転生者の試練
とりあえずパパさんママさんが滅茶苦茶叫んでいたから落ち着かせようと、
「パパさん、ママさん取り敢えず落ち着いて。」
と言ったら、
「家の子ってこんなに成長早いのかしら…。アバアバアバ。」
とママさんの意識がふっ飛んだ。
一方パパさんは、
「………俺の願いが通じたのかな…グスン。」
と遠くを見据えてかっこよく言っていた。
全く持って意味わからん。
二人を落ち着かせるのにこの後一時間くらいかかった。
補足だけど、服は事前に魔術を組んで大きくなったからな。
そこんとこは安心してくれ。
▲▽▲▽▲
「………ということは君は、俺たちの子じゃ無いって言うんだね?」
「はい、そういうことになります。」
とお腹の中に居たこと、そしてお腹の子に二人を任せられたことを話した。
パパさんは早く納得してくれた。
しかし、ママさんはそうはいかなかった。
「何でよ、何で腹を痛めて生んだ子が私の子じゃないのよ…。何のために私は、この痛さを受けたと言うの!嘘と、嘘と言ってよウィータ!」
と激しく非難を浴びせられた。
「少し落ち着きなよ。」
とパパさんが言っても、
「これの何処が落ち着けと言うの!」
と錯乱状態に入ってしまった。
そして二人で話始めた。
俺はママさんの言葉を聞いてそれもそうだ、としか思えない。
もし俺だって生まれた子が自分の子じゃなかったら、物凄くそいつを非難する。
だけど本当は死産だったんだ。産まれなかったんだ。
産まれたことくらい感謝してくれよ。
そんなことを思ってもこれは二人の問題だ。
二人が俺をどうしようか、俺には首を縦に降ることはできない。
それが俺の罰として受け入れるつもりだ。
そうして考えていると、
「ウィータ、お前をどうするか、決まったよ。」
とパパさんが重い口調で言ってきた。
「お前は…うちの子として受け入れる。」
と言った。
その返答は予測してなく、追い出されると思っていた俺は、
「それじゃ俺は、ここに残ってもいいんですか?」
と言った。
そしてパパさんが、
「これは二人で決めたんだ、ウィータ。お前を自分のことして育てると。」
と言い切った。
「そ、そんな返答ずるいですよ…。」
と俺は恥ずかしくなった。
「しかし、どうして受け入れるって決めたんですか?」
「それは…」
とパパさんが言おうとしたら、
「私が言うわ。」
とママさんが言った。
「大丈夫、無理しないでも、まだ安静にしてないと…。」
とパパさんは心配したが、
「これは私が伝えたいの。だからあなた、お願い。」
とパパさんを説得した。
「じゃあ、説明するわね。」
とママさんが言った。
「それはね、あなたがこの世界に生まれてきたからよ、ウィータ。」
と言った。
俺には意味が理解できなかった。
「どういう意味ですか………。」
と俺は聞くしか無かった。
そうすると、
「じゃあ、その意味を考えてみてね。あなたも親になったらわかるはずだから…ね?」
と言った。
パパさんは、
「はは、面白いねママは。」
と笑っていた。
どういう意味かはわからないけど、取り敢えずは良かった、のか。
▲▽▲▽▲
その後俺が転生者だと伝え、転生の魔術を使ったと話した。
そうすると、
「魔術とはなんだ?」
とパパさんが聞いてきた。
「え、魔術というのは、魔力を使って風などを起こす、一種の奇跡みたいなものですよ。」
と簡単に説明した。
俺としては何で当たり前のことを説明しなくちゃならないんだ、と思った。
「ねえそれって、………。」
とママさんがベットで安静な状態で言ってきた。
俺はママさんの次の一言に背中に衝撃が走った。
「魔法と勘違いしているんじゃない。」
と言ってきた。
「ま、魔法?」
と腑抜けた声で聞いてしまった。
魔法、だと。
魔法という言葉は転生前に聞いたことがない。
「あの、魔法って何なの?」
と聞いた。
ママさんは不思議な感じで俺を見た。
「だってウィータ君の説明したことはまさに魔法だったんだけど…。」
とまるで俺が変なことを言っているみたいな言い草で言った。
理解ができない。
だから俺は、
「魔法と言えば、どんなことが出来るんですか?」
と2人に尋ねてみた。
「じゃあ、実践してあげるね。」
とパパさんが言った。
パパさんが手のひらを上にしてそして、唱えた。
「火の精霊よ、我に力を与えたまえ、
火起こし!」
するとパパさんの手のひらから小さい火が出てきた。
「これが初心者魔法、火起こしだ。」
とパパさんが言った。
パパさんは少し汗をかいている。
余程の事だったのか。
ならば俺も唱えてみよう、魔法ってやつを。
「パパさん、魔法を唱えてもいいですか?」
と聞いた。
「いいよ。」
とパパさんから許可を貰ったので、唱えてみた。
「火の精霊よ我に力を与えたまえ、火起こし!」
俺が唱えた途端、手のひらからあり得ないくらいの火、ではなく炎が出た。
家の中は大炎上した。
すかさず俺は、
「古より存在する海の王者よ、今こそ我に力を授けたまえ、海龍の咆哮!」
急いで魔術を唱えた。
魔術を唱えるとまるで炎を出す前に部屋が戻ってる。
更に何も濡れていない。
自分で思うに完璧だ。
二人は何事かと目をぱちくりさせるだけだった。
海龍の咆哮は水と再生の能力を持っている。
この水に濡れるとたちまち怪我、家の崩壊、城の崩壊などに効く。
名前だけはあれだが決して攻撃魔術ではないのだ。
ちなみに魔術と魔法の共通点が今のでわかった。
魔力を何かに還元するのが共通点か。
しかし、それ以外は全く異質だな…。
なぜか、扱う感じが違った。似て非なるもの、ってことか。
すると腰を抜かしていたのだろうかパパさんが、
「ちょ、ちょウィータ君!?今のって…。」
と聞いてきた。
「今のは初心者魔法火起こしでその炎を出してしまったので、消すために魔術海龍の咆哮を使ったんですよ。」
と簡単に説明した。
パパさんは、
「そんなわけないでしょ!あんなにすごい魔法が使えるのは…王都に何人かしかいないぞ!」
と言われた。
「いやあれはパパさんが教えてくれた初心者魔法でしょ。俺はそのままの通りにやっただけですよ。」
と聞き返すと、
「あんなすごいのは超級炎火山の怒りぐらいしかないだろ!」
とめっちゃすごい目で見られた。
ちなみにママさんは、気が滅入りすぎて寝ると言う名の気絶をしてしまった。
俺は、あ、やっちまったと、思った。
修正しました…徐々に更新が2019年のものは修正をしていくつもりなので、気長に待ってください(見捨てないでください)




