ヴィジュアルショック-5話
———
「あっ..えっと、インナーカラー
やりたいなぁと….」 ドキドキと伝える。
——
春休み 高校卒業〜大学一年にかけての
インターバルだ
私は自分の部屋でYouTube を見て
ばかりいる ミュージックビデオ
K-POPアイドル筋骨隆々とした
太い二の腕と厚い胸板ばかり凝視する
なのに頭身みんなバグってる
エロい….
私はすけべなの自覚は
実は少しだけある
その後に並ぶ韓国女性グループ
のおすすめ….
今は綺麗な女性を見れなくなっていた
同性に敗北感を味わう出来事があったからだ
前は好きだった女性アーティスト、
見れない理由は
….レベルが高すぎるから
続けてのYouTube視聴、
都市伝説•陰謀論•スピリチュアル
履修だからあまり見なくなってた。
….というよりは話し相手ができた
以前は毛嫌いしていた兄だが
無職になった今の兄とは凄く気が合う
春休み期間部屋でゴロゴロとした後は、
夕方くらいからお洒落共有部屋で兄と
ずっと喋る生活が続いていた
その後に母が作る晩御飯を食べる生活。
友達のこはるとたまーに
遊びに出かける、春休み。
衣装部屋で兄と喋る毎日
ホストの兄は一過性の売れ方じゃないと
確信した。
めちゃめちゃ話しやすい。
最初は、無職な事にイラついてたし
髪が長いのもむかつく
ただ、二日後には貯金がある事、
兄は今も都心にマンション借りてて
現在、実家を別荘として使ってると知る。
兄に「この先どうするの?」って聞くと
「わかりませーん」と真顔で返すから
何かしら、考えてるのは目に見えて分かった。
兄には今まで話せなかった。
趣味から愚痴まで徐々に話していく事になる
兄は、今更それやってんの?っていう
パズドラをしながら
相槌を返す、テキトーに。
が、故か無限に話せてしまった。
私と兄8:2の会話。
そして、いつの時にか都市伝説系の話題も
出した時だ
「おーやっぱお前も見るんね、俺はあのチャンネルは好きだけど あいつだけは疑ってる」
陰謀論の話題の時だけは
兄と妹の喋る分配が5:5になっていた。
茶色い棚の上には
この前拾った青いドライフラワー
が飾られている。
高校時代から兄から借りてた
クロムハーツ?のパーカーは
兄のだる着になってた、というより
元々兄の服
私は最近、母にお洒落なパーカーを
買ってもらった、黒色の無地。
着ててめちゃめちゃ気持ちがいい
パーカー二人で部屋にいると
兄と妹、なんだかカップルみたいだと
父は私等を少しだけ冷やかした
母は「ヤッてないわよね?」
とか言う、私だけが気まずくなる。
兄は「悪魔と契りまく〜り〜」
と歌い出す。母は「こんなやつ私は無理〜!」
母と兄が 謎の歌を歌い出す
私はついて行けなかった。
そして、現在
美容室
隣には、こはる。こはるは、
友達、オタク、腐女子、夢女子。
二人は今現在、受験よりも緊張してる。
「ブリーチしてピピッ!ピンクにしたいです」
とこはる、とても気まずかった
何故なら、美容師が二人
担当が各々ド真ん中のタイプだった
私担当の美容室さんは柳さん。
カーキのカーゴパンツを履きこなし
くたっとした白のシャツを着ていて
ジェルでかきあげた前髪は
片方だけが自然に垂れる。
シャツを捲し上げ
太い腕から血管が飛び出る、黒縁メガネ。
こはる担当の美容室さんは蓮さん。
黒髪ウルフカットに
うっすらと赤いメッシュが差し込む
黒いデニムのセットアップ?っていうのかな
インナーはベージュのニット
履いてる靴はくたっとした黒いスニーカー。
全てのアイテムが使い込んだのか
元からなのか分からないほど
自然に穴が空いていた
蓮さんの
少しはだけたニットから
チラッと見える胸のタトゥー
よく見るとデザインが
アニメのモチーフだった。
なのに、腕のタトゥーは桜の和彫り
え、安いからここにしたんだけど?
男性のレベルアップがここ最近、
異常に高くなっている事に焦っていた。
そう、今男の子が当たり前にかっこいい。し。
私たちは、垢抜け前の女子大生前
彼らは垢抜けのプロ、大人の
美容師さんだ
なんでここが安いの…
私の中にはてなばかりが浮かびます
焦燥と焦りが蔓延る
——これはこはるの頭の中—-
切実に、ギャルを心に飼いたい
え、逆ナンしたいなぁいける?
終わってから声かけよ…一応大丈夫。
もう逆に私たち合法だしっ
てか落ちつかな….えっ
え…..蓮さんって爪….黒っかっこいい
し…えーっ….黒い爪に宇宙人いるあっ…
柳さんの爪….トュウルトユゥル してる——-
二人は戦わずして負けていたもう確認しなくてもわかる 、他に女はいると
そして、彼らは施術中あんまり
話題を提示しなかった
二人とも目が潰れてないのに
細くなっていて口角は上がっている
彼らは自分の圧倒的なオーラに自負がある
私は勝手にそう思う。
初めて味わう感覚、目の前の男がエロい….!
美容師の二人は私達に敬語だった
柳さんは髪が痛むから、
ヘアーオイルの大切さ
リンスの後にシャンプーが基本
ドライヤーの大切さを柳さんに
私は教えてもらう
私の髪が少しだけ、パサついてたらしい。
蓮さんは、ドキドキしてる
こはるに気を遣って、カラーの間の飲み物を
ちょっと豪華にしてくれていた。
美味しそうなアイスティー
ガムシロップを添えて
こはるのテーブルにたべっ子どうぶつ
とかがお皿に盛られてた。
ゆり
カラー➕カットが¥5,300
こはる
ブリーチ➕カラー➕カット¥9,300
見た目の変化は、なんというか
当たり前にしか変わってなくて
私達のヴィジュアルの変化の電気ショックは
彼らの色気に帳消しにされてしまっていた。
ピンクのツインテールのこはる、
なんだろう、時代的にもイメージ通り
背術後二人は顔を合わせ
「わーかわいー」
的なリアクションしか取っていない
柳さんが 「二人とも垢抜けたね!」
この時に美容師さん達はタメ口になった
お会計を済ませたのは蓮さん、レジで
「いやぁ!ありがとうね!大学生活羨ましい!
メンズ美容室なのに怖かったでしょ!
うち安いもんね!気に入ったらまたおいでよ!
入れ替わりで女の子のスタッフもいるから!
指名もアプリからできるよ」
唖然とした、メンズサロンだった。
何もかもが余裕の対応だし、
ホストクラブに行くのがバカらしくなる。
なんというか、
エロかった。だが、冷静に考える
物理的に月に何回も来る場所じゃない
価格以外じゃない何か
とてつもない「格」を感じる。
この行き場のない気持ちって…
こいつら罪深すぎる…..
私とこはるは昨日マックで
晩ごはんを済ませた作戦会議だったのだ
二人は出せる範囲の金額で美容室に行こうと
春休みにLINEでやりとりしていた
安いし、カラーは自分でやってよくない?
と私は言ってたのだが
こはるはどうしてもセルフは危険だと
常々私に言った「すぐバレる!」と。
程よく、席が、がらつく、マクドナルド。
私はこはるに「一万以下のとこあるよと」
提示する。
こはるはただ「うん..そこでいいよ」
こはるはその時はダブルチーズバーガー
に夢中だった、横文字が苦手な私は、
ボタンだけさっさと押して時間を決めた。
ポテトを食べる私は「14時にしたー」と
ポテトにナゲットのBBQソースを
たっぷとりつけて食べる
こはるは両手でハンバーガーを持って、
「ゆりって、本当こだわりないよね」
と苦笑い。こはるの一口ほんと小さい
もぐもぐしてて、うさぎみたいに食べる。
私は心の中で
(予約させといてこはるは
けっこーわがままなんよなぁ)と思ったが
「いや、まぁ。うん。ほんとに、それな
ナゲット追加する?」
「食べたい…けど太っちゃう..」
「はーい」私は15ピースのナゲットを追加で
購入を決めた。
ソッコーレジへと向かった
夜マックだからからだ。
帰りにこはるに
「明日本当に不安だ」
と言われた、
私は少しだけはてなマークだった。
背術後二人でサイゼリヤ、
メンズサロン「eden」の来店履歴
辛味チキンが届くまでの時間
美容師スタッフの顔写真を
まるで、ホストクラブの在籍
一覧のように見てた
こはるは
「あの人もかっこいい」
「この人は微妙」
と品定め、サイゼのメニューと
間違い探しにはこはるは
目もくれなかった。
そして、こはるはあろう事
かただ一人いた女性スタッフの
「楓さん」彼女の悪口を言い始めた。
「こいつは、絶対蓮くん狙ってる」
もう既に 「くん呼び」になっていた。
お待たせしました!
辛味チキン2つですねー!
チキンは二つとも真ん中に置いて
食べる、取り皿は各々にある。
食べ出す頃の話題は高校の頃の話
偏差値が高い学校だったから比例して
苦手な人が少なかった
楽しかったねと思い出話から
卒業した今だから言える愚痴。
それから続くのは卒業式の後の
「お好み焼きの日」
の話だ
二人はここ最近敗北感ばかり味わっている
LINEでもこの話は少ししていた
私がぼやく
「私さ、小学生の時は、自信あったけど
卒業式の後のお好み焼き屋で、もう何もかも
自信を失った」
こはるは
「ゆりも、そうなら少し安心した。
私もあそこ行き場なかったなぁ…いやさ 私たちの左のテーブル 完全敗北感じたよね。
この春休みなんだろうアレから焦ってさ。
また太っちゃった….お腹やばい」
高校3年間、女子に囲まれていたから、
男の子という存在に疎くなっていた。
卒業式の後のお好み焼き会
みんなが集まって30分くらいは
凄く楽しかった
私はお好み焼きを「えーい!」
ってひっくり返す
「崩れとるがな!」
と笑いながらツッコむ黒髪のこはる
6人全員が笑う。
その頃くらいから集いだす、
同じ目的の他校の「共学」
6人グループが私たちから見て
左のテーブルに徐々に集まる
3:3 美男美女ってレベルの水準を
おおよそクリアしてるんだけど、
なんというか圧倒的幸福感と
あの軍団の「身なり」
「尖ってない」「爽やか」「自然体」
な男の子 お兄ちゃんと全然違う系統
「ナチュラルメイク」 「綺麗に肌を見せる」
女の子 お兄ちゃんが好きそうな女の子
しばらく男の子と関わっていない私達女子。
私達は品性のない会話だった
「あの先生はズラだった」から
「商業BL特有の台詞大喜利」
それから、エスカレートして
Twitterで可愛いアイドルの女の子に
毎日メルヘンなリプライを飛ばしてる
おじさんの投稿を見て私たちは爆笑していた。
共学グループを気にしてたのは多分
私とこはるだけ
残りの4人はソフトドリンクの
ジンジャーエールで酔っ払った
そして、女の子4人はその日だけは
【中2の頃のお兄ちゃん】みたいになってた。
「え、この歳で処女ってやばいよね」
こはるがぼそっと切り出す。
ここからがこの日の終わりの始まりだった。
私だけしれっと石田くんと事を済ませてた。
この日初めて、私は告げると
そこからは私への質問責めだった。
「どうだった?」「痛いのか」
「彼氏のブツはどうだった」
本当になんて返せばいいか、分からなかった
….
こはるは、私が卒業してたのがショックだった
みたいでちょっと黙っていた
男女グループは
もう既にこういう会社で働きたいだとか
バイトどうする?とかバイト代で
MacBook絶対買う!Windowsがいいかな?
【絶対みんなで夏フェス行こう】
彼女、彼氏持ちは「惚気話し」
独り身は「もうええて!」
とツッコむが
そこの話題は尾を引かない。
絶対安泰な、美男美女達は
この先の将来の不安を赤裸々に語る。
ピュアなのにモテてきてる
うまくいってるであろう、あの群れが
本当に怖かったそして
レクイエムを奏でたのは1番美人の
この女だった
「大丈夫!大丈夫!なんとかなるよ!
てか最悪生活保護 あるし!」
残りのメンバーは
【本当にあなた生徒会長?!】
って総ツッコミ。
全てが負けていた
コレが….モテ。小学生の頃の
私とのモテとは格が違う
石田くんとの夜の話を濁しながら
徹夜なのにか、徹夜だからか
地獄耳の精度のキレは増す一方。
言葉のキレは悪くなる
身体がキツくて、眠くて限界だと
思ってきた頃話題は二次会、勿論カラオケ。
みんなオールする前提で話が進む、
初めての経験だった。
歌いながら気絶したらしい
カラオケで私は起きた
意外と元気、電車と徒歩で帰り
次の日の12時実家に帰宅
夕方ごろかな?また爆睡。
起きたのは朝の8時、携帯を見る。
こはるからLINEが来てた
「ゆり、ウラギリモノ( ; ; )
今度服選んで」
一緒の大学になるから
こはると私は高校の頃以上に仲良くなった
サイゼで垢抜けメイク動画を
見ながら辛味チキンを食べる二人。
春休みはメイク道具をたくさん買った。
サイゼを出た後
こはるはお小遣いで服を買う
なんだろう、「服選んで」
とかいいながらこはるは
全部自分のセンスで服を選んだ。
地雷系?っていうのかな
街で1番大きな商業施設の中にある
お店、こはるが憧れていたショップらしい。
私は、目がチカチカするなぁ…
なんて思ってた。意外と店員さんの接客は
あっさりしてた、というか
割とすぐにこはるから店員さんに
「あの….!
これ私が着てもおかしくないですか?」
….
そこからは私は、おいてけぼりになっていて
「ゆり?!どう」とこはる
私は「いいと思う」としか言えない
しきりにこはるは
「え!おかしくないですよね?!」
と店員さんに伝える
店員さんは
「バッチリですよ! 私もそれ持ってる!
意外とそういうのダメージの
デニムとも合わせられるし 系統の
幅広がりますよ!」
こはるは女の子のスタッフなのに
店員さんにメロメロになっていた。
こはるはその日 モフモフ白いパーカーと
黒のミニスカートを買った。
こはるは
「一人で絶対行けなかった!ありがと」
もう既に買った服に着替えてるから
コンカフェ嬢みたいなこはるに
生まれ変わってた
私はついでにUNIQLOで靴下を買った。
入学祝いに母は白いDr.Martinのブーツを
買ってくれていて
初めてブーツを履いて思った
靴下が短いと、擦れて痛い。
長い靴下が必需品になると思ったので
靴下が足りないとぼんやりと思っていた。
その日私は白のDr.Martinを
こはるの前で初めて履いた。
こはるはブーツにソッコー
「めっちゃ可愛い!」
私は母からのプレゼントだと伝えると
「え、ずるい、ずるいゆり、ずるい」
…..
….私は今日のこはるとのデート?
こはるがめちゃくちゃめんどくさかった。
夜21:30 くらい帰りの駅に到着
改札の前 ぎょっとした。
例のコスプレをしたゴシックな男がいた。
悪魔、死神のような存在の、あの男だ




