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私の守護霊は、ハイカラさん  作者: 紅p
 一学期
28/75

中学三年生の夏休み日記

 【みどり】は悩んでいた。

 このままだと、自分の未来がどうなるのか。

 このままだと、【美雪】達と離されてしまう事に。

 そんな【みどり】が夏休みに取り組んだ事とは……。



 中学校の四社面談を終え、私は中学生最後の夏休みを過ごしている。

 私は本来なら補習の名目で、夏休み返上で中学校に通わなくてはならなかった。

 特に私の成績なら、猶更だった。

 だけど、私はそれを拒んだ。

 実を言うと、あの四者面談以降、私は中学校に行くのが怖くなった。

 何となく美雪と、ハイカラさんの助けで一学期終了までは登校したけれど、

少し休息がほしくなった。

 なのでハイカラさんと相談し、夏休みは補習に行かずにある事に挑戦している。

「みどりさん、今日のボランティアは何をなされるのですか?」

「今日はね……、浜辺のゴミ拾いだよ」

 私が話している、黒髪で、日本人形のような顔をした、年齢不詳の女性が、ハイカラさんだ。

 私の守護霊である。

 ハイカラさんの姿は、私にしか見えず、ハイカラさんの声は、私にしか聞こえない。

 そんなハイカラさんと、私は、心でも会話出来る。

 そして、私は、ハイカラさんとこの夏休み、私に出来るボランティアに参加している。

 何故なら、この間の四者面談で私は将来何をしたいのか全く分からなかったからである。

 このまま大人に私の未来を勝手に決められたくない。

 その為に、何かやりたかった。

 そして、私が出した答えが、ボランティアに参加する事だった。

 ボランティアの力を借り、知らなかった世界に触れる。

 私はこの夏休みに出来るボランティアを探し、森の自然を守る活動、街の清掃活動、

そして、この浜辺のゴミ拾い活動を選んだ。

 最初のボランティアは、森の自然を守る活動だった。

 夏休みに入りすぐに参加したもので、森という名目だったが主にアジサイの剪定を行った。

 人数は私を含めた、6人、天気は曇り。

 説明を受け、こんなに切り落としても良いものか心配になりながらも、

私はアジサイの剪定を行い、その周辺の草取りを行った。

 朝8時から約二時間、私はそのボランティアを続けた。

 このアジサイの剪定は来年に繋がるものらしく、

このボランティアでアジサイの見ごろの季節に私はまた、このアジサイ達に会いに行こうと思えた。

 そして、次に行ったボランティアは、街の清掃活動だ。

 朝八時半に集合場所から出発し、約三時間かけてゴール地点の公園までのゴミ拾いを行った。

 参加人数は森の自然を守るボランティアに比べ、かなりの人数がいた。

 天気は晴天だった為、心配性の母から準備してもらった水稲が、

ボランティア終了時には空っぽになってしまった。

 そんな中、意外と道にゴミが落ちていて驚いてしまった。

 道にゴミが落ちているのを見るのは気持ちが良いものではない。

 なので、捨てた事はないけど、私は絶対にゴミのポイ捨てはしないと誓った。

 そして、今日はその延長ともなる、浜辺のゴミ拾いボランティア。

 本日も、晴天である。

 街の清掃活動ボランティアを行う事で、海へのゴミの流入を防げているはずだった。

 しかし、海岸にはペットボトル、レジ袋、空き瓶等が多く見られた。

「これ程までのゴミが海辺に運ばれてくるのですね」

「ちょっと前に台風が来たって言っても、大杉だね……」

 数日前に台風が通り過ぎたとはいえ、海辺には家庭ゴミが多く浮かんでいた。

 そして浜辺には木材が多く漂着していて、それ等を分別しながら、

私は約三時間、ボランティアを続けた。

 その間、私は他のボランティアの人と話す事はほぼなかった。

 私の性格上、いきなり他人と触れ合う事等、無理だったからである。

 だけど、ボランティアスタッフの方はそんな私を気遣い、見守ってくれていて、

時にはサポートしてくれた。

 そして、勿論ハイカラさんも気遣ってくれた。

 だから、私は黙々とボランティアを続けられ、無事に家に帰り着く事が出来た。

 だけど、私が家に帰ると、心配性の母から心配されてしまった。

 何故なら、あんなに対策していったというのに、私の顔は真っ赤に日焼けしていたからである。

 それに、少しだけ油断し露出していた部分の肌はその部分だけ日焼けしていた。

 そして、日焼けした部分は、お風呂でヒリヒリとしみて、痛かった。

 そんな私がお風呂から出ると、心配性の母は母が使用しているちょっとだけ高級パックをくれ、

私は初めて顔にパックを使用した。

 そのパックは私がお風呂に入っている間、母が冷蔵庫で冷やしてくれていて、

私の顔の火照りを冷やしてくれ、とても気持ちが良かった。

 こうして、私が計画した夏休みのボランティア活動は終了した。

 私は夕食を完食し、お風呂でリラックスし、大人の顔の手入れもし、疲れもあって、

早く寝れそうだった。

 だけど、一向に、眠れそうになかった。

 だからと言って、暗闇でスマホを使う気にもなれない。

 そんな私に、ハイカラさんが話し掛けてきた。

「みどりさん、眠れないのですか?」

「うん。何となくね」

「まあ、どうしてでしょう?

 今日で、全てのボランティアを立派に成し遂げたではありませんか?」

「そうなんだけど……。結局、このボランティアからは私がやりたい事が見つからなくって……」

「そうでしたか……」

 当たり前だけど、こんな短期間のボランティアだけで私がやりたい事が見つかるはずがなかった。

 美雪達は、ずっと、夢を持ち続けている。

 そんな美雪達と私が同じように出来る訳はない。

 私はみんなから、置いてきぼりにされた気になった。

 また、立ち止まってしまいそうになった。

 でも、一つだけ、このボランティアを通し私の心に残ったものがあった。

 その事を思い出すと、ハイカラさんから話し掛けられた。

「やって御覧なさい。みどりさんなら、出来ますよ」

「ハ、ハイカラさん⁉ まさか、今、心を読んだの?」

「いえ。私はその前から分かっておりました」

 私がベットから起き上がると、そこに穏やかな顔をしたハイカラさんがいた。

 暗かったけど、はっきりとその顔は見え、ある事が分かった。

 ハイカラさんが嘘をついていないと言う事が。

 その事が分かると、私はまた前に歩き出せそうになった。

 そして、答えは分かっていたけど、聞いてみた。

「ハイカラさん、どうして分かったの?」

「私は、みどりさんの守護霊ですから」

「もう、いつもそうなんだから……」

 やっぱり、ハイカラさんを信じてきて良かった。

 そのおかげで、今まで無かったものが少しだけ見えるようになり、私はそれがほしくなった。

 そして、また、答が分かっている事を聞いた。

「ハイカラさん、私ね、その夢を叶えたい。でも、ハイカラさんと、今まで通り、がんばりたい。

 だから、また、明日からお願い出来る?」

「勿論ですとも! 私は、みどりさんの守護霊ですから!

 しかし、明日からは少し厳しくいかせていただきます‼」

「へっ⁉ これ以上、厳しくなるの?」

「当然です! 夏休みに入る前に、約束したではありませんか?

 補習をも上回る勉学を、私とすると!」

「そ、そうだったぁ……」

「さあ! もう、遅いですから、おやすみなさい!

 明日からは、また、いつもの生活が待っているのです‼」

「はーい……」

 想像してた答とは少し違ったけど、ハイカラさんの答えを聴くと、私は眠れた。

 それから残りの夏休みの間、私は普段の生活とほぼ変わらない生活を

ハイカラさんと私の家で過ごした。

 違う事は登下校がない事。

 それに、給食がないという事ぐらいだ。

 そんな生活の中、私は、ハイカラさんの指導を受け、勉学に励んだ。

 そして、学校では決して出来ない経験を重ね、私の中学最期の夏休みは終了した。

 ここから、また、私の新学期が始まっていく事となる。


 私は、小松 みどり。

 ハイカラさん、ありがとう。

 私、少しだけ何かが見えた気がする!

 そして、やらなきゃいけない事も。

 だから、また二学期から学校に行くよ!

 えっ⁉

 や、やっぱり、美雪ちゃん‼

 恥ずかしいよぉ!


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