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文化祭の演劇で思った事を全て親友に伝えよう!

※まずは、新たな評価とブックマークに感謝!

 そして、いつもお付き合いくださりありがとうございます!

 これからもよろしくお願いいたします☆

ーー

 いよいよ【みどり】達のクラスの演劇が幕を上げた。

 大歓声に包まれる中、あのハイカラ衣装で【八木】が皆に笑顔を振り撒く。

 すると、体育館はさらに大歓声が上がり、皆が楽しそうに演劇を観ていたが【みどり】は……。

'ハイカラ女学生の恋'の幕がいよいよ開けた。

 レトロな音楽に合わせ舞台袖から出て来たハイカラ装いの八木が姿を見せると、

客席からは静けさという蓋を一気に開ける歓声が上がった。

 やはり、あの容姿は本物だ。

 そして、計算し尽くされた見せ方。

 全ては人前では見せなかった努力の結晶だった。

 だから、八木の何もかもが凄いと思えた。

 けど、何かが物足りなかった。

 リハーサルの時はそんな事は思わなかったのに、どうして?

 決して、私達のクラスの演劇が悪い訳ではないはず。

 だって、客席からは拍手や、笑い声が聞こえて楽しそうなのだから。

 なのに、どうしても私は、そう思ってしまった。

 そんな私が'ハイカラ女学生の恋'を観ていても、やはり大した感想は浮かばなかった。

 唯々'ハイカラ女学生の恋'をぼんやり眺めていると、ハイカラさんに声を掛けられた。

「みどりさん、どうかなされましたか?」

 ハイカラさんとは私の左隣にいる、黒髪で、日本人形のような顔をした、

年齢不詳の女性の幽霊の事である。

 ハイカラさんは私の守護霊で、その姿は私以外の人には見えず、その声も聞こえない。

 そんなハイカラさんと普通に話す事も出来るが、

今回周りに迷惑が掛からないように、私は心の中でハイカラさんと話す事にした。

「どうかしたとかじゃないんだけど……。何か、つまらなくって……」

「つまらない? 'ハイカラ女学生の恋'がですか?」

「うん。何か物足りないって言うか。何か、こう心に響かないって言うか……」

「ほほ。そうでしたか……」

 ハイカラさんは穏やかに笑った。

 その理由が聞きたくて、私は聞いた。

 すると、ハイカラさんは穏やかな顔で答えてくれた。

「先程、マーちゃん殿の飼い主殿のあの心に響く演技を観たのです。

 そうなってしまわれるのも仕方がない事です」

 そうか……、そうだ!

 さっき、美雪のあの演技を観たから、物足りないんだ。

 美雪のあの心ときめくあの演技を観たから、心魅かれないんだ。

「なるほど……。さすがハイカラさん!」

「ほほほ。みどりさんの力になれて幸いです。

 それに、実を言うと、私もそうでしたの」

「えっ⁉」

 ハイカラさんがすぐに答えれたのは、ハイカラさんが私と同じ気持ちだったからだった。

 だから、ハイカラさんはその理由にすぐに気付いていたのだ。

「まあ、少々物足りないですが、メェメェの演技も中々なものですね。

 それにあのお洒落パラソルにブーツ!

 私の時代にもあのような物がほしかったですねぇ」

「あれ、八木さんの私物みたいだよ」

「何と⁉」

 ハイカラさんの驚いた顔を見て、私はくすっと笑ってしまった。

 けど、ハイカラさんが驚いてしまうのも仕方がない事だ。

 八木は、さすがお洒落女史で色んなお洒落グッズを沢山持っている。

 そのお洒落グッズの中から、あの衣装に合うグッズを自分で択び、持参した。

 そして、あの舞台に輝くハイカラ女子は完成した。

 そう、八木は輝いていた。

 その八木を観ていて、私はある事に気付いた。

 それは、八木しか輝いていないという事だった。

 確かに、八木は輝けるだけの素質を持っているけど、

'ハイカラ女学生の恋'は八木一人の演劇ではない。

 私達のクラス全員の演劇なのだ。

 これが私が感じた、物足りなさの一つだった。

 美雪の'はちゃめちゃ白雪姫'にあって、八木の'ハイカラ女学生の恋'になかったもの。

 みんなで作り上げるという事だ。

 この目には見えない大切な事が、人の心に響く作品を作るのにとても大切だったのだ。

 その事に気付けた私が、ふふっと笑うと、ハイカラさんから心配されてしまった。

 だから、その理由を教えた。

 すると、ハイカラさんは感心し、ほほっと笑った。

 そんな私達が'ハイカラ女学生の恋'を観ていると、'ハイカラ女学生の恋'はクライマックスに突入し、

あの涙を誘う場面となった。

 そして、ステージ上の八木が泣き崩れ、ステージが真っ暗になると静けさの蓋が落とされた。

 その静けさの中には、すすり泣く声が混じっていた。

 それから体育館は明るくなり、美雪達の姿がはっきりと見えた。

「メェメェの演技で、泣いてる生徒がいた……」

「そうだね、美雪ちゃん」

「まあ、メェメェの演技力、凄かったし……」

 どうやら美雪は、少しすねてしまったようだ。

 別に'はちゃめちゃ白雪姫'には感動シーンはなかったので、泣く人はいないのに、

変な所を気にしている。

 今の美雪に、唯、美雪の演劇の方が良かったなんて言っても、意味がない。

 なので私は先程、ハイカラさんと語り合って気付いた大切な事を美雪に伝えた。

 そして、その後、美雪の演劇の方が良かったと褒めた。

 すると、美雪は感動し、私に抱き着いてきた。

 嬉しさをぶつけるように、強く私を抱きしめたから、少し苦しかった。

 けど、私も嬉しかった。

 そんな私の意見に文も共感してくれ、私も美雪もさらに嬉しくなった。

 そして私達が嬉しさを共感していると、またブザーが鳴り、最後のDクラスの演劇が始まった。

 Dクラスの演劇は人気アニメの実写版で、少女たちが変身し、悪者を退治するというものだった。

 その演劇の中で私達と同じ制服を着ている女子生徒が五人いて、とても仲良く話していた。

 すると、突然そのアニメで悪者が登場する時に流れる音楽が流れ、如何にも悪そうな男子の声で、

この学校を破壊すると言い出した。

 その声を聞いた五人の女子は顔を見合わせ、頷き、そのアニメで出て来る台詞を叫んだ。

 それは、返信する時に叫ぶ台詞で、それぞれの女子が決めポーズで叫んだ。

 すると、ステージの照明は消え真っ暗になった体育館にそのアニメのオープニングテーマが流れた。

 そして、ステージは明るくなり、五人はそのアニメの戦士のミニスカートの姿になっていた。

 だが、どう見ても、その五人は先程の女子ではなく、男子だった。

 彼……彼女達五人は、そのアニメの決めポーズを決めながら、そのアニメで出て来る台詞を言った。

 その彼……彼女達を観ていた生徒達からは体育館十二響く笑い声が聞こえた。

 勿論、私も噴き出す程笑ってしまった。

 それは美雪も、文も、そして、ハイカラさんもそうだった。

 それから意表を突かれたDクラスの演劇は進み、

先程の悪者の声の主の男子が、またそのアニメのコスチュームで出現した。

 当然、女性の格好である。

 しかも、ロングドレスにスリット付だ。

 なので、そのスリットから彼……、彼女の生足が見えるという訳だ。

 そうなると爆笑の渦はさらに大きくなり、騒音とも取れる笑い声が体育館の外にまで漏れた。

 彼……、彼女達の戦いはその笑いの渦の中で行われた。

 足技や、打撃を打ち込むと言った物理攻撃に加え、

そのアニメのメインヒロインが使用している魔法のスティックも登場した。

 それに対し、悪者から謎の時を停める事が出来る鳩時計が出現し、五人の戦士達はピンチとなった。

 だが、その時、謎の仮面戦士が登場した。

 黒いマントを纏い、黒いシルクハットをかぶり、黒い杖を持っているミニスカートの戦士だ。

 今度は女子のようで、ほっとした。

 その彼女の杖の攻撃により、謎の鳩時計の効力が弱まり、五人の戦士たちは立ち上がった。

 そして、メインヒロインの魔法スティックの攻撃がさく裂し、

この学校の平和が守られたというオチでDクラスの演劇は終了した。

 そして、この演劇をもって文化祭は終了したのである。

 数日後、三年生の演劇の評価が発表され、私達のクラスは僅差で二位だった。

 一位は言うまでもなく、Dクラスである。

 少し悔しかったけど、達成感に満ちた文化祭だった。

 色々な事に挑戦し、友達と協力する。

 そして、その先で手にした目には見えない勲章と、次へのチケット。

 これらの経験が出来た文化祭は私をまた少しだけ大人にしてくれた。

 そんな文化祭も終わり、私の中学三年生の一〇月も終わりを迎えようとしていた。



 私は、宮本 美雪!

 ねえねえ。みどりちゃん!

 Dクラスの演劇、ヤバかったね!

 あれは全く想像出来なかったな♪

 ふむふむ……。

 でも、これからの参考に出来そう……。

 そうだ!

 みどりちゃん、文ちゃん!

 私の家でちょっと話そう!

 あの約束もあるしね♪

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