昔の3人での帰りは何処か懐かしさを感じつつ夕日の帰り道に染まる
ちょっとやそっとで神楽坂君が簡単に水泳に復帰してくれるわけないか。
今はまだ無理だとしても早いとこあのほんわかな幼馴染ちゃんに神楽坂君の水泳復帰をさせる改善を阻止しないといけないな。
……そうなったら私の立場がなくなるもんね。
「!……ああ〜どうやら2人での帰り道がなくなったみたいだね。」
「は?何言ってるんだ?」
そんな疑問に対して姫乃は指で俺の後ろを刺しチラチラとさせながら何か後ろにあるのかと思って振り返ると…
「せ〜ん〜ぱ〜い!!」
ドン!
「ぐぇ!」
思いっきり腹へと抱きつきいやタックルされそのまま後ろへ倒れ抱きついてきた鶴海を抱き止める。
「いてて、なんなんだいったい。」
「先輩また会えました!お久しぶりです!」
「久しぶりって朝方あったばかりだろう。てか急に飛びつくのはやめろマジで条件反射的に無理だから。」
「と言ってても体付きはだいぶいいですね。もしかして隠れて筋トレとかしてましたか?」
「俺の話を聞け。勝手に体をつつっくな。」
やれやれと言わんばかりに鶴海を立ち上がらせる為俺が最初に立ち上がって手を伸ばして引っ張っる。
「全く身長だけ伸びて中身は相変わらずなんだから。」
「そんな事ないもん!ツルミだってちゃんと成長してる部分はあるんだもん。」
確かに身長も女子の中では平均的に伸びてる気がするな。
雪羅と風香もそれなりに身長はあったけれど、鶴海はどちらかといえばその2人よりも高かったな。
「身長は160センチぐらいか?女子の平均並に高いんだよな。」
「うん!あ、でもでもそれよりはツルミ成長期だから身長が伸びてしまったのは仕方がないってお母さん言ってたな。」
お母さん……それは今の再婚した母親の事を言ってるのだろうか。
その辺の話を宇佐木田さんと話して気になってはいたが…今聞くというのは違う気がするな。
「それに身長だけじゃなくてオッパイもデカくなったからね。」
ボヨヨン!
そう言ってやたらと胸を強調してくる鶴海。
中身は子どもでも外見は大人なんだな。
……てかそれで朝もさっきもそうだが不用意に抱きついてくるのはやめてほしいもんだ。
「くっ!やたらと胸を強調して……だいたい胸がデカいからってなんなのよ。別にデカいのがあったからって邪魔にしかならないんだから。」
「うんツルミもそう思うな。オッパイが揺れる度に肩が痛くなるから余計に肩凝りが酷くなるんだもん。やっぱり小さい方が便利だよね。」
「そ、そうね〜ほんとうにそうよね。」
「あれ?何で怒ってるの姫乃ちゃん?ツルミ何か変な事言った?」
鶴海それはたんにやぶへびだ。
余計な事を言って姫乃を怒らせてるだけにすぎない。
後地味に自分の胸を見下ろしながら気落ちするのもやめてくれ……そんなにショックなら別の話題すればよかったじゃないか。
「な、なんでもないですよ。……それよりもあなた用事の方はいいの?」
「うん!もう終わった。でも残念なのが千奈美ちゃんと一緒に帰れなかったのが残念だったかな。」
「そう。……まぁ千奈美もまだここに来て不慣れな所があるから仕方がないものね。」
「……千奈美といえばアイツあんな体育会系みたいな話し方をしていたっけか?昔は俺の事お兄ちゃんお兄ちゃんとか呼んでた記憶があるんだが…」
「うわ神楽坂君それはさすがに引くわよ。そう言った被害妄想よくないと思うな。」
「…………」
被害妄想か?いやでも確かにそんな記憶があったはずなんだが……けど姫乃がそう言うって事は俺の勘違いなのだろう。
でもあの記憶は忘れ様にも忘れるわけがないんだが…
「千奈美ちゃんは先輩の事を本当のお兄ちゃんだと思ってますよ。お兄ちゃんかどうとか言ってたのは分からないけれど、でもツルミと一緒で千奈美ちゃんとツルミは先輩の事を大事なお兄ちゃんだと思ってるので。だから安心して喜んでください。」
「喜ぶべきなのかそれって……いやまぁお前なりにフォローしてくれんだよな。そこは礼を言っておく。」
「えへへ〜」
本当に嬉しそうな顔をして喜ぶ鶴海。
本当昔の姿が鮮明に浮かぶようだ。
「全くその辺に関して昔と変わらず鶴海ちゃんに甘いんだから。……因みに鶴海ちゃんも神楽坂君に復讐したがってるというのを忘れないよね?」
「忘れてはいない忘れてはいないが……コレが本当に復讐心がある状態なのか?とてもじゃないが…」
「ええ言いたい事は分かるわよ。でも本人はちゃんと納得した上であなたに復讐をしたいと言った。それ自体に嘘はないわよ。内容に関しては知らないけれどね。」
「………ん?待てお前達って俺に個人個人で復讐をしようとしてるんだよな。そんでもってその内容は全員知らない……ならどうやって結託して俺への復讐を考えたんだ。」
「え?それをあなたが言うの。」
「何?」
「はぁ…呆れたわね。私達はあなたとの約束を破られたからあなたに復讐をしようとそう思って行動している。でもそれぞれ違った復讐であなた個人にぶつけたい想いがあるの…それだけでも十分な理由だと思うけれど。」
どういう事だ?既に5人は昔の俺に対して恨むべき対象があった。でもその内容は5人は分かっていて尚且つ別々の復讐を俺に仕向ける。
……どう考えても関係性がある部分が想いつかない。
「………」
「はぁ〜コレじゃあどっちが先に勝負したって一緒みたいだね。私達どうやったら報われるんだろう。」
「………いやそうだなお前達との約束ひとまず俺が考えるにあたってそれが何かを思い出す必要がある。でもそれを今ここでいったらお前達の考えていた事が全てなくなる。そうなると困るよな。」
「側から聞いたら脅しにも聞こえたりするのだけれど……まぁ困るかどうかはあなた次第じゃないかしらね。……あ!あそこにアイスクリーム屋が売ってるわね。」
「ああそうだな。」
「そうだなじゃなくてここは久々の再会として何かあるんじゃないの?」
「はいはい俺に奢れと言ってるんだろう。全くそういうどきつい所も変わっちゃいないな。」
「何よもう!普通男の子ならそういうのに気付くのが幼馴染ってもんでしょう。バーカバーカ神楽坂君のバーカ!」
突然小さい子どもみたいに素に戻るのやめてくれないか。
知ってるやつらから見ればあれってあの水泳選手の杉原澤野乃美って思われてしまうぞ。
「そう言えば幼馴染と言えば雅臣のやつはどうしたんだ?アイツも幼馴染の中で唯一の男友達だったからな。ここへいないというのが少しばかり疑問に思っていたんだが…」
「雅臣君は……いえコレは私からいうべき事じゃないわね。その内あなたの方へ連絡がいくでしょうし多分心配いらないと思うわよ。」
「何でそんな事が言えるんだ。」
「だってあなたが引っ越した後に私達を天才にまでの地位にしてくれたの雅臣君だもの。」
「………なに?」
「あ!鶴海ちゃん勝手にいかないの!というより何を買うつもりなの!」
「えへへ!トリプルですよトリプル!」
「駄目に決まってるでしょう!ダブルにしなさいダブルに!」
「お小遣いはツルミが持ってるんだからいいじゃないですか!」
「あなたのお金管理は私がする事になってるって事もう忘れてたの!いいからいう事聞きなさい!」
「ふぇ〜ん!姫乃ちゃん厳しいよ。」
「………」
姫乃達を天才にしたのが雅臣だと。
何でアイツがそんな事を……もしかすると天才に至る何かの秘密を知っているのか?
……まさかこんな所で大きな情報が手に入るとは思いもしなかったな。
それならアイツに直接連絡を…
「………そう言えば直接連絡をするにしたって全員の連絡先を消してしまってたら意味がなかったな。」
水泳をやめてその後引っ越したという事が決まってもうここには帰ってこないんだとそう発覚した時俺はみんなの連絡先を消したんだった。
向こうからの連絡もあったりしたのだが……何せ違う地方にいるせいというのもあってコレ以上関わったらアイツらに悪いと思いつつそのまま着信拒否してたな。
「そう考えたら俺はとんでもない過ちをおかしたかもしれない。でも今なら2人に聞いたら直ぐに連絡先を…」
「駄目に決まってるでじゃないの。」
「それは駄目だね先輩。」
「………」
何故か連絡先の交換を拒否られてしまう。
「いやどうしてだお前らならともかく雅臣のは聞いてもいいだろう。アイツとはそれなりに仲が良かったし今なら連絡しても…」
「う〜ん多分バチですね。」
「バチ?」
「そう。先輩昔ツルミ達の事着拒してましたよね。それで雅臣先輩からもし自分の事で何か聞かれようとしたら断れてって言われてるんです。別に嫌がらせとかそういうわけじゃないですよ。コレは単にプライドの問題だと思います。そもそもツルミ達の事を着拒した先輩がいけないというのもまた然りなんですけどね。」
ごもっともな意見だな。
勝手に連絡拒否して勝手に連絡してくるやつなんてそれは最早ただの自己中だ。
「確かにそうだな。お前達の言う通りいきなり連絡交換してはいそうですかって納得なんてできないよな。てか当然か……すまん。でももしアイツが俺との連絡がしたいとかって言われたらそのまま伝えてほしい。今更だとは思うが謝りたいと…」
「うんわかった。雅臣君にはそう伝えておく。という事でアイス代奢ってくれない?」
「ふざけるな。いくら再会したとはいえ奢るかどうかのはなしは別だ。」
「むーーー!!ケチ!!」
小さな体でやたらと豊かな表現をあらわしてくる姫乃。
「………なんかもう小動物にしか思えなくなる。」
「ば、バカにしてるの!」
「いやそうじゃなくてただ単に…」
「愛玩動物みたいで可愛いって事だよ姫乃ちゃん。」
「そうそれ……あ。」
「ムムムムムム!!私ちっちゃくないもん!」




