表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/10

婚約破棄されました……

 私の名前はセーラ、今年で16になる。ブロンドの長い髪、瞳は灰色の女の子だ。ただ私は魔法が使えなかった。この世界では魔法の有無は非常に重要で就職、結婚に大きな影響をもたらしている。だけどそんな私も近々結婚する予定です。


 結婚式を翌月に控えたある日、私は両親に呼び出された。


「セーラ、お前の婚約は無くなった。」


 父上から言われたのはあまりにも急な婚約破棄の知らせだった。


「な、何故ですか⁉︎何故いきなり……来月、私の16歳の誕生日に式を挙げる予定ではなかったのですか!」


 私になんの落ち度があったのか分からず父上に理由を尋ねるが隣に居た母上に理由を言われた。


「あなたが魔法を使えないからですよ。」

「えっ……そんなの婚約した時から相手も知っていたはずでは?」


「そうね。ですが向こうの方が急に魔法が使えない者が嫁ぐというのはいかがなものかと考えたらしいわ。」


「そんな……私は学校での座学が優秀であるから今回の婚約が来たと聞いていたのに……」


「セーラ、落ち込むのは分かるが落ち込んではいられないぞ。」


 私が泣きそうになっていた。いや、涙が少し出ていた。だが父上は私を慰める事はなかった。


「お前にはこの屋敷から出て行って貰う」

「えっ……?」


 私は頭が真っ白になった。そして呆然と立ち尽くす。だがさも当たり前の様に父上は告げる。


「当たり前だろう。魔法が使えないが他の有力貴族と繋がれるからお前を食べさせてきた。だが、その役割も務められん様ならこの屋敷にいる価値すらない。」


「そんな言い方……母上も同じ意見なのですか?」


 私は救いを求めて母上に問いかけた。しかし……


「セーラ、あなたももう立派な大人です。1人で生きていきなさい。」

「あの……まだ15歳なのですが……」


「とにかく、今日よりこの家にお前の居場所はない出て行け!」


(嘘でしょ……このまま私は放りだされるのですか……誰か助けて……)


 心の中で願っても誰も助けてくれないのは知っている。そんなおとぎ話の様な事はないのだから……私が何かを言い返そうとしたその時だった。


「うおりやああぁぁぁー!」


 突如窓を突き破って誰かが入ってきたのだ。


「イテテ……やり過ぎちゃったかな?それで誰よ、私を呼んだのは⁉︎」

「だ、誰?」


「ん?あーその声は……君だねー、私を呼んだのは。」

「私?私は誰も呼んでないですよ……」


 私に向かって歩いてくる女の子。私より身長は低く長い赤い髪を三つ編みにしている。瞳も綺麗な赤い色で正しく美少女だ。


「ううん、呼んだのは君だよ!心の中で助けてって言ってたもん。それにしても綺麗な髪だねー、瞳も凄く綺麗。」


「き、貴様何者だ!」


 私たちが話していると、父上が怒声を上げた。当然だ。屋敷を壊されたのだから。


「ん?おじさんには興味ないなー才能もなさそうだし。」

「な、なんだとー⁉︎」


「それより君!」

「えっ……私?」


「そうあなた!名前は?」

「えっ、セーラです……」


「セーラちゃんね!うんうん!いい名前だね!よしセーラちゃん私があなたを助けるから私のお嫁さんになって!」

「えっ……?」


 私が困惑している間に警備の人たちが来る。


「お前たち!その娘を捕らえよ!そしてセーラを速くこの屋敷から摘み出せ!」


「おっと、これはヤバそうだね。それじゃあ。この子は貰って行こっと。」

「えっ、ちょっ……」


 私が慌ててる間に女の子は私をヒョイと持ち上げて小脇に抱えた。


「それじゃあおじさん、おばさん、この子を貰うね。後で返せって言われても返さないから!じゃあ!」


 そうして私は女の子に小脇へ抱えられたままほうきに乗って空へと旅立つのでした。

読んで頂きありがとうございました。


ストックが少ないので不定期の更新となります。2話目の更新はなるべく早くします。


宜しければブックマークと評価をよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ