朝の鍛練
「ふぁぁぁ~~。」
俺は大きなあくびをして起きた。
外はまだ日が出ていないようだ。
パパさんとママさんもまだ起きてはいないみたいだ。
少し、散歩するがてら鍛練でもするか。
そう思い、寝間着から冒険者学校の服装へと着替えた。
そして音を出来るだけたてずに玄関から家を出た。
「いってらっしゃい…。」
そんな声が聞こえたのは空耳だと思うが。
そして何処に行こうかが悩んだ。
まだ学校は開いてなさそうだし、前にラナ先輩に魔術を教えたところに行くか、と思ったので足を動かした。
歩いて時間が経ったが外は未だに暗い。
誰も歩いてなくて、少し昔の事とかを思い出したりしてしまう。
別に思い出したところで何も思わないが、昔は昔。
今は今。
俺はまだ過去と今をうまく分けられてない気がする。
ここでは昔の常識は通用しない。
だがどれくらい昔か、それが分からない。
俺の転生前の年号などは分かるが、ここに来てからまだ年号を知らない気がする。
今日辺りファルコンに教えてもらおうとすると、ラナ先輩と前に行った場所についた。
思う存分と鍛練しようと思ったら、遠くから大きい音が聞こえた。
「何だ?」
俺はつい言葉に呟いてしまった。
大きな音が聞こえた地点へ行ってみると、
「~~リトルブレス!」
と俺が教えた魔術を唱えていた。
「ラナ先輩。」
と俺が後ろからポンッ、と手を叩くと、
「ヒャッ!?」
ととても高い声が返ってきた。
ラナ先輩は後ろを警戒しながら振り向いて、
「あ、何だウィータ君か~。」
とラナ先輩は安堵の表情をしていた。
手を胸に置くとてもベタなシチュエーションで。
うん可愛い。
「ラナ先輩は何をしてたんですか?」
と聞くと、
「何、て魔術の練習だよ。」
と俺から五歩くらい離れて、
「練習の成果見てくれない?」
と言われたので、
「良いですよ。」
と答えた。
「あ、その前に魔力の補給をしてくれない?もう尽きちゃったの…えへへ」
と両手を胸の前に合わせて頭を下げて来た。
「はぁ、分かりましたよ。」
そう言って俺は、ラナ先輩の前に行って、手を触れて補給をした。
「ごめんね~本当に助かったよ。」
とまた頭を下げた。
一つ一つの仕草が可愛い。マジ天使。
「では離れますね。」
と言って俺は間をある程度とった。
「じゃあ今度こそ見ててね。
古より存在する小さき竜よ、今こそ我に力を授けたまえ、リトルブレス!」
まずは小さな竜が召喚された。
今までではここは出来た。
では次の従属はどうだ?
ラナ先輩は目を閉じて集中している。
その額にはうっすらと汗が出ていた。
相当集中しているのだろう。
集中している為、小さな竜は消えない。
そして、
「ギャオ~!」
と叫んで近くの木に向かってブレスを放った。
そのブレスを受けた木は向こうに音をたてて倒れた。
「はあはあはあ、どうだった私の魔術…。」
と、額からものすごい量の汗が出て来たラナ先輩。
一気に緊張の糸がほぐれたんだろう。
ちょこんとその場にへたりこんでいた。
とても凄く頑張ったんだろうな。
「はい、とても素晴らしいかったです。」
ときちんと誉めた。
「やった!ちゃんと出来て良かったよ!」
と腕に装着してた籠手で汗を拭ってたので、
「あ、先輩。今からタオル出しますんで少し待ってください。」
と言って魔力創造で物を作り出した。
魔力創造は魔術であると言うよりは、魔素を一定量使って簡単な物を作る便利な技術だ。
と言っても、条件が辛すぎて、基本は誰も使わないんだけど。
条件はひとつの物質(鉱石以外)を作り出す。
基本はタオル以外を作るやつはいない。
この技術自身もタオルを作り出すために作った技術の為、寧ろタオル以外は作れない。
じゃあなんでそんな名前にしたかは、よく分からない。
「はいどうぞ。」
そう言ってラナ先輩に渡すと、
「平然と凄いことをしちゃうんだねウィータ君は…。」
と呆れ顔で言って来たラナ先輩。
「あれ、魔法には魔力創造は無いんですか。」
とラナ先輩に聞いたら、
「あるわけないでしょ!」
と大きな声を上げて来た。
▲▽▲▽▲
昨日あんな失態を犯したファルコンは、
「今日は依頼を受けないで、明日受けるから何してても良いぞ。また放課後になったら集合ということで。」
と言ったので、今日は図書館にいこうと思う。
ついでに、
「私も言って良い?」
とラナ先輩も言ってきたので二人で行くことにした。
図書館で本を俺が探していると、
「どんな本が読みたいの?」
とラナ先輩が言ってきた。
「そうですね、魔法の載っている本とか、後は伝記ですかね。」
とラナ先輩に注文した。
「うん、分かったよ!」
とダッシュで行ってきてしまった。
図書館では走らないように。
ありがたいけど。
そして十分位経ち、
「はい、まずはこれだよ!」
と言って持ってきたのは、全て伝記だった。
二十冊位あったので、
「この中でおすすめはどれなんですか?」
と聞いて、
「う~ん?そうだな、ライノスの伝記とかどうかな!」
と言ってきて、
「え?」
俺はすっとんきょうな声を出してしまった。




