橋本真依子 2
数日後
あたしは、珍しく大型書店にいた。
もちろんSFは嫌いだけど、題名にちょっと引かれた。
最初は香里奈の言うことなんか信じていなくて、コンビニの雑誌欄を見ていた。
でも、なかったから、書店を回ってみた。
それだから、今あたしは紀伊國屋にいる。
一時間探し回っても「月刊宇宙人」っつうのはなくて、しょうがないからちょっとかっこいい店員に尋ねることにした。
「ああ、すま…じゃねえ、すいません。月刊宇宙人っつう雑誌って、ない?」
店員は顔をしかめて、「それって、インターネットだけで取り扱われているんですよ。だから、パソコンで調べてください」と言ってあたしを追い払った。
ネームプレートには【麻木海斗】って書いてあった。よし、こいつ三代まで呪ってやる。
最悪なことにあたしはパソコンを持っていない。ネットカフェに入るのはプライドに反するから、月刊宇宙人はあたしの心の中に 留めておくだけにした。
来年からは就活が始まる。SFとの腐れ縁は続くかもしんないけど、しょうがないかもしんない。
気付けば紀伊國屋に来てから二時間たっていた。
SFのためにここまでやったのは初めてだ。
電車で来たので駅へ向かった。
駅員のじじいの顔が、誰かに似ていた。
じじいがあたしを見た。そして、顎が落ちた。
あたしの顎も落ちてしまった。
橋本真依子編、終わりました。
次回作で終了です
次回⇒⇒⇒滝本信彦




