すぎる事を言った。
「お、おいっ小松! こ、高校でも変な奴等には気を付けろよ‼
お前、トロイんだからな‼
んで、ど、どうしてもの時は連絡しろ‼
俺がそんな奴等なんか蹴散らしてやっから‼」
「えっ……⁉」
今のは、空耳だろうか?
何か西園寺に気遣われたような……。
それに気付くと私の心臓が西園寺に手を引かれた時よりも強く、早く動き出した。
それは、とっても苦しいけど、終わらないでほしい苦しみ。
ずっと、ドキドキしていたい苦しみだった。
変かもしれないけれど、そう思ってしまった。
私、どうしちゃったんだろう……。
何でそんな事を思うのかな?
私がその答えを出す前にまた西園寺が私の心臓を揺らす事を言った。
「そ、それとなっ! お、俺がプロに入ったら絶対に観に来い‼
約束だかんな‼」
そして、勝手に約束した西園寺は私の返事を聞く前に走り去ってしまった。
一体、西園寺はどこまで身勝手なのだろう……。
私をこんな気持ちにさせておいて勝手にいなくなるんだから。
せめて……、せめて返事ぐらいは聞いてほしかった……。
トロイ私がそう思っていると美雪達が集まって来た。
「ねえねえねえ みどりちゃん! 何だって‼」
「へ? な、何が?」
「西園寺の馬鹿よ! 勿論みどりちゃん断ったよね?」
「断ってないけど……」
「えぇーーっ‼ みどりちゃん、、趣味悪っ‼」
「な、何で⁉」
美雪は、ふらふらとその場に座り込み、文と大隈それに伊藤は、にこにこしながら拍手した。
どうやらみんな少し勘違いをしているようなので、私は西園寺と話した事を話した。
すると、美雪は「良かった!」と言って立ち上がり、文達三人は残念そうな態度をした。
「もぉーー! 西園寺の奴、何してんだよ‼」
「まあまあまあ、大隈君! 西園寺君にしてはがんばったって事で……」
「いや、駄目だろ? 何の為に俺等が正月の時に……」
そして、大隈と伊藤が何やら話し出し、その中で分かった事があった。
それは、あの正月での連絡先の交換は大隈と伊藤が西園寺の為にやったもので、
その西園寺は……つ、つまり、私に気があった、と……⁉
そういう事らしい。
言われなくっても、さっきの西園寺の反応で薄々分かっていた。
だけど、どうせならちゃんと言ってほしかった。
あんなのじゃ、何にも言えないじゃない……。
そう思った私が溜息をつくと、文が話し掛けてきた。
「ねえ、小松さん。どうするの?」
「どうするって、文ちゃん?」
「西園寺君への返事だよ!
「へ、返事って言われても、私は何も聞かされてないし……」
「ふーん……。じゃあ、小松さんは西園寺君の事、どう思ってるの?」
「えっ⁉ わ、私‼」
文は何を言っているのだろうか?
それに、文はこんな事を言う人だっただろうか?
文の新たな一面を知れたのは良かったけれど、今はそれどころではない。
文に何て答えれば良いのかわからない。
けど、うそもつきたくない。
そんな私は
「まだ、自分の気持ちがはっきりとは分らないの……。
けど、西園寺君が勝手に決めた約束を果たした時に、私の気持ちを西園寺君にちゃんと言うよ!」
と、言った。
すると、文はにっこり笑って、「小松さんらしくっていいね!」て言ってくれた。
それから大隈を宥める事に疲れた伊藤も加わり、私達は三人で談笑した。
そんな私達を見ていた大隈は美雪にこう言って、美雪はこう返した。
「宮本さん。独り者同士の俺達、付き合っちゃう?」
「大隈……。丁重にお断りいたします!」
美雪にふられても大隈は平井に言うように何度も美雪に同じような事を言い、
美雪は怒りながらも何度も断っていた。
そのやり取りが面白くって、私達は笑ってしまった。
すると、美雪から私と文は怒られたけど笑い続けていたら、美雪から私達はくすぐられてしまった。
そんな事をされた私達は涙が出る程笑ってしまった。
そんな笑いあり涙ありの卒業式も終わり、私は中学校を旅立った。
それから家までの帰り道、心配性の母から何度も、西園寺君から何て言われたの?」と聞かれても、
私は「内緒」て答え続けながら歩いた。
そして家に帰り着いた私はしつこい母から逃げるように自分の部屋に駆け込んでこう言った。
「ねえ、ハイカラさん。お母さんったら、しつこくない?」
けど、ハイカラさんから返事はなかった。
私は、小松 みどり。
もうっ! みんな知ってたのなら教えてくれたって良かったのに!
もしかしてハイカラさんも知ってたの⁉
だから、西園寺君にあんな風に言いなさいって言ったのね?
……ねえ、ハイカラさん。聞いてるの?
ねえ! ハイカラさん⁉




