第27話 助けておじいさん!
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やる気が出ます。
禍?
禍ってなんだろう?
〔シーガルスホルムの剣〕を抜いた時のことを、思い出してみる。
そういえば、〔黒いヤギ〕と戦った時と、町でひったくりをつかまえた時、雷が落ちた。
「あぁ! 雷のことですか?
〔身体強化〕をかけていれば、大丈夫ですよ!!
おじいさん、心配してくれてありがとう!」
ジージエおじいさんの目が点になった。
「______イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ。
〔身体強化〕はそこまで万能ではなかろう。
やはり、この子はウソをついておる。
占いでパーティーの運気が上がると出たからアイビーちゃんを押したが、悪いことをしてしもうた。
大人の事情で、若い子の素直な心を歪めてしまうとは______」
今日のおじいさんは何だか変だった。
独り言が多い。
やっぱり、勇者パーティーの占い師となると、常に何か運気の流れを受けとったりして忙しいのかな?
夕食で勇者さまに「わたし〔マクラフィッシュ〕を一突きで倒せるようになりました!」と報告した時なんかは、涙を流して「もう、えぇんじゃ。無理にワシらに合わせんでもええ」とか言ってた。
よくわからないけど、おじいさんは気を遣ってくれた。
勇者さまには「そのぐらいで自慢するな」と一喝された。
やっぱり、勇者さまはスゴイ。
わたしなら魔法を30個、同時展開できたら自慢しちゃうのに。
勇者さまは、人を救うために魔法を使うから、その力を自慢しないんだわ。
人を救うということは、誰かが大変な思いをしてるってことだもの。
悲しんだり、苦しんだりしている人のことを思うと、自慢はできないよね。
勇者さまみたいに、もっと思いやりのできる人間になりたい。
「さぁ! 片付けがんばるぞ!!」
今回もわたしだけ具のない夕食が終わり、みんなが部屋に戻ると、食器を洗うのが私の仕事。
今日は、そのあとスコップですくって荷車に乗せている【灰色ドシニア】の魔石を、ポーションの入っていた瓶に入れようと思っている。
明日、町に行ったとき換金所に持っていきたい。
「コポっ、コポポポポ……」
お皿を洗っていると、流しの排水から水がポコポコ出てきた。
(なんで逆流してるの?)
「コポン、コポン……」
溢れていた小さな水の泡が、大きくなる。
(ね、ネズミかな?)
「ゴボン、ゴブォン、ボワン、ゴバブゥアン」
(うわわわわわわわわ!
絶対、ネズミだ!! どうしよう、どうしよう!?)
実家だったら、迷わずお父ちゃんを呼ぶんだけど、ここにお父ちゃんはいない。
雑用はわたしの仕事だから、わたしが対応すべきなんだろうけど…………。
「無理! 無理だわ!!
おじいさん! おじいさん!!」
ネズミの見た目はかわいいけど「バイ菌がたくさんいるから、さわっちゃいかない」って聞いたことがある。
気をつけないと、町が亡びかけるとか。
対応を間違えるのが怖いから、占い師のおじいさんに助けを求めに行った。
幸い、おじいさんの部屋は一階。
わたしは皿洗いで濡れたままの手で、おじいさんの部屋をノックした。
「そんなに慌てて、どうしたんじゃ!?」
おじいさんは、すぐに出てきてくれた。
「ありゃりゃ、ネズミか。
普通に出てくるならまだしも、流しから出て来ようとされると、確かに怖いのぅ」
歩きながら説明して、二人で流しをのぞいた。
まだ「ゴボン、ゴブォン」いっている。
わたしは、おじいさんの陰にそっと隠れた。
「ゴババババババババババババババババっ______」
排水から、何かが勢いよく飛び出てきた。
しかも、それは一匹や二匹ではなく、続けてどんどん出てくる。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」




