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78話 ユニティ5


M2重機関銃。



『代替なき老兵』と名付けられ、第二次世界大戦で恐れられた大量殺戮兵器の原点となった機関銃。


その威力は凄まじく、戦闘車両の装甲を貫通する程だった。


射程距離2,000m。毎分約600発の化物銃。




ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!!!




轟音が響き渡る。



向かってくるモンスターの大群は、当たった瞬間、そのまま貫通して後ろのモンスターに着弾している。


通常の現代兵器の弾なら、少しのダメージも与えられないモンスターの体を、易々と貫通していく。


鉄の弾ではなく・・・・・・・【魔力の弾】が。




ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!!!




僕は、蹂躙されているモンスターからエイセイへとカメラを移す。


轟音と銃口から煙と火花が散っている。




エイセイは・・・・・・・笑っていた。




暫くして、銃声の音が鳴り止み、先頭車両の天井から辺りを見渡す。



そこにあったのは、死体、死体、死体。



何百、何千体ものモンスターの死体が横たわっていた。


そして徐々に黒い灰となって消えていく。


ドロップアイテムだけを残して。



僕はその様子を撮影しながら、横で立ちあがったエイセイをアップで向ける。


エイセイは、眼下に広がる黒い灰を眺めながら僕の方を見ると笑顔で言う。



「yes・・・・・・・end。」(はい終わり。)




<コメント>


■はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ???


■うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!


■すげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!


■オイオイオイオイオイ!!!


■何しちゃってくれてんだよ!!!


■またいきなりぶっ放しやがったwww


■モンスターや魔物に対して、マジで遠慮がねぇなwww


■何だよ。重機関銃ってw


■モンスターがこっちに来る前にバタバタ倒れてったぞw


■しかもエイセイ笑いながら撃ってたしw


■こえぇよw


■イエス!エンドって言った!


■エイセイかっこいい!!!


■エイセイィィィィィ!素敵ィィィィィィィィィィィィィィィ!!!


■流石戦闘狂www




ハハハ。コメントがすげぇな。


ここまで圧倒すればそうなるか。



魔導列車から大勢の制服を着た人達が降りて、辺りの安全を確認する。


その間に僕は、出来る限りのドロップアイテムを回収し、魔導列車の方へと戻ると、制服を着た人達が僕とエイセイを出迎える。



「この度は私達や乗客を救って頂き、誠にありがとうございました。後程、国へはこの事故の事を報告して、相応の報酬を差し上げます。貴方達は・・・・・・・。」


「僕達ですか?僕達は冒険者パーティ【星空】です。よろしくです。」


「!!!・・・・・・・そうですか。貴方達が。」



そう言うと、僕に話しかけた制服を着た男性は、振り返って魔導列車の車窓から様子を見ている乗客に向かって叫ぶ。


「皆さま!魔物の大群は、この方達のおかげで全て一掃されました!冒険者パーティ・・・・・・・【星空】に拍手を!!!」



ワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!



歓声と拍手が鳴り響く。



エイセイは笑顔で軽く手を上げながら、魔導列車へと戻って行く。



僕はその後ろに付いて行き、頭を搔きながら呟いた。


「・・・・・・・流石に、いたたまれない。」




<コメント>


■www


■www


■www


■だなw


■何もやってないもんなw


■カメラまわしてただけだしw


■流石に気にしたかw


■ソラ!めずらしいな!気にするなんて!w


■鋼のメンタルなんだから気にすんなw


■ソラは俺達にこの世界を伝えてくれるだけで十分だよw


■よっ。一般人www




まったく。



視聴者は僕を何だと思っているのか。



「こう見えて、結構デリケートなんだけどなぁ。」


「ハハハ。そうだね。・・・・・・・さっ。ソラ。行こうぜ。」



僕が不満をこぼしていると、エイセイが隣で僕の肩に腕をまわして、片手で乗客に答えながら列車の中へと入っていった。



クソッ!



さすが有名人。



カッコイイし、芸能人オーラが半端ない。



めっちゃ場慣れしている。



羨ましくなんかないからな!



ちくしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!



僕は心の中で叫んだ。






☆☆☆






「う~ん!・・・・・・・ここが『ユニティ』最東か!」


魔導列車から降りた僕は、大きく両手を広げて伸びをしながら言う。



ここは『ユニティ』最東の街。


何回か止まる停車駅で観光しながら、数日かけてここまで来た。


電車の旅。


日本じゃ、通学やショッピングに行く時位しか電車は利用しなかったが・・・・・初めての風景。初めての土地。この異世界を数日かけて乗る電車の旅は、全てが新鮮で、悪くないと思った。


いきなりモンスターの群れに遭遇したが、それからの電車の旅はとても順調だった。




「ソラどう?途中の駅で良さそうなのがあったから買って、着替えてみたわ。」


「うん?」



見ると、インナーは白のTシャツを着て、アウターは足首まである黒のワンピースを着ている。


赤い綺麗な髪と白い肌にとても良く合っている。



「とても良く似合っているよ。スピカ。」


「フッ、フンッ!・・・・・・・とっ当然よ!」



髪に負けず、顔が真っ赤になるスピカ。




「私はどうだ?」


スピカの前に突然立つアカリ。



爽やかなブルーのシャツを着て、ボトムは白のパンツ。


長く腰まである綺麗な漆黒の髪と夏の色合いがとてもよく似合っている。



「うん。アカリも綺麗だ。」


「そっ!そうか!・・・・・・・ぐほっ。」




「・・・・・・・私は?」


横からアカリに体当たりして、フッとばしながら僕の前に立つココセ。



薄緑色の七分丈のシャツを着て、いつものトレードマークのショートパンツを履いている。


輝く銀の髪と青い瞳が相まって、とても可愛らしい。



「ココセも可愛いよ。」


「・・・・・・・やった。」




<コメント>


■ぴょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!


■きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■かわぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!


■久々!久々の女性陣の私服姿きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■スピカちゃん!改めて惚れました!!!


■アカリちゃん!ずっとついて行きます!!!


■ココセちゃん!めっちゃ可愛い!デートお願いします!!!


■異世界でも結構こっちの世界と近い服あるんだなw


■でたぁぁぁぁぁぁ!!!ツンデレスピカちゃん!!!


■久々にご馳走様です!!!


■あぁ。満たされる!!!


■ソラさん!今度はエイセイとクウガもよろしくね!!!




今回は狙ってやったわけではないが、とても好評だ。


偶然の産物。


ウケて嬉しいんだが、何だろう、この悔しさは。


クリエイターとして、このアイディアが思いつかなかった事に暫く凹んだ僕だった。






☆☆☆






「・・・・・・・チッ。もうここまで来たか。」



『ユニティ』最東の街にある終点駅から出てくる冒険者パーティ【星空】を、少し離れた高い木の上でその様子を観察している男が呟く。


その男の耳は尖っていて、ぱっと見、エルフと一緒だが、見た目はまったく違う。



そう。肌が黒いのだ。



同じ様に木の上に複数人の男女が、その男の周りに集まる。



「どうしますか?隊長。」


「・・・・・・・パーティの中に、『ファイン帝国』に捕まっていたあの女がいる。おそらく、王都『アルフ』に送り届けるのだろう。なら、ここから検問を通って空から行ったとしても二日はかかる。シエナ様に伝えろ、あの女が戻るのは早くて二日だと。・・・・・我々はその間に持ち場に戻って、最終調整をしながら合図を待つぞ。」


「「「 ハハッ。 」」」



そう言うと、隊長と呼ばれた男と複数人の男女は、空を駆ける様に消えていった。






☆☆☆






「カンペ~♪」


「「「「「「 カンペ~♪♪♪ 」」」」」」



「・・・・・・・プハァ~♪ うめぇ~!」


「ああ!生き返るな!」


「ビールも美味しいけど、この異世界のエールも違った苦みがあって美味いよな。」


「電車の旅が長かったから、落ち着くわね。」


「・・・・・美味しい。」


「ほらテルミ!何エール飲もうとしているの!まだ子供なんだからダメよ!」



最東の街に着いた僕達は、日が沈み始めていたので、ここで一泊する事にした。


この街は、テルミがよく知っているみたいだから、テルミおすすめの料理屋へ行ってゆっくりしている。



「ソラ。とりあえずこの国の最東まで来たけど、明日からどうするんだい?」


エールを飲みながらエイセイが僕に聞く。



「そうだなぁ。・・・・・テルミ。君の故郷はもうすぐなんだよね?」


エールを飲もうとしてスピカに怒られたテルミは、僕の方を見ると嬉しそうに答える。



「はい!ソラ様!ここは『ユニティ』国の最東です。ここから国境が近いので、そこを抜ければ私の故郷。エルフの国・・・・・・・『アルフリーン』です!」


「・・・・・・・もうすぐテルミの故郷だ。まずはテルミを送り届けるのが、僕達の最初の目的だったからね。」



そう言うと僕はエール片手に立ち上がる。


それに合わせて皆もエール片手に立ち上がる。



・・・・・・・あとエルフの国。・・・・・・・フフフフフ・・・・・・・エルフの国だ。・・・・・・・初。・・・・・・・初のエルフの国の撮影。・・・・・・・これは絶対に・・・・・・・100パーセント視聴者にウケる!!!



「よし皆!とうとうテルミを連れてここまで来たぞ!あ~し~た~は~・・・・・・・『アルフリーン』国へ、レッツらゴーだ!!!!!」


「「「「「 オ~!!! 」」」」」



全員でエールの入ったジョッキを勢いよくぶつける。






どさくさに紛れて、テルミがまたエールを飲もうとして、スピカに怒られていた。





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