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92話 シーファン1



「うひょ~!気持ちぇ~し!ここもすっげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」



ハクの背に乗って、もの凄いスピードで空を駆ける僕は、眼下に広がる景色を見て嬉しそうに叫ぶ。



僕達は、東の大国『アルフリーン』を抜け、森林が続く無法地帯を暫く進むと、一気に景色が開けた。




そこに広がるのは、果てしなく続く草原。


草原の景色が180度広がっていたのだ。


まるで緑色の絨毯の様に。




「迫力あるな!」


「これは凄いね!」


「歩いたら気持ち良さそうだな。」


「・・・・・・・綺麗。」


「凄い・・・・・・・ここまでの草原は見た事がないわ。」




親友達もこの光景に驚いている。


先の方を見ると、遥か先に街が見える。


そして海が。



「おっとぉ~!海も見えてきたぞ!あれ?・・・・・・って事は、もう違う国に着いたって事?」



空を駆けているハクが、僕の疑問に答える。


『そうだ。ここは、東南の国『シーファン』だ。』



それを聞いたエイセイが質問する。


「えっ?ここが『シーファン』?僕達は検問所で入国許可を貰わないで、勝手に国境を越えたって事かい?」



『あぁ、そうか。お前達は知らないか・・・・・・・この国は、国境は確かにあるが、検問とか、侵入を防ぐ壁や結界などは一切ない。・・・・・・そういう所だ。だが、流石に王都には防壁があるがな。とりあえずは、冒険者ギルドがある王都に行けばいいのだな?』


「あぁ!よろしく頼むよ。ハク。」




僕達は、冒険者ギルド『シーファン』支部へと向かっていた。


レミリア達魚人族がどこにいるのか。


冒険者ギルドに聞くのが一番だろう。


あと、ここのクエストも何か一つ受けないとな!


この異世界に来てから、純粋な探索はまだしていないのだ。今回は、面白そうなクエストがあるといいけど。



やはり今のニーズは、『探索』が一番視聴者を惹きつける。


チャンネル登録をもっと増やす為にも、そろそろ、そういった案件が欲しい所だ。



クリエイターとして血がたぎるぜ!!!




そんな事を考えながらニヤニヤしていると、目的地が近づいて来た。


真っ青な海に面して、半円の様にして広がる王都。


周りには高い壁がそびえたっている。



ハクは王都の入口まで来ると、僕達を降ろす。



入口を見ると、馬車をひいた行商人や真っ黒に日に焼けた人達。鎧を着ている冒険者など、様々な人達が行き交っている。


しかも、ここも見る限り兵士などはいない。


人々が自由に行き来していた。



見慣れているのか。ハクがいてもチラ見するだけで、そのまま素通りしている。



「ハク。サンキュー。」


『なに。こんな事は大した事ではない。それよりソラよ。・・・・・・・これを。』



そう言うと、一本の真っ白く美しい毛を僕に渡す。



「これは?」


『これを握って私の名を呼べば、ソラがどこにいるのかすぐに分かる。真っ先にその場へと駆けつけよう。お前には返しきれない程の恩を受けた。・・・・・・・主の時は駆けつけられなかったが、何か助力が必要な時は遠慮なく使ってくれ。今回みたいな移動だけでもいい・・・・・・・必ず駆けつける。』



真剣な顔でハクが言う。


これは流石に断れないな。



「オッケー。んじゃ、必要になったら遠慮なく呼ばせてもらうよ!」


『そうしてくれ。では・・・・・・・・・さらばだ!』



そう言うと、もの凄いスピードで空へと駆けて行った。






☆☆☆






「何だろう?・・・・・・・平和?」


「そうだな。」



隣で一緒に歩いているアカリは頷く。



この異世界に来て、それぞれの首都に行ったが、人口が集中しているからか、日本もそうだけど、どことなく忙しさが感じられる。



しかし、ここは違った。


何と言うか空気が違う。旅行で地方の田舎に来たような、ゆっくりとした時間が流れている感じだ。



「ほれ。お前さん達。美味しい果物があるよ。食べてきな。」


露店の一つにある、果物を並べているおばちゃんが笑顔で話しかけてくる。



「うぉ~!見た事ない果物ばかりだな!んじゃ、お姉さん!おすすめの果物を人数分頂戴!」


「ほほほっ。お姉さんとはうまい事言うねぇ、坊主。お前さん達は旅人か?」



聞きながら、果物を人数分手渡す。



僕は、リンゴの様な形の果物をそのままかじる。


「・・・・・・・うんまっ!なにこれ!・・・・・・・あっ、僕達は冒険者っす。ついこの間まで『アルフリーン』にいたんですけど、この国は何と言うか・・・・・・・検問も警備も何もなくて、自由っすよね!」



おばちゃんは嬉しそうに答える。


「そうかい、そうかい。冒険者でしかも初めてかい。ならこの国はおすすめだ。冒険者もいっぱいいるし、何といっても自由で平和だからねぇ。」


「平和・・・・・・・そうなんですか?」


「この『シーファン』はね。軍や兵士はいないのよ。この世界で唯一、防衛のみの国。・・・・・・・【武力】を放棄した国なんだよ。」



おばちゃんは続けた。






海人の国『シーファン』。


昔から争いを嫌い、他国と融和を求めた唯一の国。


武力を放棄する代わりに同盟国となった、東の大国『アルフリーン』と南の大国『レグナル』。


『ファイン帝国』と『魔国』から一番離れている国でもあり、争いには一番縁が遠い。



そして、何か有事の際は、同盟国の二国が守る条約となっている。


それ程までに、『シーファン』の民は平和を求め、争いを嫌った。



海人。



海に生き、海で死ぬ。



そして他者を助けよ。



それが、この国のモットーだった。






「へぇ~。何かカッコイイっすね。」


親友達も頷く。



すげ~身近に感じるのだ。


考え方とか、国民性は全然違うと思うけど、何となく日本に似ている。



「ほほほっ。そうかい、そうかい。カッコイイかい。気に入った!ほれ。もう一個サービスしようかね。これも美味しいから持っておいき。」


そう言うと、違った果物を僕達に渡す。



「えっ?いいんすか?あざっす!」



ついでに宿と冒険者ギルドの場所を聞いた僕達は、まずは宿へと向かって歩く。



「しっかし、さっきのもそうだけど・・・・・・・これうまいですよ!何と言うか、桃とイチゴの甘い所をくっつけた様な贅沢な味がします!」


カメラに向かって感想を言う。




<コメント>


■うまそう!


■いいな!


■私も食べたい!


■桃とイチゴのいいとこどりって。想像しただけで、デザート好きの私にはたまらない!


■やっぱり異世界だと、食も違いを感じるな。


■さっきのおばちゃんの話だけど、この『シーファン』って国。何か日本に似てね?


■あ~それ、俺も思った。


■同盟国に守ってもらって、防衛のみしかしないなんて日本と同じだもんな。


■確かに。




果物の事や、この国の事。色んなコメントが流れていた。




宿屋で部屋をおさえて、さっさと着替えた僕は、親友達を外で待っている。



玄関を映しながら、カメラに向かって話す。


「・・・・・・・さて。ここは東南の国だけあって、結構暑いです。今日の用事はギルドへ行く位なので、私服に着替えてきました!まだこの国の服は見ていないので、日本から転送してもらった服ですけどね・・・・・・・おっ、来ましたよ!」




クウガが玄関から現れる。


ムキムキの体に白のタンクトップ。ボトムは黒のショートパンツで、サンダルを履いている。



何と言うか・・・・・・・すげぇ。




<コメント>


■すごい筋肉!!!


■やっぱり凄い体!!!


■あの体じゃ、どんな武器も効かないのは頷けるわw


■何か、あまりにもカジュアルすぎて違和感を感じるw


■ザ!超人!!!




続いてエイセイが現れた。


銀のネックレスをし、センスのある柄の入った白のTシャツ。そしてジーンズにスニーカー。



何と言うか・・・・・・・カッケェ。




<コメント>


■エイセイィィィィィィィィィィィィィィィ!!!


■私のエイセイィィィィィィィィィィィィィィィ!!!


■私に待った?って言って!待った?って言ってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!


■ちきしょう。やっぱりカッコいいな。


■ザ!ハンサム!!!




そして今度は女性陣のアカリが。


黒のノースリーブシャツに白のロングスカート。そして黒のサンダルを履いている。長く黒い髪が潮風にゆれる。



何と言うか・・・・・・・綺麗でちょっとだけエロい。




<コメント>


■きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■やべぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!


■アカリちゃんのスタイルやべぇ!!!


■やばっ!これはこれでやばっ!!!


■ザ!クールビューティ!!!




次にココセが現れる。


青と白のボーダーTシャツに紺のショートパンツ。僕を見ると、一瞬だけにぱっと笑った。



何と言うか・・・・・・・可愛いとしかいえねぇ。




<コメント>


■はい、可愛い!!!


■はい、鉄板!!!


■あれ?笑った?今、俺に笑ったよね!!!


■天使の笑顔!!!


■ザ!プリティ!!!




最後にスピカが。


白のタンクトップをインナーに、赤いシャツを羽織って、それに合わせるショートスカート。真っ白い太ももが見える。



何と言うか・・・・・・・やべぇ。




<コメント>


■・・・・・・・うん。


■・・・・・・・はい。


■もういう事なし!!!


■目が足にいく。・・・・・・・そして逝っちゃう。


■ザ!最高!!!




コメントが滝の様に流れている。




「おっと。・・・・・・・そういや、僕だけ映してないですよね!・・・・・・・ちょっとスピカ!カメラ持ってて!」



スピカにカメラを渡すと、僕を映す。


自慢の推しアニメキャラが前面に大きくプリントされているTシャツに、ジーンズと推しキャラが小さく柄となっているスニーカー。そして、いつものリュックサックを背負っている。



「どっすか?特にこのTシャツとスニーカー!限定物なんですよね!」




<コメント>


■はっ?


■ふざけてるの?


■お前、いい加減にしろよ。


■わざとか?わざとなんだよな?


■ファッションのファの字もないなw


■お前、ある意味すげぇよw


■それ着て、外出歩ける胆力がすげぇw


■気持ちは分かる!俺もそのアニメキャラは大好きだから、気持ちは分かるけども!!!


■僕も似た様な者だけど、流石に外では着れない!!!


■メンバーと差がありすぎるw


■流石・・・・・・・ザ!リーダー!!!




あれ?


またまたディスられてね?


何故だ?


最近よく視聴者にディスられる様な気がする。



そんな事を思いながら、タクシー代わりの馬車に乗って、冒険者ギルドへ。




冒険者ギルド『シーファン』支部。


レンガで作られた大きな建物に入ると、多くの冒険者でごった返していた。



見ると、エルフに小さい・・・・・多分ドワーフ。そして獣人、他に見た事のない種族・・・・・・・沢山の人達がいる。



うぉ~!



ドワーフいるじゃん!



他にも見た事ない種族も!



でも我慢。



突然触ったら、変態だもんね。



後、この異世界を全部周ろうと思っているから、いつかはちゃんと話が出来るだろう。


『空ちゃんねる』の為に、そういった出会いは今後にとっとかないとね!



僕達は、そのままクエストが張られている掲示板へ。



「へぇ~。結構色々なクエストがあるな!」


見ると、全部のランク対象のクエストがある。フリークエストはないが、何と最上級のSランククエストもあった。



「どうするんだい?」


隣にいるエイセイが僕に聞く。



「う~ん。とりあえず、レミリア達に会いに行く前に、何か一つ受けようかと思ったんだけど、数がありすぎてよくわからん。・・・・・・・ちょっと聞いてくるか。」




僕達は受付へと並んだ。




「いらっしゃいませ。今日はどういった御用件ですか?」


綺麗な女性が笑顔で対応してくれる。



「すみません。僕達、今日初めてこの国に来てよく分かってなくて・・・・・・・何かおすすめのクエストはありますか?」


「あら。そうなんですか?それでは、ランクとパーティ名を教えてください。」



「ランクは『B』で、パーティ名は【星空】っす。」




ザワッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!




周りで一緒に並んでいる冒険者達。



そして、目の前の受付嬢達が固まっている。



「あの?」


「・・・・・・・はっ!あっ!ああ!すみません!!【星空】様ですね!!!えっ、えっと・・・・・・・・貴方達はこの間、ランク『A』になりましたから、どんなクエストでも受けられますよ!」






「へっ?」



思わず変な声が出た。





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