表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/133

54話 深層攻略7日目


7日目の朝。



「う~ん!」


テントから出た僕は、朝日に向かって大きく伸びをした。



山から見る朝日はとても綺麗だ。



すぐにカメラに手を取ると、スタンバイ状態をオンにする。


そしてカメラを朝日に向ける。



オレンジ色に光りながら、眼下には『妖精の森』が広がっていて、とても神々しく、そして美しかった。



僕は大声で叫ぶ。


「おはよ~ございまっする!!!ソラです!見てください!すげぇ綺麗じゃないですか?・・・・・あっ、あと今日はおそらく【深層】の支配者との戦闘になりますからお楽しみに!」




<コメント>


■おっ!きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■きたきたきたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■いきなり叫んだな!ビックリするわ!!!


■おはよ!ソラ!


■おはようございます!ソラさん!


■一時間前から起きてるぞ!


■私は二時間前よ!


■何だよ、まっするってw


■いきなりハズしにくるなw


■おぉぉ。すげぇ綺麗だな!


■俺、その場にいたら涙出てきそう。


■森が広がっていて、とても綺麗ですね!


■ついに来たか!ボス戦だな!!!


■どんなモンスターだろうな!


■今日も見逃せないな!


■一週間ずっと引きこもっている俺w


■私もw


■僕もw




僕の魂の叫びに、親友達も起きてゾロゾロとテントから出てくる。


朝は、【星空クッキング】の担当がそのまま作るのが決まりだ。



昨日の夜に、スピカやココセに聞いたのだろうか、アカリは無難にホットサンドを作った。



僕達は朝食を済ませて準備を終えると、円陣を組む。


僕が手を前に出して、その上に皆が手をのせる。



「さて!とうとうここまでやって来たぞ!あとは【深層】の支配者をぶっ倒すのみだ!やりましょう!やってみましょう攻略を!それでは~!み~ん~な~♪・・・・・いっくどぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


「「「「「 オォォォォォォ!!! 」」」」」



一斉に手を下に押した後にジャンプした。






皆で歌いながら山を登って行く。


中腹までは歩く道があったので、そこを沿って登っていたのだが、キャンプした場所から暫く歩くと道は途切れ、後は頂上まで真っすぐに登るだけとなった。


木も緑もない、岩だらけの山を山頂に向かって真っすぐに登って行く。



「はぁ。はぁ。はぁ。はぁ・・・・・いゃ~、結構きついっすね!」



僕は親友達が歩いている一番後ろで、カメラを皆に向けながら登っている。


斜面が急になってきたので、結構登るのがつらい。


しかし、親友達はさすが探索者。


息一つ乱すことなく、平然と急な山を登って行く。


僕は後ろにカメラを向けて、眼下の景色を撮影する。




<コメント>


■フォォォォォォォォォォォォォォ!!!


■こえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!


■すげぇ景色!!!


■結構急な斜面だな!!!


■ソラめっちゃキツそうw


■普通のやつが、慣れてない登山をやるのはキツイよなw


■ソラ以外の【星空】メンバーが平然と登っているのが草。


■レベル3以上になれば、こんな登山は平地みたいなものだからな。


■こんなところで体力なんて使わないよ。


■探索者はやっぱりすげぇなw


■ソラは俺達と同じ、レベル1だからしょうがないw


■ソラさん!がんばって!




皆の応援を背に、僕はひたすら親友達の後について登って行く。


途中、空からワイバーンが何匹か襲ってきたけど、難なくエイセイが銃で始末していた。



暫く登っただろうか、上を見上げると頂上が見える。


ゴールが見えてきたので、僕は気合を入れ直して皆の後についていくと、急に平地に出た。



僕はその平地を、ゆっくりと右から左へと撮影する。



明らかに、ここだけ岩を砕いたり、削ったりして作った様な平地だった。


まるで住処の様に。



見ると奥の方には、モンスターの骨らしい物が散乱している。



「・・・・・ソラ。」


ココセが上空に指を指した。



僕はカメラを上空に向ける。



晴れた真っ青な空と白い雲をバックに、一匹の大型なモンスターがこちらへと飛んできた。




ズンッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!




僕達の目の前にそのモンスターは着地した。


大きい。8m位はあるだろうか。



真っ赤な鱗を纏い、翼はとてつもなく大きい。そして爪は恐竜の様に鋭く、尻尾も長い。



僕はそのモンスターを撮影しながら叫んだ。


「皆さん・・・・・これ・・・・・本物ですよ!いたんですね!現実に!何と・・・・・・・ドラゴンです!!!」



そこには、アニメやゲームで見た事のある、真っ赤なドラゴンが立っていた。




<コメント>


■うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!


■すげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!


■まじでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!


■ドラゴン!ドラゴンだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■いたのかよ!空想上の生き物じゃないのかよ!!!


■マジか!すげぇ迫力!!!


■こえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!


■うぉぉ!恐竜が大した事ないように見えるな!!!


■これ!ゲームだと最強のモンスターの一角だけど、こっちはどうなんだ?


■さすがに大丈夫なのか???


■これがボス?ボスなのか???




僕はカメラを向けながら皆の前に出ると、ドラゴンに異世界の言葉で話しかけてみる。


すぐにエイセイが隣につく。



「言葉は喋れますか?」


鋭い目をしたドラゴンは答える。



「・・・・・我は最高位の種族だ。言葉など容易いわ。・・・・・しかし、こんな所でヒューマンに会うとは思わなかったぞ。」


「貴方はレガリアですか?」


「ほう。我の名前をよく知っているな。・・・・・という事は、あのにっくき『ファイン帝国』の者だな?我をこんな所へ閉じ込めた代償は払ってもらうぞ!血の一滴も残さずに食べ尽くしてやろう!」



そう言うと、大きな咆哮を上げる。




当たりだ。


あれが【深層】の支配者。




「どう?」


僕はドラゴンを撮影しながら皆に聞く。



「私だけで十分だ。」


「・・・・・私も行く。」



すると、僕の両サイドから、アカリとココセが歩いてドラゴンの方へと向かって行った。



残りのメンバーは、僕を囲むようにして後ろへと下がる。


二人が真っすぐに並んで歩いて行く。


それを見たドラゴンは、二人に向かって大きく口を開けた。


喉が赤くなり、一気に炎を吐いた。




ゴォッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!




ブレスだ。



炎に包まれる前にアカリとココセは消え、そのまま後ろにいる僕達に炎が襲ってきたが、先頭のクウガが大楯でその炎を受け止める。


念の為に、スピカが僕の周りに防御壁を張った。



この炎が戦闘の合図の様に、アカリとココセがドラゴンを斬りつける。



ココセが目にも止まらぬ速さで、縦横無尽にドラゴンの全身を斬りつけるが、赤い鱗が硬いのか、かすり傷程度で致命傷にはなっていない。


ドラゴンは飛んでいるハエを叩き落とす様に、鋭い爪のある腕を使って振り回す。


しかしココセのスピードに、まるきりついて行けてないドラゴンは、全ての攻撃が空を切った。


その隙に、ドラゴンの足元に現れたアカリは、長刀で足に一刀を入れる。



キィィィィィィィィィィィィィィィン・・・・・・・・・・。



ドラゴンの皮膚を斬ったが、これも硬い鱗に阻まれて、肉を断つことが出来ない。


斬った態勢のアカリに向けて、ドラゴンは尻尾をムチの様に振り、アカリにぶつける。


その尻尾を長刀で受け止めながら、威力に任せて、そのまま後ろへと吹き飛んだ。


数十メートル後ろへと飛ばされたが、そのまま上手く着地して、ドラゴンの正面に立ちながらアカリは呟く。



「硬いな。これだと倒すのに時間がかかる。・・・・・・・ならば。」



そう言うと、長刀を鞘に納め、右手で左腰にある刀の柄を握る。右足を前に出して、前傾姿勢を取った。



「ヌゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!うるさいハエめ!!!」



致命傷にはなってないが、ココセの縦横無尽の攻撃に嫌気がさして、攻撃が届かない上空へ逃げる為に、大きな翼を使って10m程宙に浮いた時だった。


僕の隣で、スピカは右手をドラゴンの方に向ける。



「・・・・・トカゲは飛ばないの。重力魔法・・・・・重花火おもはなびレベル1。」



ズッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!



浮いた瞬間。



もの凄い重力に押しつぶされながら、地面へと叩きつけられるドラゴン。



何とか立とうとしても、重力に押しつぶされていて、中々立つことも出来ない。


ゆっくりと抵抗しながらアカリと僕達の方に大きく口を開ける。



もう一度ブレスを放つつもりらしい。



僕は、ドラゴンと僕達の間に構えて立っているアカリにカメラを向けながら叫ぶ。


「【星空】最強のアタッカーの強さ。・・・・・とくとご覧あれ!」



アカリは前傾姿勢をとりながら、目をつぶった。



柄を握っている右手の周りが白くなり、空気が歪む。



スピカが右手をおろす。


すると重さがなくなったのか、ドラゴンは立ち上がった勢いで、一気に空気を吸い込んで全力のブレスを吐こうとした時、目の前にいるアカリが消えた。



真っすぐ・・・・・一直線に、アカリがいた所からドラゴンの後ろの方へと、空間を捻じ曲げたかの様に一筋の白い線が入る。



いつの間にかドラゴンの後ろで、長刀を振り抜いた格好をしているアカリが呟いた。



「秘技・・・・・・『次元斬り』。」



ドラゴンの胴体に引かれた一筋の白い線。


その上半身がゆっくりとズレて、そのまま地面へと落ちていく。


自分の体が斬られた事に驚いたレガリアは、ゆっくりと黒い灰になりながら僕に向かって叫ぶ。



「我の体を斬るか!しかし!今は我よりもっと強い御方がこの頂上にいる!思い知るがいい!ヒューマンよ!ハーハッハッハ!!!」



叫びながら黒い灰となって消えていった。


フッと、僕の隣にココセが現れる。



チンッ。



刀を鞘に納めると、こちらを振り向いたアカリが笑顔で歩いてくる。



僕はカメラに映らないように、ココセの頭を撫でてあげる。


めちゃくちゃ嬉しそうだ。


隣でスピカが同じ様に頭を僕に突き出してくる。


しょうがなくスピカも撫でた後に、そのまま歩いて、アカリとすれ違いながらハイタッチした。



「ご苦労さん!アカリ!」


「あぁ!」




<コメント>


■うひょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!


■すげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!


■マジかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■ココセちゃんの動きに、まるきりドラゴンついていけてねぇじゃん!!!


■めっちゃ暴れてたけど、全然攻撃が当たってねぇ!しかもまるで姿が見えないココセちゃんw


■ドラゴンの鱗ってやっぱり硬いのな!ココセちゃんがすげぇ斬ってるのにあんまり効いてなさそうだったぞ!


■それを斬ったアカリちゃんwww


■何だよ!あの技は!!!


■次元斬りって言った!次元斬りって言ったぞ!!!


■ドラゴンの体が真っ二つになったなwww


■簡単に斬りやがったwww


■最強のアタッカーとはよく言ったもんだwww


■しかも、さり気なくスピカちゃんがドラゴンを動けなくしてたのが草。


■結局苦戦したのって、さる吉だけじゃね?w 


■今回は、ほぼ二人だけで戦ってたしなwww


■ドラゴンでも相手にならない【星空】w まじで最強だなwww






僕はめちゃくちゃ盛り上がっているコメントを見ながら、ドロップアイテムの回収に向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ