第2話 師匠兼彼女が出来ました。
初めて空を飛んだ景色は凄く怖かった。だけどとても世界が美しく見えました。
「ふぅー。なんとか撒いたね。良かった良かった!」
女の子は額の汗を拭うと一息ついていた。
「あの……あなたは……?」
私は改めて彼女の名前を聞く事にした。
「ん?あー、自己紹介がまだだったねー!私はクレア魔法使いだよ!」
「クレア様……」
「あー、そんな大層なものじゃないから呼び捨てでいいわよ。それでなんで助けなんて求めたの?」
「えっ……私は助けなんて……」
「嘘つかないの!その涙の跡が何よりの証拠なんだから!」
クレアは私の頬を手で包み込む様に押さえて視線を合わせた。ここまでされては流石に隠してはいけないと思い、先程の事を話した。すると……
「……よし!」
話を聞き終わるとクレアは立ち上がる。そして……
「あの屋敷消し炭にしてくるね。」
「待って待って!」
満面の黒い笑みを浮かべて向かおうとするクレアを私は必死に引き留めた。
「なんで止めるの!そんな事されて悔しくないの?」
「悔しいですよ!でも、私が魔法を使えないのがそもそも悪いんです!だから……」
「そんな事ない!おかしいよ!なんでセーラちゃんがそんな目に遭わないといけないの?納得いかないよ!」
クレアは涙目になって本当に悔しそうにしてくれた。私はそれだけで嬉しかったのだ。
「ありがとう……私の為に泣いてくれるんですね……」
「だって……セーラちゃんが泣かないから……代わりに私が泣いてあげる事しか出来ないんだもん……」
私はクレアを抱きしめた。私より小さい身体だけど私より大きな心を持ってる彼女を大切にしたいと思ったのだ。
「さてと……それじゃあセーラちゃんは魔法が使えないんだね。」
「はい。適正テストでは何も反応ありませんでした。」
クレアが泣き止んだので話をしていたらクレアは私が魔法を使えない事に対して疑問を持ったものだから私はクレアからの質問攻めに遭っていた。
「やっぱり変よ!」
「何が変なのですか?」
「セーラちゃんが私へ助けを求める声、アレは伝達魔法の1つだものしかもかなりハイレベルのね。セーラちゃんは無意識にそれをやってのけたんだよ。これだけで相当な適正があるはずなんだよ。」
「確かに本で読んだ事はありますが……」
クレアのあまりの熱弁に私は困惑していた。今まで何の適正がなかったのにいきなり、しかも無意識に魔法を使っていたのだから。
「もしかしたら……セーラちゃん、私の手の上に手を置いてくれない?」
「えっ?ええ……」
私は言われるがままにクレアの手に自分の右手を置いた。
「ごめんね、少し痛いかも……」
「えっ……いっ!いたたた!」
私が何かを言う前に右手が急に何かに引っ張られる様な感じの痛みが走った。
「ごめん……もう少しだから……」
「う……ん……」
クレアの顔も相当キツそうだった。なので私だけがここで音を上げるわけにはいかなかった。
「「はぁ……はぁ……」」
気がついたら2人で息を切らしてた。そしてふらふらとした足取りで私たちは座り込んだ。
「分かった事がある。セーラちゃんは魔法が使える。」
「えっ……本当ですか……?」
「うん。しかもこれ新種だ……新種の属性の魔法だよ……」
「新種……てすか……」
私は頭がついていかず息を整えていた。
「あっ、クレア手が……」
「あぁ……大丈夫だよ、回復魔法後でかけるから……」
本人は大丈夫だと言っているけど、私はスカートの布を切ってクレアの手に巻いた。
「ありがとう……」
「いえ、これくらいしか出来ないので……」
回復魔法の使い方は座学で解ってる。でもそれで使えるわけではないのだ。
「それでね。セーラちゃんの属性は植物だと思うの。」
「植物?」
「そう。具体的には花を咲かせたり植物の成長を促進させるものと考えていいよ。」
「そうなのですね。でも、何で学校の属性診断で分からなかったのですか?」
「あー、あれは光、火、土、闇、水、風しか診断してくれないもの。見つかってないものなんて調べられないのよ。」
「な、なるぼど……じゃあクレアはどうやって診断してくれたの?」
私は納得しつつもクレアが何故私の属性か分かったのかがわからなかったのだ。
「それはね。あなたの魔力を私に流したのよ。昔はそうやって決めてたのよ。まぁ、どれとも合致しなかったから手がこんなんになっちゃったんだけどね……」
「ご、ごめんなさい……!」
「いいのいいの、私が好きでした事だからね。」
痛いのに、私に心配させない様にクレアは笑って答えてくれた。
「それでね。6属性全部見た後に木の葉が飛んでくる風景が見えたの。だから恐らく属性は植物、そしてまだ発見されてない新種の属性だと判断したというわけよ。」
「な、なるほどです……」
クレアの説明を聞いて私は納得した。そして私にも魔法が使える事が嬉しくなった。
「それでねセーラちゃん、あなた私の弟子にならない?」
「弟子……ですか?」
「うん。今更あの家に戻るなんて考えてないでしょ?それなら私の弟子になった方が良いと思うんだけど?」
「……そうですね。では弟子にして下さい。それともう1つしてほしい事が……」
「おっ、何かな?」
「私、まだ15だからクレアのお嫁さんにはなれないからクレアの彼女にしてくれますか?」
少しの間が開いた後、クレアは私の手を握った。
「もちろん!これからよろしくね!セーラちゃん!」
「こちらこそ、よろしくお願いしますクレア師匠!」
こうして私の魔法と恋の物語が始まりました。
ちなみに、後から聞いた話ですが、クレアの年は18歳だそうです。
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