転生直後
ある辺境の国の辺境の村に若い夫婦がいた。
二人は農業などで生計を立てていた。
そして二人は子供が欲しかった。
毎晩神に、子供ができます様に、と祈っていた。
そしてある日二人の間に子供ができた。
二人はとても喜んだ。
二人は性別を知りたいために村の治療院へと行った。
その時妊娠5ヶ月である。
そして治療魔法師に頼んでお腹の子を見てもらい、はい、その子は男の子ですよ、と治療魔法師は言った。
二人はとても喜んで、どんな名前にしようかな、や村の人にも告げないとな、と和気あいあいとしていた。
治療魔法師は表面上では微笑んでいた。
しかし心の中では疑問が生じていた。
何故、動いている筈なのに、生命活動をしてないかと。
だが治療魔法師は気にも止めなかった。
それは何故かこの最近物凄く妊婦が増えたからだ。
だから治療魔法師は疲れているだけか、と自分のなかで解釈した。
そして出産の日になった。
そして妻は頑張って子供を産んだ。
子の名前は、ウィータと名付けられた。
▲▽▲▽▲
「………うーん、う、こ、ここは何処だ…。」
俺は目覚めたらここにいた。
周りは暗く、何も見えない。
俺はどうなってしまっているのか、全く分からない。
とりあえず魔力感知を使おうとしたが、言葉が全く喋れない。一体どうなっているんだ?
他にその他の魔術を試してみたりしたが、全く唱えられない。
頭の中ではイメージが出来ているのだ。
しかし実行となると口が動かない。何故なのか分からない。
更に何かを喋ろうとしても、全く喋れない。声が出ない。
あー、これは何だ、なんというのだろう。
予想だがまだ俺はこの世界に生まれてない、ということは、お腹のなかにいる、ということだ。
正直この予想は合っていると思う。
理由は、俺は呼吸が空気ではなく、水のやり取りだということ。
まだ体が自分のものではないこと。
今俺の体は意識があるだけで、何もできない。
その代わり感覚は共有していると分かる。
つまり転生成功だ。
しかし転生を成功ということは、本来産まれるはずだった命を犠牲にする術だ。
なにか脳に直接パスを切り開かれた。
何かが俺の脳に話かけてくる。
そして何処からともなく声が入ってきた。
ありがとう、死ぬはずだった僕を救ってくれて、
と俺は聞こえた。
悟ったのは、本来死産になる予定の子だったのを、俺が転生の魔術で救った、ということだ。
だから俺は何も犠牲にしてない。
むしろ救ったのだ、新しい命を。
ありがとう、産まれる前に死んでしまった子。
俺はこの世界で精一杯生き抜いてあげるからな。
そう言い残すと、本来の子はどこかに行ってしまったような感覚だった。
少し寂しいような、感じがした。
しかし本来の子は俺にこの世界の知識を残してくれた、と言っても言語や周りの世界を摘み摘み程度だけどな。
その事から何日かたったら奥から光が見えてきた。
光を見るのは久しぶりだ。
ということは今、出産をしているということだ。
ああ、ここともお別れということか。
本当の子ともいろんな事を話したりした。
この世界の事や本当の親はこんな人たち等いろんな事。
お腹の中にいるときはいろんな事を知っているというが、本当にいろんな事を知っているんだな、と思った。
ぶっちゃけ迷信だと思ってた。
けれどいろんな事を教えてくれたお陰で、俺はここから出ていった時、字が分かるし、会話もできる。
本当に助かった。
では行くよ。さよなら。
そう言うと、脳の中に、僕も本当に楽しかったよ、ライノス。
多分生まれたら別の名前になると思うけど、その名前を受け入れてね。
その名前でたまには僕の事を思い出してね。
彼はそう言って完全に脳の中のパスが切れたような感じだった。
たまには、というよりは毎日思い出すさ。
それが君の本当の名前だから。
そして外の光が近づいてきた。
眩しい。久しぶりにそんなこと言ったな。
徐々に外のようすも見えてきた。
二人、三人くらいいるのか。
さあ、頑張れ母親。
もっと応援に力込めろ父親。
そしてこう思ってる内に、頭が出た。
よかった、逆子じゃなくて。
そして普通にあとはスルッといった。
乳母の人が俺を最初に抱っこした。
この時普通はオギャー、みたいなことを言わないといけないけど、俺は大人ですから。
泣きません。
そうすると抱っこしながら乳母の人が怪訝な顔をした。
そして、
「この子、泣かないわ!」
と慌てふためいた。
きっと物凄く動揺しているんだな、と考えている。
いやしかし、子供がどう泣くかなんて俺にはどうしようもない。
子供はどうゆう心理状態で泣いているか分からないからだ。
すると母親が、
「いいんですよ、生きて産まれただけで、私は十分満足ですよ。」
と俺を優しく抱っこしながら言った。
この心地よさは何か安心させてくれる心地よさだ。
乳母の人は、
「いやしかし、………まぁ、あなたがこう言うのなら私はそれでいいでしょう。」
と素直に引き下がった。
母親はニコニコしていた。
すると父親が、
「なあ、俺にも抱っこしていいか?」
と聞いてきた。
「ええ、いいわよ。だって私と、あなたの子ですもの。」
と優しく返して、父親に俺を持たせてあげた。
うわ、なんかガッチリしているな、と第一印象で思った。
まだ抱っこに慣れていない、未熟な父がいずれいい父親になってくと思うと、とても面白いと感じた。
出産が終わった後、1日治療院というところにいて、そして二人の家に帰った。
そして帰ると、何故か天から変な声が聞こえてきた。
〝転生者特典は何にしましょうか?〟
は?何だこの、転生者特典?
〝説明しますと、転生者はこの時代にあまり適していません。なので例えば、言語を分かるようにする、や何でも勉強が出来るようになる等、何でもではないですけれど、最低限の願いを叶えられます。ではこの点を踏まえた上で、どんな願いをしますか?〟
と説明された。
ご丁寧にどうも。
まあ正直こんな話は聞いたことない。
うーん、どんな願いにするか、まだ全然決めかねる。
だって今いるだけでとても嬉しいのに、その上願いまで叶えるれちゃうんだよ?嫌なわけないじゃん。
でもなあ、と考えていると、
「でも無事に産まれて良かったな!」
パパさんが言うと、
「ええ!この子には早く成長してもらいたいわね!」
とママさんも言った。
ならば!
オレの願いは、早く成長させてくれ。年齢は…。
「早く成人になって一緒にお酒を飲もうな!」
「もうあなた、まだまだ先でしょ!」
と微笑ましい会話が聞こえてきた。
年齢はこの世界の成人くらいで。
〝分かりました。では、この世界での祝福を授けます。どうか神のご加護が有らんことを。〟
いや実は俺この神と戦ってたんだが…と突っ込みたくなったがグッと我慢した。
そしてぐんぐん成長していった。
そしてパパさんと同じ、いやママさんと同じくらいの身長になった。
そうすると、パパさんが、ママさんが、
大きな叫び声を出した。
成人は12歳くらいです(涙目)
パパさんは相当身長が低い…んです。その息子の身長も低いんです。察してください(涙目)




