一章.3色と夜
兄は横文字ばかり
私はテキトーな世渡り
「あっ..えっと、インナーカラー。やりたいなぁと….」 ドキドキと伝える。
——
春休み 高校卒業〜大学一年にかけての
インターバル。
自分の部屋でYouTube を見ていた
K-POPアイドルを見る
筋骨隆々とした 太い二の腕と
厚い胸板ばかり凝視する
なのに頭身みんなバグってる
エロい。なんというか
私は結構すけべなのだ。
その後に並ぶ韓国女性グループ
のおすすめは
…見れなかった。前は好きだったなのに
完全敗北を感じてしまう。
都市伝説•陰謀論•スピリチュアル
はもう、履修済み。
だからあんまり見てない
というより、話し相手ができた
実は、無職になってからの兄とは凄く気が合う
部屋でゴロゴロとした後は
夕方くらいからお洒落共有部屋で兄と
ずっと喋る生活が続いていた。
その後に母が作る晩御飯を食べる。
という毎日。たまーに、こはると
遊びに出かける。春休み。
衣装部屋で兄と喋っていると
ホストの兄は
一過性の売れ方じゃないと
確信した。 めちゃめちゃ話しやすい。
最初は、無職な事にイラついてたし
髪が長いのもむかつく
ただ、二日後には貯金がある事。
兄は今も都心にマンション借りてて 実家
を別荘にしていた事を知る。
兄にこの先どうするの?って聞くと
「わかりませーん」と真顔で返すから
何かしら、考えてるのは目に見えて分かった。
兄に私は今まで話せなかった。
趣味から愚痴まで徐々に話していく。
兄は、今更それやってんの?っていう
パズドラをしながら
相槌を返す。テキトーに。
が。故か無限に話せてしまった。
私と兄8:2の会話。
そして、いつの時にか都市伝説系の話題も
出した時に兄は
「おーやっぱお前も見るんね、俺はあのチャンネルは好きだけど あいつだけは疑ってる」
陰謀論の話題の時だけは
兄と妹の喋る分配が5:5になっていた。
茶色い棚の上にはこの前拾った青い
ドライフラワーが飾られている。
高校時代から兄から借りてたクロムハーツ?
のパーカーは兄のだる着になってた。
というより元々兄の服。
私は最近、母にお洒落なパーカーを
買ってもらった。黒色の無地。
着ててめちゃめちゃ気持ちがいい。
パーカー二人で部屋にいると
兄と妹 なんだかカップルみたいだと
父は私等を少しだけ冷やかした
母は「ヤッてないわよね?」
とか言う私だけが気まずくなる。
兄は「悪魔と契りまく〜り〜」
と歌い出す。
母は「こんなやつ私は無理〜!」
母と兄が 謎の歌を歌い出す
私はついて行けなかった。
そして、今は美容室。隣には、こはる。
こはるは、
友達。オタク。腐女子。夢女子。
二人は今 受験よりも緊張してる。
「ブリーチしてピピッ!ピンクにしたいです」
とこはる。とても気まずかった。
美容師が二人。ど真ん中のタイプだった
私担当の美容室さんは
柳さん。カーキのカーゴパンツを履きこなし
くたっとした白のシャツを着ていて
ジェルでかきあげた前髪は片方だけが
自然に垂れる。シャツを捲し上げ
太い腕から血管が飛び出る。黒縁メガネ。
こはる担当の美容室さんは
蓮さん。黒いウルフカットに
うっすらと赤いメッシュが差し込む。
黒いデニムのセットアップ?っていうのかな
インナーはベージュのニット
くたっとした黒いスニーカー。
全てのアイテムが使い込んだのか
元からなのか分からないほど
自然に穴が空いていた。
少しはだけたニットから
チラッと見える
胸のタトゥー
よく見るとデザインが
アニメのモチーフだった。
なのに、腕のタトゥーは桜の和彫り
え。安いからここにしたんだけど….
男性のレベルアップがここ最近、異常に高くなっている事に焦っていた。
そう。今男の子が当たり前にかっこいい。し。
私たちは、垢抜け前の
女子大生前
彼らは垢抜けのプロ。
大人の美容師さんだった。
なんでここが安いの…
私は、はてながいっぱいだった。
めちゃめちゃ焦りを感じた。
——これはこはるの頭の中
切実に、ギャルを心に飼いたい
え、逆ナンしたいなぁいける?
終わってから声かけよ。一応大丈夫。
もう逆に私たち合法だしっ
てか落ちつかな、、えっ。
え…..蓮さんって爪….黒、かっこいい
しえー…黒い爪に宇宙人いるあっ…
柳さんの爪はトュウルトユゥル してる——-
二人は戦わずして負けていた。
もう確認しなくてもわかる。
他に女はいると。
そして、彼らは施術中あんまり
話題を提示しなかった。
二人とも目が潰れてないのに
細くなっていて口角は上がっている。
彼らは自分の圧倒的なオーラに自負がある
私は勝手にそう思う。
初めて味わう感覚
目の前の男がエロい。
美容師の二人は
私達に敬語だった
柳さんは
髪が痛むからヘアーオイルの大切さ
リンスの後にシャンプーが基本
ドライヤーの大切さを柳さんに
私は教えてもらう。 私の髪が
少しだけ、パサついてたらしい。
蓮さんは
ドキドキしてる
こはるに気を遣って
カラーの間の飲み物を
ちょっと豪華にしてくれていた。
美味しそうなアイスティー
ガムシロップを添えて
こはるのテーブルに
たべっ子どうぶつとかが
お皿に盛られてた。
ゆり
カラー➕カットが¥5,300
こはる
ブリーチ➕カラー➕カット¥9,300
見た目の変化は。なんというか
当たり前にしか変わってなくて
私達のヴィジュアルの変化の電気ショックは
彼らの色気に帳消しにされてしまっていた。
ピンクのツインテールのこはる。
なんだろう。時代的にもイメージ通り
背術後二人は顔を合わせ
「わーかわいー」
とだけ各々伝える。
柳さんが 「二人とも垢抜けたね!」
この時にはタメ口になった。
お会計を済ませたのは蓮さん。レジで
「いやぁ!ありがとうね!大学生活羨ましい!
メンズ美容室なのに怖かったでしょ!
うち安いもんね!!
気に入ったらまたおいでよ!
入れ替わりで女の子のスタッフもいるから!
指名もアプリからできるよ」
唖然とした。メンズサロンだった。
何もかもが余裕の対応だし、
ホストクラブに行くのがバカらしくなる。
なんというか、エロかった。
が、冷静に考える。
物理的に月に何回も来る場所じゃない
価格以外じゃない 何か
とてつもない「格」を感じる。
この行き場のない気持ちって…
こいつら罪深すぎる。
私とこはるは昨日マックで晩ごはんを済ませた
二人は出せる
範囲の金額で美容室に行こうと
春休みにLINEでやりとりしていた
安いし、自分でやってよくない?
と私はいったのだが
こはるはどうしてもセルフは危険だと
常々私に言った。
「すぐバレる!」と。
程よく、席が、がらつく、マクドナルド。
私はこはるに「一万以下のとこあるよと」
こはるはただ「うん..そこでいいよ」
こはるはその時はダブルチーズバーガー
に夢中だった
横文字が苦手な私は、
ボタンだけさっさと押して時間を決めた
ポテトを食べる
私は「14時にしたー」とソッコー。
ポテトにナゲットのBBQソースをたっぷとつける。
こはるは両手でハンバーガーを持って、
「ゆりって、本当こだわりないよね」
と苦笑い。こはるの一口ほんと小さい
もぐもぐしてて、うさぎみたいに食べる。
私は心の中で
(予約させといてこはるは
けっこーわがままなんよなぁ)と思ったが
「いや、まぁ。うん。ほんとに、それな
ナゲット追加する?」
「食べたい…けど太っちゃう..」
「はーい」私は15ピースのナゲットを追加で
購入を決めた。ソッコーでレジにいく。
夜マックだから安い。
帰りにこはるに
「明日本当に不安だ」
と言われた。
私は少しだけはてなマークだった。
背術後二人でサイゼリヤ。
メンズサロン「eden」の来店履歴を
辛味チキンが届くまでの時間
美容師スタッフの顔写真を
まるで、ホストクラブの在籍
一覧のように見てた。
こはるは
「あの人もかっこいい」
「この人は微妙」
と品定め。
サイゼのメニューと間違い探しにはこはるは
目もくれなかった。
そして、こはるはあろう事
かただ一人いた女性スタッフの「楓さん」
彼女の悪口を言い始めた。
「こいつは、絶対蓮くん狙ってる」
もう既に 「くん呼び」になっていた。
お待たせしました!
辛味チキン2つですねー
二つとも真ん中に置いて
二人で食べ始める。
取り皿は各々にある。
食べ出す頃の話題は
高校の頃の話。
偏差値が高い学校だったから比例して
苦手な人が少なかった。
楽しかったねと思いで話や
今だから言える愚痴。
それから続くのは
卒業式の後の
「お好み焼きの日」
の話になった。
二人はここ最近敗北感ばかり味わっている
LINEでもこの話は少ししていた。
私がぼやく
「私さ、小学生の時は、自信あったけど
卒業式の後のお好み焼き屋で、もう何もかも
自信を失った。」
こはるは
「ゆりも、そうなら少し安心した。
私もあそこ行き場なかったなぁ…いやさ 私たちの左のテーブル 完全敗北感じたよね。
この春休みなんだろうアレから焦ってさ。
また太っちゃった。お腹やばい」
高校3年間。女子に囲まれていたから、男の子
っていう存在に疎くなっていた。
みんなが集まって30分くらいは
凄く楽しかった。
私はお好み焼きを「えーい!」
ってひっくり返して、
「崩れとるがな!」
と 笑いながらツッコむ黒髪のこはる。
6人全員が笑う。
その頃くらいから集いだす。
同じ目的の他校の「共学」
6人グループが私たちから見て左のテーブルに
徐々に集まる
3:3 美男美女
ってレベルの水準を
おおよそ
クリアしてるんだけど。
なんというか圧倒的幸福感と
あの軍団の「身なり」
「尖ってない」「爽やか」「自然体」
な男の子 お兄ちゃんと全然違う系統
「ナチュラルメイク」 「綺麗に肌を見せる」
女の子 お兄ちゃんが好きそうな女の子
しばらく男の子と関わっていない私達女子。
私達は品性のない会話だった
「あの先生はズラだった」から
「商業BL特有の台詞大喜利」
それから、エスカレートして
Twitterで可愛いアイドルの女の子に
毎日メルヘンなリプライを飛ばしてる
おじさんの投稿を見て私たちは爆笑していた。
共学グループを気にしてたのは多分
私とこはるだけ
残りの4人はソフトドリンクの
ジンジャーエールで酔っ払った。
そして、女の子4人はその日だけは
【中2の頃のお兄ちゃん】みたいになってた。
「え、この歳で処女ってやばいよね」
こはるがぼそっと切り出す。
ここからがこの日の終わりの始まりだった。
私だけしれっと石田くんと事を済ませてた。
この日初めて、私は告げると
そこからは
私への質問責めだった。
「どうだった?」「痛いのか」
「彼氏のブツはどうだった」
本当になんて返せばいいか、分からなかった
こはるは、私が卒業してたのがショックだった
みたいでちょっと黙っていた。
男女グループは
もう既にこういう会社で働きたいだとか
バイトどうする?とかバイト代で
MacBook絶対買う!Windowsがいいかな?
【絶対みんなで夏フェス行こう】
彼女、彼氏持ちは「惚気話し」
独り身は「もうええて!」
とツッコむが
そこの話題は尾を引かない。
絶対安泰な、美男美女達は
この先の将来の不安を赤裸々に語る。
ピュアなのにモテてきてる
うまくいってるであろう、あの群れが
本当に怖かったそして
レクイエムを奏でたのは
1番美人のこの女だった。
「大丈夫!大丈夫!なんとかなるよ!
てか最悪生活保護 あるし!」
残りのメンバーは
【本当にあなた生徒会長?!】
って総ツッコミ。
全てが負けていた。コレが….モテ。
小学生の頃の私とのモテとは格が違う。
石田くんとの夜の話を濁しながら
徹夜なのにか、徹夜だからか
地獄耳の精度のキレは増す一方。
言葉のキレは悪くなる。
身体がキツくて、眠くて限界だと
思ってきた頃
話題は二次会。勿論カラオケ。
みんなオールする前提で話が進む。
初めての経験だった。歌いながら
気絶したらしい。カラオケで私は起きた
意外と元気。電車と徒歩で帰り
次の日の12時実家に帰宅。
夕方ごろかな?また爆睡。
起きたのは
朝の8時。携帯を見る。
こはるからLINEが来てた。
「ゆり、ウラギリモノ( ; ; )
今度服選んで」
一緒の大学になるから
こはると私は高校の頃以上に仲良くなった
サイゼで垢抜けメイク動画を
見ながら辛味チキンを食べる二人。
春休みはメイク道具をたくさん買った。
サイゼを出た後
こはるはお小遣いで服を買う。
なんだろう、「服選んで」
とかいいながら
こはるは、全部自分のセンスで
服を選んだ。
地雷系?っていうのかな
街で1番大きな商業施設の中にある
お店、こはるが憧れていたショップらしい。
私は、目がチカチカするなぁ…
なんて思ってた。
意外と店員さんの接客は
あっさりしてた。というか
割とすぐにこはるから店員さんに
「あの….!これ私が着てもおかしくないですか?」
そこからは私は、おいてけぼりになっていて
「ゆり?!どう」とこはる
私は「いいと思う」としか言えないから
しきりにこはるは
「え!おかしくないですよね?!」
と店員さんに伝える。
店員さんは
「バッチリですよ! 私もそれ持ってる!
意外とそういうのダメージの
デニムとも合わせられるし 系統の
幅広がりますよ!」
こはるは女の子のスタッフなのに
店員さんにメロメロになっていた。
こはるはその日 モフモフ白い
パーカーと黒のミニスカートを買った。
こはるは
「一人で絶対行けなかった!ありがと」
もう既に買った服に着替えてるから
コンカフェ嬢みたいなこはるに
生まれ変わってた。
私はついでにUNIQLOで
靴下を買った。
入学祝いに母は
白いDr.Martinのブーツを
買ってくれた。初めてブーツを履いて思った
靴下が短いと、擦れて痛い。
長い靴下が必需品になると思ったので
靴下が足りないとぼんやりと思っていた。
その日私は白のDr.Martinを
こはるの前で初めて履いた。
こはるはブーツにそっこー「めっちゃ可愛い!」
母からのプレゼントだと伝えると
「え、ずるい、ずるいゆり、ずるい」
私は今日のこはるとのデート?
こはるが
めちゃくちゃめんどくさかった。
夜21:30 くらい帰りの駅に到着
改札の前 ぎょっとした。
例の コスプレをしたゴシックな男がいた。
私は目を逸らすもう頭の中で
未来が見えていた。
こはるが一方的に私に話しかける
「え、やば!かっこよすぎる」が来る
ちょっと腹を括る。
あーめんどくさっ
….えっこない
………こはるは私に一向に話しかけてこない
私は「あの人やばくない?」
と、こはるに告げる。
「ん、どの人ってあー時間やー!後3分で来る
さみしっ。後3日で学校だね! ばいばい」
こはるは手を振る。
改札を潜り、
うしろ姿が小さくなるこはる
「あ、っまた」とだけしか言えない私
ここからの出来事は本当に怖かった。
改札を潜る。きっぷをとる。いる。
ずっと後ろに。ついてくる。
死神がずっといる。ついてくる。
彼がボロボロの革手袋をはめた手で
三番線乗り場。電車を待ってる時に肩を叩く。
そして「朝なのか?」耳元で私に囁く。
私は振り返らない。怖いから。
心臓がどくどくと早くなる
….脇汗が本当に止まらない。
電車が来た。
最悪だ。
席ががらりと空いていた。
ハジに座ると隣に座る。
少し間を空けて。
23分くらい電車に乗る。
帰りの駅の改札を潜る。
まだついてくる。帰路の途中
よく行くファミリーマートが見えた。
死神は痺れを切らた。私の前に
来て、道を塞いだ。死神ホストは
すぅっ…と一息。
大きな声で私の前で叫んだ。
「なぜ!私を避ける!私はアサを待っていた!
この錆きった世界、ゼンはほうけている
まもなく崩壊も来るというのに
私は、なぜいつも傍観しかできないのだ!」
ホストという見解はなくなった。
彼は統合失調症っていうのかな?
そう思った。
私は、この時冷静になりたかった
怒りを買わない。
優しくする。できるだけ。
穏便になるよう。
細心の注意を払った。
なるだけに穏やかな声で。
口をあける
——
「もう、夜。えっと大丈夫?
みんな心配しちゃうからね、
少しね。落ち着こう」
——
ちゃんと昨日眠って出たアンサー。
見るからに年上なのに
タメ口になっていたのが
冷静な証だった。
この場合は穏やかさが強調される。
怖くない、怖くない
見た目だけやばい人。
優しい人ほどよく病むから。
と、私は心で唱える。
死神のような男は、じっと私を見ていた。
「そうだな」とだけ。言い放つ
この時の声は大きくはなかった。
その後、私は目を疑った。
バサッ…..!!! 翼を広げたのだ。
飾りだと思ってる翼が稼働した。
ブゥウアワア…!バサッ…バサッァ…バサ…バサ..
死神は飛んで いった
夜空の上で段々と小さくなっていった
ふわりふわり
一本の黒い羽が私の隣に
落ちていく私はそれを目で追いかける
地面に触れた途端、羽は青い粉塵へと変わり
青い砂は風に吹かれて
消えてなくなった。
私は帰りの駅のセブンで買った
お菓子を落としてしまった。
5分は硬直してその場から
動けなかった。上着のポケットに手を突っ込む
スマホからLINEを開いた。
LINEで兄に電話をかけた。
前は兄のLINEの名前はクロルだったけど
今は「岩永」とだけ
アイコンが初期設定の マークになっている
私にとっては目立つユーザーマークだから
検索から、すぐに電話をかけることができた。
兄はすぐに出た
「うぃ、どした」
「あ。あの迎えに来てください」
「どこ?てかおれら車ないじゃん」
「あっそうだねうん。歩いて帰る」
ピロン。
兄から切られた。
「逆に」だったのかな
「だから」だったのかな
私は全力を出した。
走った。
全速力だった。
ブーツで走るのは痛かった。
玄関を開けた。
「ただいま…はぁっはあっ…」
落ち着け、落ち着け、
Dr.Martinを脱いだ後
ちゃんと玄関で靴を揃えて
台所へ
唐揚げを食べていた兄
母の肩を揉む父
家族三人ははびっくりした。
「え、早くない?」とお母さんがいう
2分くらいでついてた。
兄が本当にキョトンとしていた。
その後にお父さんが
「なんかあったの?」
兄はスピーカーで電話してたみたい。
家族みんな迎えを頼んでたのが知られ渡っていた。
私のは説明は基本的に
簡潔に伝えるようにしてたのだが
私はパニックになって早口だった。
こはると美容室で柳さん、蓮さん達に
髪を切ってもらったことから
こはると服を買った事
翼の生えたが現れたことまで
1から10まで全てを説明した。
3分ほどで全てを伝えると
母が切り出す。
母が「あんたも色ボケすることあるのね!」
父は「大丈夫だよ、お水。今日はあんまり携帯みずに
早めに寝なさい」
兄は 唐揚げにレモンをかけていた。
兄は淡々と唐揚げに向かってこう言う。
「おめぇもそういうヴィジュになっちまったか
おめぇだけはよぉ インナーカラーの
ウルフカットとかお兄ちゃんして欲しく
なかったな..33..22..11 マヨネーズ」
兄は唐揚げにマヨネーズをかけて食べた。
私は直感が働く。冷静になった。
【兄は何かが分かる】
明らかに状況と違う回答を出すのは
ADHDのあるあるだけど、
今回はそうじゃない
母が「翔太って本当空気読めないよね」
兄は「マージでもうそれ夜で何っかいも
言われたからあなた達は言わないで!」
私は、「ごめん。唐揚げ食べたい」と
唐揚げとご飯を一緒に食べるのが基本だけど。
私は唐揚げだけ6個食べた。
「ご馳走様」 そういってお皿を洗って
自分の部屋に入った。
ベットに座りただ唖然とする。
そこからGoogleで「悪魔」とか
「幻覚」「統合失調症初期症状」
色々検索をかけたけど1番マジマジと見たのは
精神疾患について書かれたページだった。
30分くらいしてからかな?
LINEが届く、初期アイコンの岩永の
「お前もルシファー見たのウケるw」
と言う文面がこころの医療センターの
文字を遮る。
私は衣装部屋に向かった。
兄から「来て」なんて
一言も書かれてないのに
黒髪のロン毛になったお兄ちゃんは
クロムハーツのパーカーを着て
男梅サワーを飲みながら
衣装部屋で
ボカロをちーちゃくかけてた。
父と母はもう部屋だ。
私が部屋に入る。
「え!お兄ちゃん、えっえっ…」
兄は私の分のコップと
リンゴジュースを既に準備してた。
「いやぁビビるよな!んっ、
あれ拾ったのお前だろ」
花瓶にいけられた青い花を指差す
「え?」
「8万で買ったパーカーの中に
あれ、はいっとったんよね、
花は家にあったいれもんにぶっさしといた
母ちゃんは ゲー…ウケるって
スピーカーの上置いてたら
場所だけかえられたわ」
アクセサリーコーナーの茶色い棚の上
さりげなく置かれていた。
「まま!硬揚げポテチでも食おうぜ」
ぱんとあけて 「あ、、やべ落ちた」
拾ったポテトチップスを兄はそのまま食べた
そしてかけてたボカロを止めた。
私が買ったお菓子なのにと
一瞬思ったけどやめた。
兄の翔太は問う。
「あれ、なんだと思う?」と
私は返す。
「え、キリストの悪魔。陰謀論ガチかも」
兄は爆笑。笑いながら早口で喋る。
「いやぁ、ほんまにな。666!
って感じました。俺も
俺ちょーど俺の部屋で
パズドラしてたのよ!
パーカーん中無意識に触ってさ
なんか、ビカッ!!って光って
あの青い花入っててさ。その後
カーテン空けたんよ
俺もうホスト嫌になってた辞めた訳
ぶっちゃけな。
先輩に変なもん吸わされた
事。一回だけある。
だからあの光はそん時の後遺症か
なぁとかぶつぶつ考えて外見たんだ」
そしてまた告げる。
「俺最近昼夜逆転ひどいからさ
あーもうひるだーよるはいやー
って言ったんだよ」
私と同じだ。あの時ファミマでおでんを
買ったあの日と。
ちょっとずつ
状況が噛み合ってくる。
「その後、ソシャゲに出てきそうな
ルシファーみたいなやつが
窓の向こうで飛んでてさ
ふぁあ!?!って声出たよね
しかもあいつリックのパンツ
めちゃめちゃなダメージ入れて履いてて
上は、ドメっぽいジャケット着てるの
まぁ服はいいや。かっけぇって思って
見つめ合ってたら どっか消えていった」
そこから話は続く。
「呪われたのかなぁ俺、マンションに
服取りに戻ってきた時
あいついたんよ、マンションの前に。
睨みつけて
朝には手を出すなっていってきた。
マジで怖かった。そっから
どっかいった。」
全て作り話じゃない事が私には伝わった
「あーあっ。本当嫌だ。
夜のお仕事なんてもう2度としません。
3B +1H やで
バーテン、美容師、ベーシストとホスト
ゆり。柳と、蓮と、俺はやめとけ
死神がくるぞ」
謎は解明できなかったけど一人味方ができた。
それだけで凄く安心ができた。
私が青い花を拾った日の事を伝えた
その時の兄の相槌は人生で1番丁寧だった。
全てを聞き終えて兄は
「いやーーー あのコンビニもういくのやめよ
後、お前もう川は飲むな!」
兄は本当に聞き上手になっていた。
その日兄は
眠れない日こういう系
聴くのいいよって教えてくれた
インストゥルメンタルの話
彼は今は チルハウスと
ボカロとテクノが好きらしい。
好きなバンドも系統が変わっていた。
兄とする音楽の話は最近はとても楽しい。
大学でこういうファッションの男には
気をつけろとか
大1の時に大3に惹かれるのはあるある
年下狙う男は気をつけろとか
そして
「ゆり、高望みするな男は イモくて
服が派手な男を狙え。ちょろいから」
ピンとこないけど信憑性がある。
「寝るか」と兄。
時計の針は3を指していた。
明後日から私の大学生活が始まる
何もかも腑に落ちた私は
YouTubeで チルハウスと検索
をかけて眠っていた。
とても音が綺麗だった。
起きる朝11時スマホを見ると
自動再生だったのかな
都市伝説系の動画の画面に切り替わっていた。




