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転生最強魔王の引退物語 ~最愛の部下と田舎でのんびり暮らしたい~  作者: 茶巾丸
第9章 新魔王襲来編

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107. パルテセス復興と次の目標

俺の妹『彩香』が新魔王とライラ二人の中身だった事実を告げられ困惑していた。

自分自身もこちらの世界に転生して来たと思ったが実は生きているという。

なぜ最初に魔王と別空間で出会ったのか謎だが、今考えても仕方がない。

ライラを街に戻すにあたり、全員にやらかした事を謝罪するため打ち合わせしよう。


「さて、街に戻る前に考えないといけない事があるんだけど」


「なに?お兄ちゃん」


「いや、ライラが皆の力封印して全員怪我させたじゃないか。全員裏切られたと思ってるから言い訳考えないといけないだろ」


「んー、確かにそうね…新しい魔王の覇気を感じて体を操られて全員の力を封じられるよう命じられたってのはどう?」


「よくそんなの簡単に思いつくな、でも誤魔化すってのはなあ…」


「それはそうなんだけど、素直に話しても理解が難しいと思うよ。アビスゲート計画は公にしたくないし、お兄ちゃんが説得に加わってくれれば大丈夫よ」


「わかったよ、それで行こう」


二人で街に戻り、ライラが魔王に操られていたという事にして、全員へ謝罪しに行った。

既に魔王は消滅したので当面は大丈夫だと真摯に謝り、何とか全員の説得が終わり納得して貰う事が出来た。

最後にリブラへの説明が終わった所で彼女から突然呼び止められた。


「ライラちょっと聞いていい?」


「なに?リブラ」


「あなた実はライラじゃないでしょ、魔王の気配も感じるし一体誰なの?」


ライラはリブラからの追求で自身の正体がバレていると悟った。

誤魔化しきれないと感じた彼女は自身の正体を素直に明かす。


「やっぱり貴方は騙せないか…私はアヤカっていうの。パルテ様の義妹」


「アヤカ?義妹?どういう事?」


リブラに俺とアヤカの事情について詳しく説明した。

この世界の人間ではなく、元々居た世界で兄妹であった事やライラと魔王が合体して、一人の真の姿となった全てを伝えた。


「ライラの中身が変わったと感じたから…そう言う理由だったのね」


「それじゃあ私からも質問いい」


「なに?」


「リブラ、あなたの中身は一体誰?ただの魔族ではないでしょ、誰かの魂が憑依していると睨んだんだけど違う?」


リブラはライラから問いかけられ窓から外を見て遠くを見据えている。

何かを思い出して感慨にふけるような何時もとは違う雰囲気。

そして静かに自分自身の過去について口を開き語りだした。


「ボクは、パルテ様の前世…勇者ヘリオスの冒険者仲間だった。彼の事が大好きで戦いが終わったら結婚しようと約束して魔王との戦いに挑み、バルテオスとの戦闘で彼は相打ちとなり魂を取り込まれてしまった」


「俺の前世だって…?」


「ボクは見たんです。バルテオスにヘリオスの全てが吸い取られて消えていくのを、そこからは瀕死の重傷を負っていた私達も魔王城でソウルクリスタルに魂を封じられ、偶然にもパルテ様の召喚で呼び出された」


過去に俺が勇者ヘリオスだった?一体どうなってるんだ。

バルテオスと俺が入れ替わった時は、社会人の記憶しかなかった。

そんな疑問を浮かべていたらライラが俺に起きた事象を解き始める。


「恐らくだけど魔王バルテオスは、お兄ちゃんの魂を取り込むのが目的だった。取り込まれた時に過去の記憶が消去され、最初期のお兄ちゃんが持っていた記憶だけで魔王バルテオスとして復活した。だとしたら以前のバルテオスは計画を知る誰かって事ね…」


「ライラが言っている意味がさっぱり解らないぞ?簡単に教えてくれ」


「私達兄妹の転生が、今回が初めてではない可能性があるという事」


「なんだって!?」


「でも何となく解ったわ、リブラも過去にお兄ちゃんと一緒に冒険して愛していた、だからあんなに愛情表現をむき出しだったのね」


「ボクの事をパルテ様が忘れていて、怖くて言い出せなかった。でも話し方や仕草で間違いなくヘリオスだと核心していた。だから今度こそ二人で結ばれたいと思っていたから…」


リブラが愛情表現むき出しで俺に迫って来ていた理由を語ってくれた。

過去に自分の思いが遂げられなかったから全力で俺を奪おうとしていたのか。

そんな彼女の心情を汲んでライラはある案を持ちかける。


「わかった、それじゃあ提案だけど今まで通り二人嫁の関係はそのままで行くのでどう?私も譲る気はないから」


「貴方妹なんじゃないの!?なんで結婚出来るの」


「最初に義妹言ったでしょ、血は繋がってないから問題ないわ」


「む~、なんか納得できないけどわかったよ」


俺を取り巻くリブラとライラの関係は現状維持。

二人嫁状態は、そのまま継続にてお互い納得したようだ。

全員の素性が解ると何か複雑な気持ちになるな。


全員のわだかまりが解決してライラと街に戻りながら、これからの事を聞いてみた。


「そういえば魔界の門(アビスゲート)を開くって言ったけど鍵の守護者(ゲートキーパー)が三人必要なんだろ、あと二人の目処はついているのか?」


「あ、それなら大丈夫。私も鍵の守護者(ゲートキーパー)だから」


「え?」


「正確に言うと、私の肉体と記憶が融合して鍵の守護者(ゲートキーパー)に変化したってとこね」


「よくわからないけど…あと一人を見つければ、三人が揃うのか?」


「もう一人は、正教国家大司教フレミアだよ」


「なんだって!?魔法都市国家の女王が救ってくれと言っていた人か」


「そう、私達兄妹にとって大事な人物」


「大事な人物?一体どういう事だ?」


「ごめんなさい、それ以上は情報がないの」


「そうか、なら直ぐに助けに行かないといけないんじゃないか?」


「現在の正教国家は堕天使の巣窟になっているの、今の私達ではまだ勝てない。対抗手段を身につけてからいかないと全滅することになるよ?」


「対抗手段?なにがあるんだ?」


「以前教えたでしょ、お兄ちゃんに埋め込んだ天使因子を覚醒させるって」


「ああ、皆を幸せにすると能力が開花するとか言ってた奴か」


「この世界の人達は幸せな気持ちを感じることで、特別なマナの力が発生するの、それを集めて天使因子に注ぎ込むことで力が増して行くから上限まで貯めてね」


「そうは言ってもなあ、幸福度を上げるって難しいぞ?」


「まずは壊れたパルテセスを元に戻して、みんなが平穏に暮らせるように努めましょう。私も街を壊した責任があるし一緒に皆を手伝うからお兄ちゃんも助けてね」


「わかった、街を頑張って復興させよう」


ここ最近で色々な事が起きすぎて目まぐるしかったが、元々は平和に暮らすことが目的なんだ。

当面の問題は解決したので、ここで原初に振り返って平和に暮らすのを目標にまた街の発展を進めて後々の問題を解決していこう。

火、木、土、日の19時から21時頃で更新予定。

月曜日は必ず投稿お休みです。

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