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Jardin miniature 神々の箱庭で、少女たちは軌跡を紡ぐ  作者: kitty
第1章 聖エリュシア学園入学編
1/89

Prolog 悪夢

昔書いていた小説を直しながら投稿しています。

暖かい目で読んでいただけると嬉しいです。

深淵。

気が付くと、少女は一寸先も見えない闇の中に立っていた。

身体は鉛のように重く、指先ひとつ動かせない。

心臓は握り潰されるように締め付けられ、息は浅く途切れ途切れだった。


突然——闇の奥から“手”が伸びた。


少女の髪を乱暴に掴み、容赦なく引き上げる。


痛いはずなのに、恐怖とも悲しみともつかないぐしゃぐしゃの感情が押し寄せ、

痛覚すらまともに働かない。


少女はただ、懺悔を繰り返した。


ごめんなさい


ごめんなさい


ごめんなさい


バシンッ


・・・・・・バシンッ


・・・・・・


少女の懺悔をかき消すように、暗闇に鈍い音が鳴り響き続ける。


頬を。頭を。身体を。

何度も、何度も。


どれほどの時間が経ったのか。

気付けば少女の身体は床に投げ出されていた。


───!!!!


女の怒鳴り声に続き、複数の声が交錯する。

揉めているのだと理解した頃には、暴力は止んでいた。


少女は床から女を見上げた。


ツー…


女の頬を、一筋の涙が伝い落ちた。

その涙が胸を締め付ける。理由は分からない。


女と目が合う。


「あなたなんて」


朦朧としているはずなのに、その声だけは異様なほどはっきりと耳に届いた。


「生まれて来なければ良かったのに」


呪いのような言葉が落ちた瞬間、

少女は——夢の底から一気に引き戻された。


⚜️⚜️⚜️


「——さま……」


睦言と共に、少女は目を覚ました。

胸が締め付けられて、息が思うように吸えない。

涙が止めどなく溢れ、頬を濡らした。


大きく深呼吸をし、無理にでも心を落ち着かせようとする。


(また、夢を見ていたのね)


ゆっくりと上体を起こし布団から抜け出す。

カーテンを開けると、窓の向こうはまだ青みを帯びた暗さを残していた。


(まだこんな時間…)


窓枠に腰をかけ、夜明け前の空をぼんやりと見つめる。

胸の奥の苦しさが消えず、眠りに戻るなど到底できそうもない。


少女は震える声を紛らわせるように、

小さな声で歌を口ずさむ。


いきものはみんな

かけがえのない大切な宝物

全く同じなどない

たった一つのいきもの

あなたに大切な者はいますか?

そばにいると温かくて

そばにいないと途端に寂しくなる

そんな存在

いきものはみんな

誰かと触れ合って

自分の心に触れてはじめて

他とは違う自分という存在を

知ることが出来るのです

いきものはみんな

独りでなんか生きていられない

いきものはみんな

ずっとずっと誰かを求めてる───・・・・・・

・・・・・・だからわたしは祈り、歌う

この世に生まれる子らのために

終わりが来るまでずっと

ただただ愛し続けてる


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