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滅鬼伝  作者: ヒガンバナ
第2章「新人隊士・初陣編」
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第27話「赤紋の鬼」

神社の境内。


黒い霧が立ち込める中、鬼の身体に刻まれた黒い紋様が赤く染まっていく。


先ほどまでとは比べものにならない殺気。


総司は双剣を構えたまま、鬼から目を離さなかった。


「……何だ、その力」


鬼はゆっくりと顔を上げる。


「俺の力の一端だ」


「今まで遊んでいたってことか?」


隼人が槍を構える。


鬼が笑う。


「そういうことだ」


次の瞬間。


鬼の姿が消えた。


「!」


総司が反応する。


だが――


ドンッ!


隼人の身体が吹き飛んだ。


「隼人!」


隼人は地面を転がり、何とか槍を支えに立ち上がる。


「速すぎる……!」


蓮が鬼の気配を探す。


「どこだ……」


「上!」


零奈が叫ぶ。


鬼が神社の屋根から飛び降りてきた。


蓮が刀を構える。


ガキン!


爪と刀がぶつかる。


「くっ……!」


蓮の腕が震える。


鬼はそのまま蓮を押し切ろうとする。


「蓮!」


総司が斬り込む。


鬼が身を引く。


「双剣術――!」


総司が追う。


「双牙!」


二本の刃が鬼の身体を捉える。


だが――


鬼の腕が総司の刀を受け止めた。


「なっ……!」


「遅い」


鬼が総司の腹を蹴る。


「ぐっ!」


総司の身体が吹き飛ぶ。


地面を転がりながら、総司は立ち上がった。


「総司!」


零奈が駆け寄ろうとする。


「来るな!」


総司が叫ぶ。


鬼が迫ってくる。


「まだ立てるか」


「当然だ」


総司は双剣を握り直す。


「俺は……妹を助けるまで倒れない」


鬼の動きが一瞬止まった。


「妹?」


「……何の話だ」


総司は答えない。


ただ、双剣を構える。


「お前を倒す」


鬼は再び笑った。


「その程度の力でか?」


鬼の身体から赤い紋様がさらに広がる。


その瞬間、黒い手が一斉に地面から伸びた。


「散れ!」


四人がそれぞれ別方向へ飛ぶ。


黒い手が地面をえぐる。


「危なかった……」


隼人が息を吐く。


蓮が鬼を見る。


「力が上がってる」


零奈も頷く。


「しかも、姿を消す速度まで速くなってる」


総司は鬼の動きを見つめる。


「……違う」


「何が?」


「速くなっただけじゃない」


総司は周囲を見る。


黒い手。


黒い霧。


そして鬼の赤い紋様。


「この神社にいる限り、鬼の力が強くなってる」


鬼が笑う。


「よく気づいたな」


「ここは俺の狩場だ」


総司は井戸を見る。


鬼はその瞬間、井戸の前へ移動した。


「そこから離れろ!」


総司が叫ぶ。


鬼が笑う。


「嫌だと言ったら?」


「……!」


鬼は井戸に手をかざした。


すると、井戸から黒い霧が噴き出した。


「この場所にいる限り、俺は倒れない」


総司は歯を食いしばる。


「なら……」


「ここから引きずり出す」


隼人が槍を構える。


「どうやって?」


総司は鬼を見据えた。


「俺たち四人で、一気に攻める」


蓮が頷く。


「分かった」


零奈も矢をつがえる。


「今度は逃がさない」


四人が構える。


鬼も爪を構えた。


「来い」


総司が地面を蹴る。


「行くぞ!」


四人が一斉に突撃する。


総司の双剣。


隼人の槍。


蓮の刀。


零奈の矢。


四つの攻撃が同時に鬼へ迫る。


鬼は黒い手を操り、それらを迎え撃つ。


激しい攻防が続く。


そして――


総司の刃が、鬼の頬を浅く切り裂いた。


「……!」


鬼が目を見開く。


総司も驚いた。


「届いた……!」


鬼の頬から血が流れる。


鬼はその血を指で拭った。


「新人隊士が……」


赤い紋様がさらに強く輝く。


「この俺に傷をつけたか」


鬼の表情から笑みが消えた。


「ならば――」


鬼が構える。


「次は、お前たちを一人ずつ潰す」


総司たちは武器を握り直した。


戦いは、さらに激しさを増していく。


第27話 完

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