仲直り②
コレットは単純に、二人に仲良くしてほしいと思っている。
その為、マリアンヌの手を借りて行動計画を詰めていく。
コレットには一つの計画があったが、それは具体性に賭ける部分があり、そのままでは難しい内容だった。
マリアンヌはコレットに足りない部分を補い、フォローに回る。
「なぜ、ディアーヌ様は動かないのか。それが分からないのですよね。
ですが、分からないなりに出来る事はあります」
現状、リュカの父親とのパイプを持つのがセレストのみという状況に、ディアーヌが嫉妬した。
この問題は、すでにディアーヌがセレストの立場に成り代わればいいという話ではない可能性がある。
「セレストがリュカにとっての最善を選んだ」所が問題なのだ。
つまりは、リュカの一番の理解者であるという自信にひびが入ったからこそ、ディアーヌは嫉妬している。
これを覆すには、ディアーヌがリュカにとっての幸せを理解し、その立役者になる事が求められる。
例えば、マリアンヌが何をすればいいのか指示を出してディアーヌが動いた場合、成功したらマリアンヌの手柄になってしまうという状況だ。
ディアーヌの背中を押すとしても、やり方に制限があるので、嫉妬を無くすのは難しい話になってしまっている。
ただ、嫉妬そのものを健全な方向に働かせるのであれば、もう少しやり様がある。
いがみ合いではなく、競争になるように話を持っていくのであれば、大きな問題には繋がらないはずである。
健全な関係というのは、馴れ合いの事ではない。
意地を張り合い競争するだけなら、悪い事ではないのだ。
モラルを求められはするものの、ディアーヌとセレストであれば卑劣な事はしないであろうし、場の空気が悪くなる事も無いだろう。
心の距離が離れているのに何もしない、ただ張り詰めた空気を作っている今の状態よりはずっとマシである。
嫉妬という言葉は悪い事に取られる事が多いが、それが原動力となり努力を促す事もある。
コレットとマリアンヌが目指す未来は、そのように「喧嘩するほど仲が良い」関係へと変化させることだった。
ディアーヌを動かすには、リュカの協力が必要となる。
リュカはリュカで動きはするが、マリアンヌのアイディアに協力しないわけではなく、コレットたちの考える状況の健全化計画には手を貸してくれた。
「賞品になればいいんだろう? それぐらいは構わないよ」
マリアンヌは競い合う場を作り、二人に争わせる。
ハーレム内の侍女たちにやった手段の焼き直しだ。
こういった企画はマリアンヌが動けば、そこまで不自然ではない。
コレットは、人の手を借りつつ色々と仕込みをしていくのだった。




