検査
【平行世界異常分岐点】
予定されている本編から大幅に分かれてしまった平行世界のことで、
中々珍しい現象である。
「今から世界データを送信する、
例の検査、頼んだぞ。」
「了解した。」
例の検査、つまり
【世界収束性検査】
世界線の収束確率を求める検査のことだ。
これは段階別で評価される。
0~5% 安全圏
6~20% 比較的安全圏
21~40% 要観察圏
41~60% 要注意圏
61~80% 危険域
81~100% 収束域
私達は規定に基づき、
危険域の場合、どうにか世界間を遠ざけれるよう
収束の危険性がある各世界線で調整して
遠ざけることになる。
もし、収束域の場合、私達は、
「検査結果、出たよ。」
「、、、どうだった?」
せめて、要観察圏か要注意圏であれば。
「、、、」
「87%だ。」
87% 収束域、なのか。
「87%は収束域、平行世界異常分岐点の収束域判定。
これが意味する事は、分かるよね。」
「分かってるよ。」
「平行世界異常分岐点の収束域判定は
平行世界間調律規定に基づき、
平行世界の調律、つまり殲滅する。」
なぜここまでして平行世界異常分岐点と本編との
収束を防ぐか、
平行世界異常分岐点と本編が収束した場合、
予測不能点と呼ばれる世界になる。
予測不能点は文字通り何が起こるか分からない。
何も起こらない事が多いが稀に宇宙を滅ぼしかねない
危険な生物が発生する危険性があるのだ。
過去、この予測不能点から生まれた怪物により、
先代調律者は壊滅寸前に追い込まれた。
その際先代白、赤、青が死亡。
先代黄と紫が自爆し、弱った隙に
先代黒が心核の暴走状態を引き起こし、
相討ちと言う形で終息させた。
その為、平行世界異常分岐点の本編との収束は
何としても止めなければいけないと決まり、
この検査が考案された。
つまり、拒否できない。
「誰が殲滅に当たる?」
「本来は黒、だが黒の心理的にやり切れないと判断され、赤の心核開放による超広範囲大規模核撃魔法で
殲滅することになった、決行は明日の現地時間12時
に決行、お前は11時30分に退避。以上だ。
なんというか、不幸だったな。」
「はは、同情は要らんさ、私達は永遠を生きる。
あいつ等の時間は有限、
いつか来る別れが明日ってだけだ。」
「そうか、これで通信は終わりだ、じゃあ、
また明日。」
「あぁ。」
白の水晶の光が無くなり不活性化する
それをホルダーにしまってベットに飛び込む。
「なんでこうなるんだよ、ごめんな、
シュン、ニア、ルナ。」