それぞれの道
大量のクッキーやケーキを用意し、ご満悦のレイ。
「さ〜て、、現実逃避はこの辺にしようかな、、」
魔石が震えた。
「行くかぁ、、」
綺麗にラップを掛け直し、
冷蔵庫へ搬入。
何故か転移ではなく、
わざわざ階段から登った。
何億年と生きたカンが言っている。
(行きたくねぇなぁ、、、)と。
重い足取りで部屋の扉をゆっくり開けた。
扉を開けると、気まずそうに目を逸らすリアとニーナ、
そしてソレを寂しそうに見つめるアイリス。
全脳内略裁判による判決は。
〝おちゃらけてどうにかなるものでは無い〟だった。
扉を閉じる。
一番狭い客間で、俺の部屋の2倍以上の広さがあるその部屋で、
四人が見つめ合っていた。
妙な間がある
こういう時、気の利いた一言でも出せれば良いのだが、残念ながらレイにその器は無い。
やがて、リア達が気まずそうに言った。
ずっと伝書鳩を飛ばし合っていた男性がいた事。
一月前、アイリスと俺が結婚したタイミングで付き合い始めたこと。
ソレを明日の誕生日パーティーで打ち明ける予定だったこと。
そして。
「それでな、近々、、そっちに引っ越そうか、相談しようと思って、、」
胃にトンネルが開通しそうなレベルの胃潰瘍になりそうなのを堪え。
「それまた、、急だな?」
動揺を理性で抑え、気取ったように答えた。
リアとニーナは、少し困ったように、〝プッ〟と笑うと
「無理してるでしょ。声が上ずってる。」
「む、、?そうか、、」
う〜む、1年の付き合いは伊達では無かったか。
アイリスはクスクス笑うと、
「意外だったなぁ、私、最初リアとニーナにレイ取られないかなって心配してたのに、、」
「え?」
レイの口から素っ頓狂な声が出た。
二人は顔を合わせ、少し笑うと
「無い無い、レイは〝好みじゃないから〟」
ちーーーーーーーーーーん
哀れ、対物ライフル級の流れ弾を食らったレイは地に伏した。
「こ、好みじゃ、、ない、、、」
か細い声を上げ瀕死の重傷を負ったレイ。
リアとニーナは慌てて訂正する
「いや、別にレイは結構かっこいいよ?かっこいいんだけど、、」
二人は少し気恥ずかしそうに
ニーナは言う
「私はねぇ、、その、子供の頃から片思いの幼馴染がいてぇ、、ソレでぇ、、」
リアは言う
「私は、、どちらかと言うと弟系の男性が好みでな、、?
レイみたいな〝頼もしいお兄さん系〟は違うっていうか、、」
頼もしい、、お兄さん。
「フッ、、、まぁな。」
復活。アホ毛が揺れてる。
アイリスはクスクス鈴のような声で笑うと
「レイ、喜んでる。髪にでてるよ?」
「なぬ!?そんな訳なかろう!?」
耳が若干赤い
ニーナがいたずらっぽく
「ほ〜ら図星だぁ〜♪」
と笑った。
「、、、、」
悲報。レイ、二度も地に伏した。
立ち直らせるのには、数分を要した。




