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10話 クウガの下層ソロ攻略 2



ウルグはゆっくりと自分の空いた穴を見ると、そのまま黒い灰へと変わって消えていった。




<コメント>


■うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!


■すげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!


■つぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!


■素敵ですぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!


■クウガ様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■普通に腹パンしたように見えたが???


■ちょっ!ちょっと待って!頭が!頭が整理できてないぃぃぃ!!!


■いやいやいやいやw ちょと待てw


■マジかwww


■あいつ、パンチで穴あけたぞwww


■もの凄い音したwww


■どんな威力だよwww




クウガは、大楯とハルバードを拾うと、僕の方へと近づきカメラに向かって親指をたてながら笑顔で言う。



「みんな!どうだ?・・・・・良かったか?」




<コメント>


■サイコぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!


■サイコですぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!


■素敵ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!


■クウガ様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■笑顔がチャーミング!!!


■貴方に抱かれたい!!!


■俺も抱かれたい!!!


■僕も抱かれたい!!!




何か変なコメントが多くなってきたので、話題を変える為に早く先に進んだ。



すると、岩場の様な所へと出た所で、岩の影から二匹のモンスターが現れた。


「あれは・・・・・『マッドウルフ』ですね。」



2m位はあるだろうか。狼よりもはるかに大きい。そして美しい黒い毛並み。ここでは『漆黒の狼』と呼ばれているモンスターだ。




<コメント>


■きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■新しいモンスターきたぁぁぁぁぁぁ!!!


■何あれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!


■下層モンスター相手に素手で戦っている探索者がいるって聞いて来ました!!!


■何だあれ???


■モンスター図鑑見ると、あれはマッドウルフだって!!!


■あれはヤバいぞ。奴の牙は武器だろうが防具だろうが簡単に嚙み千切るぞ!!!


■しかもあの大きさですばしっこい。仲間が何人犠牲になったか。


■うっ。思い出したら吐き気がしてきた。


■同業者www


■上位同業者がヤバいって言ってるwww


■大丈夫なのか?


■クウガ!無理すんなよ!!!


■やるならちゃんと武器使って戦えよ!!!


■フリじゃないぞ!フリじゃないからな!!!




僕は隣にいるクウガを見ると、こっちを向いてニヤリと笑う。



あっ。これダメだ。



そのまま、二匹のマッドウルフに向かって歩いて行った。


向かってくるクウガに、二匹は警戒しながら両サイドへと移動する。


するとクウガは大楯とハルバードをまた地面へと落とした。




「かかってこいゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」




マッドウルフは叫んだと同時にクウガに襲いかかる。


クウガは素早く両腕を前に出すと、二匹のマッドウルフがそれぞれの片腕に噛みついた。



マッドウルフは驚いていた。



自分の持っている牙と顎は、今まで全ての物をかみ砕いていた。

どんなに硬い物でもだ。

ましてや生き物など、とても容易い。

なのに、この人間の腕を噛み千切れない。

ありえない。ビクともしない。

この腕の硬さは、今まで経験した事のない硬さだった。




「オラァァァァァァァァァ!!!」




クウガはそのまま両腕を噛まれた状態で、マッドウルフを抱えたまま両腕を上げると、そのまま二匹を衝突させた。

ぶつかった衝撃で二匹は腕から離れ、地面へと着地するのと同時に、クウガはそれぞれの首へと腕を絡ませながら絞める。



「さて。今度はこっちの番だな・・・・・ウオラァァァァァァァ!!!!!」



叫んだ瞬間、二匹の首はあり得ない方向へと曲がった。

そしてそのまま黒い灰へと変わっていく。

地面にはドロップ品の黒い牙だけが残った。


少し離れた所から撮影していた僕に向かって、親指を立ながら言う。



「どうだ?」




<コメント>


■はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ???


■フォォォォォォォォォォォォォォ!!!


■まじかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■何だこりゃ???


■いやいやいやいやwww


■絞め殺すってwww


■これは流石に無いわ~www


■ちょっと待て。ちょっと待ってくれぇぇ!!!頭が!頭が整理できないぃぃぃ!!!


■全然参考にならねぇwww


■上位同業者が言ってた、武器や防具を簡単にかみ砕くってなにwww


■両腕噛まれてたよなwww


■そのまま普通にぶつけてたしwww


■しかも捕まえて首へし折ってたしwww


■意味わからんwww


■でもクウガ様素敵!!!


■誰かぁ~こんな事できる探索者知ってるかぁ~?


■知らんわ!!!




コメントは荒れに荒れまくっている。クウガをディスってるわけじゃなく、信じられないみたいだ。


まぁ信じられんわな。


クウガの体は尋常じゃない程丈夫で、とにかく・・・・・『硬い』のだ。生半可なモンスターじゃ、傷一つ付ける事は出来ない。クウガが皆を守る為に、小さい頃に自分に課した事だ。


「さっさぁ!とりあえず倒しましたし、下に通じる通路がありますから二階層へ行きましょう!」



ドロップ品を回収して僕達は二階層へと下りていった。



コメントがまだまだ騒がしいので、カメラを薄明るく光っている洞窟を映しながら話をそらしてみる。


「そういえば、ダンジョンって不思議ですよね。この洞窟全体が光っていて・・・・・滝もある。おそらく他にも色々あるんでしょうけど、どういう構造なんでしょうね?」




<コメント>


■あ~それな。


■何で明るいんだろ?


■アカリちゃんの時は滝があったもんな。


■一説によると、ここは別次元じゃないかって学者が言ってた。


■そもそもモンスターが何でいるんだよ?


■死体が残らないのは何でだ?


■何も分からんわ。




よしよし。うまく話がそれてくれた。



「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」



二階層へと下りて、そのまま進みながら、ダンジョン談議が花を咲かせているカメラをみていると突然叫び声が聞こえた。



「叫び声です!行きますね!」



クウガが素早く走り出す。それに僕がカメラを回しながら続く。

一人なら瞬時に行けるのだろうが、僕がいる為、後ろを気にしながらペースを合わせてくれている。



そして暫く走ると、広い空洞へと出た。



そこにいたのは、探索者が八人。その内二人が地面へ横たわっている。

そしてその前にいるのは・・・・・でかい。そして長い。

全長6m以上はあろうか。


大蛇だ。


「あれは『アナン』ですね・・・・・皆さん!大丈夫ですか!?」


カメラを回しながら、その集団の元へと走る。


「!!!!! 君達は?・・・・・ダメだ!来るんじゃない!危険だ!このモンスターは『アナン』だ!我々も撤退する!君達も早く逃げるんだ!!!」


見ると倒れている二人は、食われたのか、腕や足がなくなっている。


仲間が懸命に止血していた。


その二人を庇うように、残りのメンバーが戦っている。




<コメント>


■オイオイオイオイ!!!ヤバくないか???


■何だありゃ?めちゃくちゃでかいぞ!!!


■うわぁ~。でかい蛇!夢に出てきそう。


■あの探索者チーム、二人が体の一部食われてんじゃん!!!


■これヤバくないか???


■ヤバイヤバイヤバイヤバイ!!!


■クウガ様!!!


■ソラ!大丈夫なのかこれ???




僕達は集団の所へと辿り着いた。



カメラを隣にいるクウガに向けると言う。


「・・・・・クウガ。行けるな?」


僕がそう言うとニヤリと笑う。



そしてそのまままた、歩き始めた。




<コメント>


■行ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■クウガいったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■クウガ負けんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■死ぬなよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!


■クウガぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■クウガ様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■おい!!!まさかと思うがやめろよ!!!


■絶対やめろよ!!!絶対だぞ!!!


■マジでやめろよ!!!マジだぞ!!!


■フリじゃないぞ!!!フリじゃないんだからな!!!




「どいてくれ。」


クウガはそう言うと、先頭で戦っていた探索者達をどかし、そのまま真っすぐにアナンへと向かう。




・・・・・大楯とハルバードを置いて。




「キシャァァァァァァァァァ!!!」



アナンは丸呑みしようとクウガに突進するが、ギリギリで躱す。


そのまま流れの様に、クウガの周りを回っていき、体を巻き付けはじめた。

どんどんと巻き付けていき・・・・・そしてクウガが見えなくなる。

アナンはそのまま締め付けて殺そうと力を入れる。

どんな生き物やモンスターでも、この形になれば抜け出すのは不可能。

食事の時間とばかり、アナンは声を上げようとしたその時、中から声が聞こえた。




「中々の締め付けだ。だが、まだまだだな・・・・・オルァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」




バンッッッッッッッッッッッッッッ!!!




一気に力を爆発させたクウガは、両手両足を広げると、締め付けていたアナンの体が粉々に吹き飛んだ。


吹き飛んだ肉片が空からパラパラと降り注ぐ。


そして頭だけ残ったアナンは黒い灰となって消えていった。



探索者の集団はそれを見て茫然としている。



僕はカメラを回しながらクウガへと近づいて行くと、こっちに振り向いて、親指を立てて笑顔で言う。




「どうだ?」




<コメント>


■武器使えよ!!!


■武器使えよ!!!


■武器使えよ!!!


■武器使えよ!!!


■武器使えよ!!!


■武器使えよ!!!


■武器使えよ!!!


■武器使えよ!!!


■武器使えよ!!!


■武器使えよ!!!






画面が全て同じコメントになった。



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